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株式会社かめまん

夢・菓子工房かめまん

株式会社かめまん

「夢・菓子工房かめまん」は福島県須賀川市に1919年(大正8年)創業。現在の代表取締役鈴木茂雄さんで四代目となります。和菓子、洋菓子を製造販売し、本店(須賀川市)、仲の町店(須賀川市)
そして、震災後にオープンとなった開成店(郡山市)の3つの直営店があります。もちもちの「玄米パン」と45㎝もある「なが~いロールケーキ」が有名。一部商品は、全国発送が可能です。

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地元に残ることだけを考えていた

「夢・菓子工房かめまん」を運営する株式会社かめまんは、今年で創業96年を迎える。飴などの駄菓子の製造販売からはじまり、その後スーパーマーケット経営など業務を拡大していた時期もありましたが、大手スーパーの台頭など、時代の流れもあり、和菓子・洋菓子店へと業務をシフトしたそうです。

震災当時、鈴木茂雄社長は、担当の和菓子を製造中で、ちょうど、餡(あん)を練っていたところでした。すぐにスタッフを工場から避難をさせましたが、自分は最後まで工場内に留まり、材料等保管されているラックを手で押さえ、被害を最小限のものに食い止めようとします。しかし、揺れも大きくなり、社長を心配したスタッフにせき立てられるように、外へと避難をしたそうです。
何度かの余震がおさまり、工場の中にもどり見てみると、壁のあちらこちらにはヒビが入り、製造機械のいくつかも、買い換える必要がある状態でした。
翌日から、営業を再開させるために準備をするものの、2011年3月14日には「原発が危ない」という情報が入り、スタッフや家族を避難させ、後片付けをするために、鈴木社長だけ残りました。
「私の腹は決まっていたんですよ。“避難はしない、ここに残る”とね。」鈴木社長は当時の決心を話してくれました。

かめまん本店

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少しでも多くの人に食べてもらいたい

震災翌日の12日は、お店の営業は休みましたが、前もって製造をしていた商品があったので、それを店頭に並べ販売することに決め、13日には店を開けました。震災直後という事でどこのお店もあいていない、品不足の時でしたので、地域の住民たちから感謝されたといいます。
「お店を開けたら、お客様が一気に入って来られて、こちらは一人だったので大変でした。」と、鈴木代表取締役は当時を振り返り、笑います。
「大変ではありましたが、販売できるものがあるのであれば、少しでも多くの皆さんに食べてもらいたいという一心でした。」

その後、鈴木社長は使える機械を動かし、菓子製造を開始します。一番初めに製造を再開したのは、看板商品でもある「玄米パン」。あわせて、おにぎりなども作って、避難所への差し入れも行いました。
本店のあったエリアでは、他には営業を再開している店舗はすくなかったので、反響は大きく、「玄米パン」を取り扱っていたスーパー等からも依頼がきたそうです。震災直後でも、1日約10,000個の「玄米パン」を製造していたというので驚きです。

「かめまん」といえば、「玄米パン」

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生きんつばも、人気の商品のひとつ

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地元に残って会社を守りたい

また、「玄米パン」以外の製品も製造をしました。
しかし、九州から仕入れていた生クリームは、埼玉県の大宮までは輸送されたものの、当時、福島への輸送には特別な手続きなどが必要だったため、手に入りづらかったそうです。そのため、鈴木社長は、大宮まで生クリームを受け取りに行かざるを得なかったといいます。
それでも菓子製造をやめなかったのは「ここに残って四代続いた会社を守る」という強い意志。
「流通は止まっていましたが、避難することは頭になかったので、作って食べてもらおうと必死でしたよ。先が全く読めなかったし。」
「(親から)社長交代したばかりでね、自分の代で会社を潰すわけにはいかないって思ってね。」

テレビでも紹介された「なが~いロールケーキ」

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情報発信とコラボレーションで現状打破

4年後の2015年2月時点で、売上げは震災前の約7~8割ほど。地元でおこなわれる披露宴は、招待客が多いことから、ブライダルの引菓子は売上の大きな柱のひとつでしたが、震災後のブライダル数は激減しており、その影響を大きく受けているそうです。
しかし「下を向いてばかりはいられない」と、震災後に、開成店(郡山市)をオープンさせたり、積極的に各地で行われる物産展への出店をはじめました。
「物産展は、出店料などもかかりますが、売れれば宣伝にもなるし、お客様との顔つなぎにもなるので、やっぱり情報を発信するという事は大切だと感じています。」と鈴木社長はいいます。
新店舗オープンや物産展など販売する窓口が増えた分だけ、確かに売り上げを上げることは出来てきているのですが、地元店の売上げがまだまだ戻ってきていないという現状があります。
自分たちだけではなく、他の地元の企業や事業者も一緒に活性化して経済的に復興しないと、嗜好品のお菓子は、地元の人に以前のように買ってもらえるようにならないだろうと鈴木社長は思っています。
そこで、地元の食材を使ってPR作戦をはじめます。「JAあぐりすかがわ岩瀬」の直営店である「はたけんぼ」とのコラボで、規格外の果物や野菜を加工したゼリーや、野菜のドーナッツ、また、野菜を使った“畑のチョコレート”などを商品化し、各地の催事などで販売をしながら、福島の産品のPRに力をいれています。

福島県産の人参やりんご、柚子などを生から搾ってつくった「畑のチョコレート」

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菓心伝心

本店内に入ると、大きな文字で書かれてある「菓心伝心」という文字。
「菓子に込めるは、探求の心、匠の技、伝えしは、心に残る美味。菓心伝心、ひとつひとつに思いを託して」
そんな思いをこめた言葉のもと、「夢・菓子工房かめまん」は、今日もみんなを笑顔にする菓子づくりに励んでいます。

店内には「菓心伝心」の文字

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株式会社かめまん

株式会社かめまん

住所:福島県須賀川市西川町46
電話:0248-73-2751

URL:http://www.kameman.net

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