未来へ進むとうほくリポート

Vol.9:一粒の種からたくさんの実がつながりを結ぶ

2013年4月、朝晩はまだ少し肌寒いけれど、日中の日差しが力強く感じ春の気配が感じられるようになりました。 宮城県で1963年に誕生した「ササニシキ」 震災からの復興とともに、未来の種プロジェクトでは、宮城県発祥のササニシキを“地域の誇り”として復興させることを目指した活動を行っています。

一粒の種からたくさんの実が結ぶように、がんばっていかなくちゃならないね

種籾から育て苗を田んぼに植えるまでの行程は、なんと10項目以上にも。稲の種を、良いものと悪いものとに分けていく選別や管理をしなくてはなりませんから育苗は”子育て”といってもいいかもしれませんね。

たくさんの作業工程の中で始めに行うのが浸種(しんしゅ)。ササニシキの種籾を水に浸す行程です。種籾にしっかり吸水させることで、発芽しやすくなるのです。水に浸ること2週間、種籾から小さな芽がふっくらしたら水からあげ、今度はぬるま湯に漬ける 催芽(さいが)という行程に移ります。芽が出るまでの間、ササニシキの種籾は冷たいお水に浸ったり、お湯に浸かったりしながら過ごすと小さな種から1ミリほど芽が、ひょっこりと顔を出したら再び冷水に漬けて発芽の進行をいったん止めます。次に種を乾かして、播種(はしゅ=種まき)を行います。

「均一に揃った苗」を作る為に、水に浸けたりお湯に浸けたりするのにはちゃんと理由があって田植の際に生育差のある苗を一緒に植えると小さな苗の成長を大きな苗が阻害してしまったり、稲の生育に合わせた様々な作業や収穫のタイミングがズレてしまうためとても大切な工程なんですよ。
冷たい水から温かいお湯へ、そしてまた冷たい水へと種籾ものんびりしている暇はありませんが今ごろは、ぽかぽかのビニールハウスの中で苗箱に入って仲良く並んでいるころです^^

「一粒の種からたくさんの実が結ぶように、がんばっていかなくちゃならないね」
と、ササニシキを育てる阿部さんがおっしゃっていました。

生産者の阿部さんのご自宅から歩くこと5分、南三陸の里と森と海が一望できる草地があります。道中、リンゴの木からは新芽が芽吹き、足元では土筆(つくし)が芽を出していました。 ニョキニョキと顔を出すかわいい芽に何とも言えず心が和むと同時に力強い自然の生命力に驚かされます。

  • 一粒の種からたくさんの実が結ぶように、がんばっていかなくちゃならないね

    水に浸かっているササニシキの種籾。ここで2週間ほど過ごします。米作りは一見単純に見えますが、様々な可能性を秘めていますね。

 

いのちがつながる大きくて豊かな南三陸町の自然とともに、
みんなで手を取り合いつながっていく未来の種プロジェクト。二年目の田植はもうすぐです。

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    春を感じて、りんごの木の新芽も日ごとに柔らかく開いていきます。
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    入谷地区から望む、まばゆいばかりの森と里と海。大きくて温かい南三陸の自然の息吹と美しさは、こころを和ませてくれます。
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    足元から季節の歩みを感じさせてくれる土筆(つくし)が顔を出していました。

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