災害への備え

災害に備える防災豆知識~vol.6~ ペットとの避難

皆さんに好評の防災豆知識。遂に第6回目となり、折り返しとなりました。今回は坂井が担当させていただきます。 私は子どもの頃からずっと、ペット(犬・猫・鳥)に囲まれ、家族の様に生活してきました。このサイトをご覧になっている方々もペットを飼われている方が多いのではないでしょうか?今の日本の犬・猫の飼育数は約1979万頭(2015年)。15歳未満の子供の人口1617万人を大きく上回り、現在ではすっかり子供と動物の数が逆転してしまっているペット大国といわれています。 東日本大震災では、人間と同様、多くの動物たちも被災しました。家族と離ればなれの生活を余儀なくされたペット達、飼い主を失い、行き場を完全に失った動物たちも多くいました。災害時、大切な家族・パートナーであるペット達を守るために、日頃からできるペットの防災対策について考えてみたいと思います。

ペットの同行避難

ペットは家族同然の存在。ペットだけを置いて避難することなんて考えられないという飼い主さんも多くいるのではないでしょうか?東日本大震災後に、環境省は「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を定めました。緊急災害時はペットを連れて避難する「ペットとの同行避難」を推奨しています。

熊本地震では、ペットとの同行避難が推奨されている避難所があることを知らなかったために、ペットと共に自宅に留まったという飼い主さんや、ペットを家に置いてきた、もしくは外に放してきたという飼い主さんもいたようです。

ただし、「ペット同行避難」は、「ペット同伴可」の避難所以外では、ペットたちは、基本、人間と同じ避難スペース(居住スペース)に入る事はできないのでご注意ください。ペットは基本、屋外もしくは人間の避難スペースとは異なる場所で避難することになります。(※ペットと避難所の中で過ごせるのは「同伴避難」といいます。)
避難所で一緒に過ごせないの?と思った飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。ただし、ペットの「同伴避難」は、避難所には動物が苦手な方もいること、命にかかわるアレルギーをもっている方もいること等、様々な理由から難しさがあるようです。

しかし、「ペットの同行避難」は、迷い犬や迷い猫を出来る限り出さない予防策や、人間・ペットの二次災害に巻き込まれるのを防ぐ役割も担っています。避難所の居住スペースでは一緒に過ごせないとしても、大切なペットが安全な避難所に一緒にいるというだけでも安心感は全然違いますよね。

避難所でのペットの面倒は、基本飼い主さんが行いますが、自治体によって対応は異なるようです。まずは、自分が住んでいる地域の役所で、自治体と自分が利用する指定避難所のペット対応について事前に確認しておくことをおすすめします。

※1 環境省「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2506/full.pdf#search=’防災マニュアル+ペット避難’

  • ペットの同行避難

    環境省が定めているガイドライン。日頃からの防災対策から災害時の心構えなど、手元においておきたい一冊です。

ペット防災グッズ

人間同様、いざという時に安心できるよう、ペットの防災グッズも用意しておきたいものです。同行避難時においても役にたちますので、ぜひ準備をしておきましょう。

●クレートやキャリーケース
避難所では、ペットのハウスとして使用します。日頃から活用して、ペットが安心して過ごせるようにしておきましょう。
※ケージ・サークルとは異なり、側面が壁になっているクレートは災害時に活躍します。

●リードやハーネス
抱き上げられない中・大型犬は、リードやハーネスをつけて同行避難します。ガラスの破片等で足をケガしないように、犬用の靴もあると良いです。

●フードと水
フードと水は最低3日分、可能なら一週間分を用意しておきたいものです。動物救護体制が整えば、多くの場合、救護物資としてペットフードが届けられるので、それまでの数日間を乗り切るためには必要です。お水が飲める用、折り畳みの水入れも用意しておくと便利です。

●常備薬
ペット用の薬は、しばらく手に入らないことが想定されます。また薬の名前はメモをしておきましょう。名前が分からないと、入手できる状況になっても、入手できない場合があります。

●ペットの写真
迷子になったペットを探すときにはペットの写真が必要です。顔写真だけでなく、全身の姿や柄もわかるように数枚あると良いです。

●迷子札
名前と連絡先(携帯番号)を首輪につけておきましょう。万一、ペットと離ればなれになっても安心です。

●タオル・毛布
ふだん寝床などで使っているものがあれば、避難所でのストレスを減らせます。ペットの体を拭いたり、ペットがパニックになった時にタオルで抱えておとなしくさせたり、もちろん、寒さ対策にも使えます。

●トイレ用品
ペットシーツ(犬)。猫のトイレ用品は、段ボールをビニールで覆い、ちぎった新聞紙などを入れれば簡易トイレをつくれます。

  • ペット防災グッズ

    一か所にまとめて準備しておくとすぐに持ち出せて安心です。

ペットの避難所生活に備えてやっておきたい事

●避難場所の確認・避難訓練
普段から家族で最寄りの避難場所や避難経路について確認しておきましょう。またボランティアや自治体等が開催しているペットの同行避難訓練に参加してみる事をおすすめします!

●しつけ
安全かつ速やかに避難できるように、また、避難所において周囲に迷惑をかけないように、普段からしつけを行い、飼い主さんがきちんとコントロールできるようにしておくことはとても大切です。いざという時にペットのストレスを少なくすることにもつながります。

●クレート・キャリーケースの活用
避難所や動物シェルターでは、犬や猫が過ごす場所として、クレート・キャリーケースを使用するケースが多くあります。そのため日頃からクレート・キャリーケースに慣らしておくと、安心です。

  • ペットの避難所生活に備えてやっておきたい事

    ペット同行避難訓練の様子(環境省「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」から)。

大切なペットを守るために

飼い主さんの日頃の準備が、大切なペットを災害から守ります。様々なシーンを想定し、ぜひ準備をしておきましょう。また日頃からペットの防災について、自宅周辺のペット仲間と共有しておくと、いざという時に助け合うことができ安心です。様々なサイトでペットの防災について掲載されていますので、ぜひ情報収集をしてみて下さい。

◆動物好きな人も、苦手な人、動物も共存できるように
様々な理由からペットを飼えない方もいらっしゃると思います。なかには動物が苦手、アレルギーがある、衛生面が不安等から、ペットの同行避難が推奨されている事を不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。また災害時には人間すら大変な状況なのにペットどころではない、という厳しい意見もあるかもしれません。ペットの同行避難や防災対策は、街中にペットが逃げ出してしまい迷い犬・迷い猫が増える事やそれから付随するトラブルを防止する、パニックから攻撃的になってしまうペットが落ち着く等、ペットを飼われていない方の不安軽減にも繋がる事をご理解いただければと思います。
まずは私たち飼い主が、動物が苦手な方が更に動物が苦手にならない様、ペットの健康管理・しつけ・マナー等を徹底し、普段のペットとの暮らしで出来る事を再確認する事(ペットの散歩で糞を放置していないか、リードは離していないか等)が大切と考えています。そして日頃から共存してゆけるよう努力することが、日常の中で出来る防災対策の一つである、その様に考えます。

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