未来へ進むとうほくリポート

ファーム白石

無農薬・無化学肥料の自然農法で作る野菜は畑の宝石

ファーム白石

土地の特性を活かして自然農法で野菜や米を生産する福島県いわき市の「ファーム白石」。真っ赤なつなぎがトレードマークのファーム白石代表・白石長利さんにお話を伺いました。

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自然農法のファーム白石

山から冷たい風が吹き下ろしてくる12月の寒い畑に、赤いつなぎで収穫作業をする白石さんの姿を見つけました。畑にはがっちりとしたブロッコリー、どっしりとしたキャベツ、繊細な葉が風にそよぐ人参、少し小振りのサラダ白菜が。
「今年は(例年より)出来がいいですよ」と白石さん。
「この“いわき”という土地は、野菜栽培にとてもあってるんです。」
雪があまり降らないので1年中収穫ができ、降水量は安定しており、山から吹きおろしてくる風が、野菜たちを丈夫に強く育てます。
「この風は人間には厳しいけど、野菜には必要」と言う白石さんは、作物本来の力を引き出すことにこだわり、農薬も化学肥料も除草剤も使いません。自然の太陽と、雨の恵みに育まれた旬の野菜やお米を、無農薬・無化学肥料の自然農法で作ります。

真っ赤なつなぎがトレードマークのファーム白石代表・白石長利さん

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自然の塩味(えんみ)

大きな葉に囲まれたブロッコリーを、白石さんはその場で収穫し、茎の部分を薄くスライスして生のまま食べさせてくれました。みずみずしい薄緑の茎は、シャキシャキと美味しく、少し塩味を感じます。
「ちょっとしょっぱいのわかります? 塩味(えんみ)です。」
「測定器で測ると、うちのブロッコリーは一般のものよりも8倍くらい多くあります。ミネラルが多いんです。」
ブロッコリーの収穫後、その切り取った株から成長してくる小さなブロッコリー「チビッコリー」というものがあるのを、みなさんはご存知でしょうか。
「チビッコリーの味はブロッコリーより濃いんです。カタチも可愛く添え物としてもいい。」
実は、いわき駅ビルにある『Vege Cafe』では、この白石さんのチビッコリーを使ったスムージーを飲む事ができます。栄養もたっぷりで、とても爽やかで飲みやすいのです

採れたてのブロッコリー

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とれたての野菜たち

次に白石さんはキャベツを獲ってくれました。切り口からは驚くほどの水分が溢れ出ています。
「一番おいしいのはこの芯の部分。(ここが)一番栄養が通る場所。すりおろしてスープとかに入れるといいですよ。」と教えてくれました。
一般的には敬遠しがちなキャベツの芯の部分、この話を聞いたので、次回から残す事がなくなりそうです。
人参も掘りたてをその場でスライス。今まで感じたことのないすっきりとした甘みがあります。
サラダ白菜は通常のものより一回り小さいミニ白菜。軽くて持ち運びもしやすく一回で使い切ることができます。舌触りはとてもなめらか。そして、なにも調味料を使っていないのに、このミニ白菜にも塩味(えんみ)をはっきりと感じたのです。同行した取材スタッフたちも、「おいしい」を連発し、何度もおかわりするほど。
それは、浅漬けの白菜のようでもありました。

白石さんのミニ白菜は浅漬けの白菜のようでとてもおいしい

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引き算の料理が合うファーム白石の野菜たち

「ここでは塩を使わず香りだけで料理できるんです」そう言うのは、自分のレストランで使うための食材を求めるためファーム白石に通う、フランス料理店Hagiのシェフ・萩さん。
この日は、白石さんの取材の様子を見に立ち寄ってくれました。
白石さんと萩さんは、食材を提供する側される側という関係だけにとどまらず、震災後から「ine いわき農商工連携の会」(いわき市・福島県内の農商工連携によりこだわりのある食と体験を提案する会)のメンバーとして地元いわきの食材の良さを全国へ発信するなど、いわきの農業振興・復興を担う仲間でもあります。
「うちではコースで使う塩ってこれくらい(笑)」と萩さんは、ちょうど持ってきていた塩をごく少量つまんで、みせてくれました。驚くほどにミネラル成分が豊富な白石さんの野菜は、何かを足して100にするのではなく、野菜のミネラルを利用した引き算の料理になるのだと言います。それも獲れたての食材で料理できるからこそ。
「白石さんの野菜を、子供とかお客さんに食べてもらって元気になってもらいたい」と萩さん。
「獲れたてを調理して食べられるのは、地方の最大の武器です」と白石さん。

畑はさながらサラダバーのように(萩シェフ=左と取材スタッフ)

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白石さんの取り組み

「震災の時は収穫最中だったんですが、いきなり仕事がなくなっちゃって・・」
白石さんは震災直後、丹誠込めて作った野菜たちを収穫することもできず、畑にも行けず、とてもつらい思いをされたそうです。
その後の原発事故による風評被害にも悩まされましたが、「風評被害なんて受けたくない、(風評被害に)押しつぶされないように動こう。」と、仲間達と活動を開始します。
ine(いわき農商工連携の会)で収穫体験のツアーを開催したり、東北たべる通信の読者会員とCSA(生産者を複数の消費者が支援するしくみ)に取り組み、まさに顔が見える生産者となり、消費者との交流を深めました。
また、震災の難を逃れ、在来種の里芋として認められることになった尊敬する祖父の名をつけた「長兵衛里芋」をつくることで、いわきの伝統野菜の促進にも一役かっています。
「落ちるとこまで落ちて、でもじっとしていられず、がむしゃらにきた結果、やっとなんか少しずつカタチがちゃんと形成されてきた感じ。」
そんな白石さんの周りには、フレンチシェフの萩さんはじめ、いわきを大切に思い、もり立てようと活動する仲間たちがたくさんいます。それは互いに協力し、互いに高め合う、真の仲間たちです。

苦労を共にしてきたフランス料理店Hagiのシェフ・萩さん(右)と白石さん

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人を良くする、「食」

「人とのつながりを大事にしたいです。」
そういう白石さんは、震災後に一番悔しかったのは人が来なくなってしまったことだと説明してくれました。
「食っていうのは、人を良くするって書くんですね。自分は野菜を提供する生産者として、できる限り多くの人とつながりを持ちたい。春夏秋冬、四季の旬の野菜を食べてつながってもらえればありがたい。この畑をハブ空港(さまざまな空港への航路をもつ拠点空港)のように人が集まる場所にしたいんです。」
大変な経験を経て、本当の仲間たちとともに、いわきのこれからを考える白石さん。生産者と消費者とのつながりを大切に、地産地消ならぬ知産知消(生産者と消費者が互いの事を知ること)を目指す白石さんの取り組みは、まだまだこれからも続いてゆきます。

人とのつながりを大事にしたいと話す白石さん

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ファーム白石

ファーム白石

住所:福島県いわき市小川町下小川字味噌野16
電話:080-2810-4033

URL:http://taberu.me/tohoku/csa/shiraishi/

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