災害への備え

【防災ガール連動企画】平成30年7月豪雨NTTドコモの対応〜岡山支店奮戦記(後編)〜

一般社団法人防災ガールと防災について考える連動企画。 通信インフラを担うドコモの災害時はどのような対応をしているのか。平成30年7月豪雨時の岡山支店での対応を防災ガールさんにレポートして頂きました。
目次
【1】岡山県での被害状況
【2】岡山支店の対応
(i)通信施設の被害と回復
(ii)避難所支援  ←前編
(iii)ボランティア支援 ←本篇はここから
【3】平成30年7月豪雨を受けて
【4】被災者支援の現場で

前編 http://rainbow.nttdocomo.co.jp/disaster/detail/38/
後編 (本篇)
関連記事はこちら↓ 【防災ガール連動企画】平成30年7月豪雨の被害と、岡山・広島の「今」から見えたこと
http://rainbow.nttdocomo.co.jp/disaster/detail/35/

(iii)ボランティア支援

避難所支援以外にも、ボランティア団体が倉敷市営のキャンプ場である「真備美しい森」に活動拠点を設けることになったため、花火大会やライブなどのイベント会場でもおなじみの移動基地局車を設置することで、もともとエリアではなかった場所をエリア化するという支援も行いました。移動基地局車は衛星通信ができること、発動発電機を搭載していることから、回線や電源がなくても自立して活用できるものですが、ボランティア団体から通信環境への要望もあり、NTTの光回線をつないで通常の基地局並みの環境を整えたそうです。

  • (iii)ボランティア支援

    真備美しい森に設置された移動基地局車

【3】平成30年7月豪雨を受けて

ハザードマップで水深5mの浸水が想定されていた場所で通信設備が水没してしまったということについて、今後の対応を尋ねてみました。

「もともと過去の水害の経験をもとに高い所に設備を上げて、浸水してもつからないようにしている場所もありました。どこまで上げるかと言う議論はありますが、今後も被害想定に合わせ、対策可能な場所については必要な高さまで上げる、上げるのが難しい施設については万一水につかってもすぐ復旧できる構成にするなど、工夫をしながら対策を進めているところです」(ネットワーク部門・曽田部長)

「平時は、通話や通信の電波状態を良好にすることを重視して、災害リスクがある場所であっても基地局を設置せざるをえません。そこで、災害時にそういった基地局が停波になった時に、緊急的に広く通信を確保するための大ゾーン基地局や、バッテリーや回線を増強し、いざというときには遠隔操作でカバー範囲を広げることが可能な中ゾーン基地局など、災害時にも2の手3の手がうてるような対策を順次展開しています。大ゾーン基地局は北海道胆振東部地震の際に実際に運用されました」(企画総務部門・渡辺部長)

 支援体制やネットワークの対応など様々な分野について、誰がどう動くべきかという行動が全て明文化された災害対応マニュアルがあり、日頃から訓練も行っています。災害が起きるたびに既存のマニュアルをブラッシュアップしていく対応をしており、今回の災害でも見直しを進めているとのことです。

【4】被災者支援の現場で

 岡山支店に続いて、取材クルーは災害ボランティアセンターや避難所の現場で支援にあたる方々に話を聞くことができました。スマートフォンや通信環境などITが被災者支援の現場で、想像以上に欠かせないツールとなっていることを確認しました。
 
 最初にお話をうかがったのは、倉敷市社会福祉協議会(以下、社協)の秋田展生事務局次長です。
 災害発生後、最初の日曜日7月15日には2300人のボランティアが真備町に入り、災害ボランティアセンターはパンク状態になります。社協副会長と倉敷市の民生委員長をつとめる中桐泰さんが話します。

  • 【4】被災者支援の現場で

    写真右から秋田展生事務局次長、中桐泰副会長、防災ガール田中美咲代表

役に立ったスマートフォン

この大混乱の解決に役立ったのは、スマートフォンのアプリでした。Peatixを使って、ボランティア保険のウェブ登録ができるようにしたことで、名前も電話番号も登録済みなので、チェックインするだけで受付が終わります。人力の受付は長蛇の列でもPeatix側は空いてるので、徐々にウェブ受付を使う人が増え、最終的には半々くらいまで行ったといいます。

  • 役に立ったスマートフォン

    ITによる情報発信、データのデジタル化と統合システムを担当する詩叶さん

支援アプリの活用

詩叶さんと一緒に「かんたんマップ」や「まびケア」などのアプリを活用して、看護の視点から災害者支援に取り組んでいるのは高知県立大学大学院看護学研究科の神原咲子教授です。

いまから手帳やこれから手帳に蓄積される情報は、いずれビッグデータとして災害対応に役立つようになると神原教授は語ります。避難生活で鬱症状を見せるおかあさんたちの姿は500人の女性が参加するLINEの会のアンケートから浮かび上がったという話もあります。詩叶さんも広い体育館内の連絡にはLINE worksを使ったと言います。ボランティアセンターの受付問題を解決したPeatixだけでなく、いまやスマートフォンやアプリは災害支援を円滑にし、今後発生する他の土地の災害対応にも役立つものとなっています。
 
 神原教授からは「まだ浸水している最中の翌日にガラケーを含めてあるだけの充電器が欲しい、というリクエストに対応してくださったドコモさん、本当に有り難かったです。あれのおかげで安否確認が取れてどれだけの家族の安心に繋がったか」とい言っていただけました。岡山支店で聞いたマルチチャージャーが活躍した例です。これを受けて東北復興・新生支援室の菅原陽子さんが「通信会社としてもやるべきことをしっかりやるという事が大事だと改めて感じました」と語った言葉がまさにこの取材を象徴していたかのように感じます。

  • 支援アプリの活用

    「いまから手帳」を手に開設する神原教授

今回の取材を通じて

今回の取材を通じて、多くの人が岡山県民の防災意識の低さを指摘しました。あの大災害を経てもなお、被災しなかった人はまだ「わがこと」ととらえておらず、備えも不十分だという指摘もありました。一方で、NTTドコモが毎年出展している「HUG HUG WORLD」(2018年9月コンベックス岡山で開催)に移動基地局車を展示してドコモの防災の取り組みを紹介したところ、例年よりも反響が大きく、関心が高まっている感触があったそうです。岡山支店としても2019年6月ごろに初めて防災をテーマとした説明会(記者レク)を行う予定とのことです。
 
 通話通信環境を良好なものに保つことがドコモの使命ですが、同時にドコモユーザーをはじめ全ての人が災害にあっても命と財産を失うことなく、元気で生活できるように促すことも、多くのユーザーと接点を保つドコモだからこそできることではないかと感じました。

  • 今回の取材を通じて

    最後に集合写真(docomo岡山支店にて)

<ご協力くださった団体様一覧>(順不同・敬称略)

docomo岡山支店
倉敷市社会福祉協議会(http://kurashikisyakyo.or.jp/
神原呉服店(https://peraichi.com/landing_pages/view/kanbara-go-huku-ten

団体紹介

一般社団法人防災ガール
https://bosai-girl.com/

本取材同行者 ※順不同
代表   田中美咲
事務局長 中西須瑞化
防災コピーライター 高階經啓(合同会社LENZ代表)

  • 団体紹介

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