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未来へ進むとうほくリポート

豊かなふるさとを次世代にバトンタッチするために

一般社団法人AFW

一般社団法人AFW

代表理事の吉川彰浩さんが2012年7月に始めた活動が団体の基礎となっています。原子力発電所の廃炉と社会が繋がることを訴え、福島第一原発と向き合える環境作りを通して「次世代に託せるふるさと創り」を行っています。団体名は、Appreciate(感謝)・FUKUSHIMA・Workers(福島で働く人たち)の頭文字を取って名付けられました。(写真 代表理事の吉川彰浩さん)。

原子力を学んだ高校時代

「福島の復興と廃炉に取り組む方への感謝と敬意を」。そんな想いで、福島県浜通り地域の状況発信や、原子力発電所の仕組みや廃炉に関する講演などに取り組んでいる一般社団法人AFW。代表理事の吉川彰浩さんは、中学卒業後、東京電力への就職を前提としている東電学園へ進学。国語や数学と同じように、原子力や火力を授業で学びました。学園は東京にあったので、初めて福島原子力発電所を訪れたのは3年生の時だったそうです。

「初めて第一原発を訪れた時は、とにかく圧倒されました。東京で自分が使っている電気を、この場所で生み出しているなんて…なんだか信じられませんでしたね」

その第一印象が忘れられず、吉川さんは第一原発への配属希望を出しました。希望が通って18歳で働くこととなった原子力発電所は、日本に多々ある町工場のように、地域に溶け込んでいました。

東日本大震災が起きたのは、吉川さんが働き始めて12年目のことです。立っていられないほどの揺れ、そして津波。町は、家族は無事なのか…。気にかかることばかりでしたが、作業員が持ち場から離れるわけにはいきません。仲間と共に、時に命がけで作業にあたっていました。

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現場と報道とのギャップ

当初の混乱が落ち着くと、原子力発電所と東京電力について、さまざまな報道が行われるようになります。被災者でもある発電所の作業員が非難を受けることもあり、必死で働いていた仲間たちが耐えきれずに辞めていく…。何度経験しても、仲間の後ろ姿を見送ることには慣れませんでした。

作業員として現場で感じることと報道とのギャップに気づいても、「東京電力の社員」として声を上げることは難しい状況でした。震災後、怒涛の1年間を過ごした後、吉川さんは長年勤めた会社を去ることを決意します。最後に、「退職しても、原発には関わり続けます」と伝えました。「東京電力の社員」としてではなく、「原子力発電所のある町の住民」として、できることを模索しよう、と。

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何もなくても、かけがえのないふるさと

退職した吉川さんは、町を歩き始めます。メディア越しではなく、自分の目で本当の被害を知りたかったのです。地域の役に立てるのなら、ゴミ拾いでも何でも行いました。

「私は本当にバカでした」と吉川さんは振り返ります。

「大変なことが起こってようやく、家族やこの町がどんなに大切だったかを思い知りました。以前は『何にもないこんな町、いつか出て行ってやる』なんて考えていたんです。震災の前から地域のことを考えていれば、もっと早くから町のために動き出せたのではないかと思うと…」

ふるさとを想うその気持ちと、発電所での経験から、吉川さんは「次世代に託せるふるさと創り」を活動のテーマに掲げるようになりました。廃炉現場へ支援物資を送って作業員を支えることに加え、廃炉の重要性を広く訴えるべく、2015年2月には一般個人と第一原発を視察することも始めました。

「原発の状況は、事故当初から数字で公表されていました。ただ、数字や専門用語の羅列では、一般の人には理解できません。『知りたい』と思った人がきちんと理解できるような仕組みを作りたいと思ったんです」

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古民家や米作りを通して、仲間との交流の場を

廃炉に関する取り組みの一方、吉川さんは「木戸の交民家」という活動にも参加しています。楢葉町にある築70年の古民家を借り、ここを地域コミュニティの拠点にしようというものです。

使われていなかった古民家は仲間たちと共にリノベーションを行い、2017年には近所の田んぼで初めての米作りに挑戦。農業経験者がいない中、周囲の助けを借りて収穫までこぎ着け、その米はなんと一等米に認定されました。

「初めて作った米が一等米だなんて、本当にうれしいですよ」と吉川さん。

「こういう活動をしていると、『町のために頑張っていてすごいですね』と言っていただくことがあるんですが、あまりぴんと来ないんです。私は“楽しいから”やっているだけなんですよね。この町が好きで、ここでずっと、家族や仲間と一緒に楽しく暮らしていきたい。だから交流する場所がほしかったし、米作りも興味があったので挑戦してみました。それだけのことなんです」

「原発をはじめ、たしかに問題はたくさんあります。でも、私たちは今もこれからもこの町で暮らしていくだけです。だから、問題があるならそれに対処する力をつけなければいけない」

米作り1年目にして、自信を持って「おいしい」と言える米を収穫することができました。

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子どもたちへ胸を張って手渡せるふるさとを

「自分の故郷をまず守るんだよ」--。会う人会う人へ、よく吉川さんが話していることです。

「ボランティアでも観光でも、福島を訪れてくれることは本当にうれしいです。ただ、まずは自分の暮らす町や故郷、両親や身近な人のことを大切にしてほしい。私のように、『何か』が起こってから後悔してほしくないんです。みんなが身近な人を大切にするようになれば、きっと日本中が幸せになるでしょうし、自分にとっての大切なものを知っている人は、いざという時にとても強いと思います」

吉川さんはこれからも、この町で暮らしていきます。子どもや孫に、胸を張って手渡せるふるさとを創るために。

春になれば、交民家で花見をする予定です。

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一般社団法人AFW

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福島県いわき市久之浜町久之浜字立123番地1

木戸の交民家 Co-minka
福島県双葉郡楢葉町山田岡字駅内2

URL:http://a-f-w.org/
URL:http://kido-co-minka.com/

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