未来へ進むとうほくリポート

仲間の素晴らしさを子どもたちへ--サッカー日本女子代表前監督・佐々木則夫さんの軽米サッカークリニック

私達が応援させて頂いている活動の様子をリポート致します! 2011年、東日本大震災を受けて、日本の皆さんを元気付けたいという想いがなでしこJAPANの優勝への原動力だったといいます。その恩返しとして実施されている活動です。2017年8月20日、サッカー日本女子代表前監督・佐々木則夫さんが岩手県軽米町を訪れました。地元の子どもたちを集めた「サッカークリニック」は、被災地支援事業として佐々木さんが2013年に始めたものです。軽米町では初めての開催ということで、143人もの子どもたちが集まりました。

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「絶対に上手くしてあげます」

サッカーの魅力を子どもたちへ伝えたい。少しでも子どもたちに笑顔や元気が生まれたら--。サッカー日本女子代表前監督・佐々木則夫さんは、そんな想いのもと、2013年から被災地支援に取り組んでいます。その一つが「サッカークリニック」。岩手県軽米町では初の開催です。

憧れの佐々木さんに会えるとあって、岩手県内6つの町のサッカーチームから、143人もの子どもたちが集まりました。ユニフォーム、マイボールを準備して、子どもたちは始まるのが待ちきれない様子でした。

「今日は絶対に上手くしてあげます」。開会式での佐々木さんの挨拶は、そんな言葉から始まりました。「ミスを怖がらず、楽しんでください!」



子どもたちは学年ごとに4チームに分かれ、チームごとに地元ボランティアのコーチがサポートします。さあ、いよいよサッカークリニックの始まりです。

  • 「絶対に上手くしてあげます」

    佐々木さんの話に耳を傾ける子どもたち。真剣な面持ちがとても印象的でした。

ゲームを通じて学ぶこと・「喜ぶ」ことがポイント

最初のプログラムは「だるまさんが転んだ」です。佐々木さんがボールを持ち、放り投げたり蹴ったりします。佐々木さんの体からボールが離れた時だけ、子どもたちは動くことができ、その隙にゴールを目指すというルール。投げるフリにつられてつい走り出してしまったら、スタート地点からやり直しです。

「ボールをよく見て!」。佐々木さんは何度もそう声をかけます。その言葉を繰り返し聞いた子どもたちは、ボールが手から離れたかどうかをしっかり確認してから動き出すようになりました。

1回目は自分1人で、2回目は仲間数人と手をつないで、3回目はボールを蹴りながら、と、同じゲームでも少しずつ難易度が上がっていきます。最後の1人がゴールするまで、佐々木さんは優しく声をかけ続けていました。

「だるまさんが転んだ」に続いて、「こおり鬼」でも思い切り走り回った子どもたち。その後は本格的にボールを使うプログラムが続きます。ボールを高く蹴り上げてその下を急いでくぐったり、1対1になって相手からボールを奪い合ったり。コーチに任せきりにすることなく、佐々木さんは4チームを丁寧に回って指導をしていました。

そしていよいよチーム戦です。先にシュートを決めた方が勝ちというルールで、ミニゲームを何度も行います。佐々木さんが繰り返し言っていたのは、「喜ばないと得点にならないよ」ということ。仲間がゴールを決めたのに、よそ見やおしゃべりをしていてリアクションがなかったら、ノーゴールになってしまうのです。声が大きければ、なんと2点もらえることも!そんな特別ルールもあって、ゴールを決めた本人はもちろん、それを見守るチームにも喜びの声が広がっていきました。

  • ゲームを通じて学ぶこと・「喜ぶ」ことがポイント

    1人で動くのは簡単でも、皆で手をつないでいると思うように動けません。瞬発力だけでなく、チームワークも大切です。
  • ゲームを通じて学ぶこと・「喜ぶ」ことがポイント

    「ナイス!」「ゴール!」「やったー!!」子どもたちの声は次第に大きくなっていきました。

最後は大人と対決!

最後のプログラムは、なんと大人との対決です。コーチや保護者から有志を募り、子どもたちと戦います。大人たちの本気のプレーにも、子どもたちは負けていません。「いけー!」「ナイスフォロー!」など、仲間への熱い声援で大人たちを圧倒していました。

最後は大人とPK対決!子どもたちが見事シュートを決め、試合終了です。仲間たちと手を取り合って喜ぶ子どもたちは、とてもいい表情をしていました。

  • 最後は大人と対決!

    大人たちを相手にしても、子どもたちは一歩も引きません。積極的なプレーが続きました。

子どもの言葉を引き出す質疑応答

試合が終わり、佐々木さんへの質疑応答が行われました。「なでしこジャパンが優勝した時はどんな気持ちでしたか?」「なでしこジャパンはどんな練習をしていたんですか?」「どうしてサッカーのコーチになったんですか?」「コーチのお給料はどのくらいなんですか?」など、子どもたちのさまざまな質問に丁寧に答えていく佐々木さん。

佐々木さんは、自身が答えるばかりでなく、「君はどう?」と質問した子にも必ず問いかけていきます。質問が自分に返ってきた子は驚いた様子でしたが、それでも必死で答えを探します。聞いている子どもたちも、同じように自分の答えを考えていたようでした。

目をそらさず、真剣な表情で話を聞く子どもたちに、「君たちは聞く姿勢がとてもいいね」と佐々木さんも驚いていました。「これからも、仲間と一緒にサッカーを楽しんでください」という言葉で、この日のサッカークリニックは幕を閉じました。

  • 子どもの言葉を引き出す質疑応答

    おしゃべりやよそ見をせず、まっすぐに佐々木さんを見つめる子どもたち。

子どもたちの笑顔がうれしい

最後に、佐々木さんにお話を伺いました。

「子どもたちに伝えたいのは、サッカーの面白さだけではありません。今日何度も『喜んで!』と言っていたのは、仲間を賞賛するなど、人と関わる楽しさを知ってほしかったからです。チームを応援することも大切ですし、仲間のプレーを真剣に見ていれば学ぶこともたくさんあります」

「サッカークリニック」は5年目を迎えます。「活動はこれからも継続していきます。子どもたちは、東北の、ひいては日本の将来を担うことになります。少しでも彼らの力になれればと考えています。何より、サッカーをしている子どもたちが本当にいい表情をするんですよ。そういう、純粋にサッカーを楽しむ気持ちを育てていきたいですね」

憧れの佐々木さんと接する貴重な機会に、子どもたちは1日中笑顔でした。サッカークリニックを通じて、さらにサッカーへの想いが強くなったのではないでしょうか。

※2016年
9月17日(土)  熊本県熊本市(熊本地震 被災地) サッカークリニック 参加者91名 
9月18日(日)  鹿児島県南さつま市(桜島噴火 被災地) サッカークリニック 参加者 70名
10月1日(日)  茨城県常総市(大雨洪水 被災地)サッカークリニック 参加者 100名
10月8日(土)  福島県いわき市(東日本大震災 被災地)サッカークリニック 参加者 115名 
10月10日(土)  宮城県女川町(東日本大震災 被災地)サッカークリニック 参加者 130名 

※2017年
8月19日(土)  青森県八戸市(東日本大震災被災地) サッカークリニック 参加者約90名
8月20日(日)  岩手県軽米町(東日本大震災被災地) サッカークリニック 参加者約 143名
10月8日(日)  福島県相馬市(東日本大震災 被災地) 
10月29日(日) 宮城県気仙沼市(東日本大震災 被災地)

  • 子どもたちの笑顔がうれしい

    佐々木さんとタッチ!
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