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株式会社椎彩杜(シーサイド)

嫌いを“好き”に変える、美味しいしいたけを!

株式会社椎彩杜(シーサイド)

現社長が個人的に行っていたしいたけ栽培を、2008年に法人化。個性的な社名には、「椎茸で彩られた杜(もり)をつくろう」「いつか海産物とコラボレーションを」という想いが詰まっています。しいたけ栽培に加え、近年では『椎茸かりんとう』『しいたけ炊き込みごはんの素』などの加工品製造にも注力。さまざまな角度からしいたけの魅力を伝えています。

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しいたけが背中を押してくれた

震災から間もない頃。たった1棟だけ残ったハウスは水も暖房も切れていました。しいたけは温度や湿度調節が難しい、デリケートなきのこです。しかし、真冬の寒さがそのまま突き刺さるそのハウスで、しいたけたちは必死に成長を続けていました。その姿を目にした株式会社椎彩杜の常務取締役 髙橋浩幸さんの胸に、想いがこみ上げてきました。

「――しいたけって、すごいな」

津波によって、ほぼすべての施設が失われていました。再建は可能なのか、廃業も考えなくてはいけないのではないか…。そんな話し合いの最中のことです。

くじけるな、と言われているような気がした、と髙橋さんは当時を振り返ります。そしてしいたけに後押しされるように、椎彩杜は再建の道を歩み始めました。移転先を探し、風評被害と戦い、施設が稼働し始めた時には、震災から1年3カ月が経っていました。

菌床(きんしょう)から顔を出すしいたけが、髙橋さんの後押しをした。

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手間をかければ、しいたけは応えてくれる

椎彩杜は、社長である髙橋さんのお父さんが立ち上げました。当時は会社員として養蚕の指導を行っていたのですが、蚕は夏場の仕事。冬の収入源がなくなってしまう養蚕業の方々のためにと見つけ出したのが、しいたけ栽培だったのです。空きスペースで栽培ができるというのも養蚕業の方々にはピッタリでした。そのうち指導だけでなく、個人的に栽培も開始するようになったのが、椎彩杜の原点です。

所狭しと菌床が並べられたハウス。菌床の向きを変えるなど、定期的な手入れが必要

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しいたけづくりには、昔ながらの原木栽培と、菌をブロックに植える菌床栽培の二通りあります。今では菌床栽培が主流となりましたが、椎彩杜では創業当時から、他社に先駆けて菌床栽培を導入していました。

菌床栽培は、まず菌の寝床となるブロックをつくることから始まります。おがくずなどを固めてブロックを整形し、そこに菌を植えます。しかし、すぐに使えるわけではありません。栽培に適したブロックになるまで、3カ月ほどかかります。その間もブロックの向きを変えるなど、こまめに手をかけなければなりません。そうして出来上がったブロックからは、7カ月で8〜9回ほど収穫をすることができます。

ブロックを手にする髙橋さん。使い終えたブロックは堆肥として活用される

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しいたけ栽培は温度と湿度管理が非常に難しく、専業農家は珍しいのだそう。宮城県内にも5社ほどしかなく、椎彩杜はそのうちの一社です。椎彩杜のこだわりは、とにかく手をかけること。7棟あるハウスの温度と湿度は、1日に5回ほどチェックしています。天候やしいたけの様子によって調節が必要なので、どうしても人の目が必要です。

また、出荷するしいたけを集める容器一つとっても、椎彩杜の姿勢が表れています。通常は大きな容器にたくさんのしいたけを入れますが、椎彩杜ではしいたけほどの高さで何段も重ねられる容器を使用しています。しいたけ同士が重なり合わないようにして、傷がつくのを防いでいるのです。

出荷前のしいたけが詰められている容器。しいたけ同士が重ならないように並んでいる

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「どんなに小さな傷でも、傷む原因になってしまいます。それを防ぎたくて、出荷作業に最適な工業用の容器を探してきました。おかげで2週間ほど日持ちするようになりました。『防腐剤を使っているの?』と聞かれるほどなんですよ」

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しいたけ嫌いの人を驚かせたい

地元の「さんさん商店街」や直売所で、「大人気!」というプラカードと共に置かれている『椎茸かりんとう』も、椎彩杜がつくっています。間引いていた小さなしいたけを何かに使えないか、と模索の末に生まれた商品です。また、そこには「しいたけ嫌いの人に、少しでもしいたけの美味しさを伝えたい」という髙橋さんの想いもありました。

かりんとうの試作品ができると、髙橋さん自ら直売所へ持って行き、お客様に試食を勧めました。しいたけを差し出すと「嫌いだから…」と食べてもらえなくても、かりんとうには「これなら食べられる!」と言ってくれたそう。そうした声に力を得て、髙橋さんは直売所に通い詰めました。「もっとしいたけの風味があってもいいかな」「少し甘すぎる」などというお客様の意見を聞いて試作を繰り返し、1年がかりで『椎茸かりんとう』が誕生。地元で人気となり、今では東京のアンテナショップにも置かれています。

さまざまな企業と協力し、多彩な商品開発を行っている

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かりんとうやパイなど、加工品にも力を入れる一方で、やはり本業には手を抜けないと髙橋さん。「当たり前のことですが、元になるしいたけが美味しくなければ、加工品も美味しくはなりません。かりんとうを買ってくださったお客様に『何だか今日は味が違うね』と言われたこともありました。加工品をつくりたいからこそ、生しいたけにこだわっています」。

土日もなくハウスでしいたけと向き合い続ける髙橋さんにとって、「しいたけは生活の一部」。直売所で会ったお客様に、「おたくのしいたけ、美味しいんだよね!」と言われるのが本当にうれしいのだそう。しいたけ嫌いの人を「おお!これ旨い!!」と驚かせるほど美味しいしいたけをつくる――。髙橋さんはそんな未来を描いています。

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株式会社椎彩杜(シーサイド)

株式会社椎彩杜(シーサイド)

住所:宮城県本吉郡南三陸町入谷字桜沢516
電話:0226-46-2237

URL:http://minamisanriku-seaside.com/

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