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KIBOTCHA(キボッチャ)

東日本大震災での出来事を次世代へつなぐ防災施設

KIBOTCHA(キボッチャ)

宮城県東松島市の旧野蒜小学校を活用した防災施設・「KIBOTCHA(キボッチャ)」。未来の担い手である子どもたちへ、防災を通じて命の大切さを伝えていくための場所です。体を動かして遊びながら、自然と防災を学ぶことのできる仕組みになっています。左から、貴凛庁株式会社 代表の三井紀代子さん、島﨑晋輔さん、井出方明さん。

小学校を活用した防災施設

2018年4月、宮城県東松島市に「KIBOTCHA」がオープンしました。東日本大震災の被害を受けて廃校となった旧野蒜小学校を改装した防災施設です。

記録映像や、小学校で使われていた備品など、震災の記憶を伝えるものが展示されているだけでなく、子どもたちが体を動かしながら学べるよう、ワークショップルームやアスレチック、さらにはレストランや宿泊施設も併設。今後は、非常食の食べ方や避難の方法などを盛り込んだ防災教育キャンプが予定されています。

そこかしこに小学校の校舎の名残が残っています。

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自分の身を守るための防災知識を

KIBOTCHAを運営しているのは貴凛庁株式会社です。代表の三井紀代子さんにお話を伺いました。

「この会社は、KIBOTCHAの設立のために立ち上げました。旧野蒜小学校の廃校が決まった時、住民のみなさんから『校舎は残してほしい』という要望があったのです。そこで、東松島市が校舎の利活用事業を公募することになりました」

その公募にあたって、三井さんはKIBOTCHAのアイデアをプレゼンテーションしました。「いざという時に自分の身を自分で守ることができるよう、より実践的な防災の知識を伝えていくことが必要なのではないか--」と。

三井さんは、元自衛官です。災害などの緊急時にどのような対応をすべきかは体に染み込んでいました。しかし、誰もがそうした知識を持っているわけではありません。自分たちの知識やノウハウを広く伝えていくための場所を作りたいとKIBOTCHAを企画したのです。

「子どもを持つ親として、あの震災は大きな衝撃でした。またいつ同じことが起こるかもしれません。その時のために、子どもたちに何を伝えておけばいいのか…。KIBOTCHAを通じて、それを形にしたいと思いました」

その想いが通じ、三井さんの企画は無事に審査を通過。KIBOTCHAが建設へ向けて動き出しました。

KIBOTCHAには、野蒜小学校の記念碑が設置されています。

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遊びながら学ぶことのできるカリキュラム

KIBOTCHAがこだわっているのは、「体験」です。座学ではなく、「体験したことは身に付く」という想いから、教育(エデュケーション)と遊び(エンターテイメント)の造語である“エデュテイメント施設”を目指しています。

「最もこだわったのは、アスレチックや展示室など、それぞれの部屋のプランニングです。スタッフたちと何度も意見を交わして、建設が始まるぎりぎりまで考え抜きました」

例えば室内のアスレチックは、山・海・街の3つに分かれています。それぞれ、「津波が来たら高いところへ逃げる」「地震が起きたら建物の外に出る」など、さりげなく防災知識が組み込まれており、遊んでいるうちに知識が身に付くように考えられています。

防災教育キャンプでは、非常用設備の使い方や、避難の方法など、実践的な内容をカリキュラムとして用意しています。三井さんをはじめ、スタッフにも元自衛官が多いため、実践的なプログラムを組むことができました。

海や山を模したアスレチックで防災知識を学びます。

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非常時に水をろ過することのできる設備。こうした災害時に使える道具の使い方を学ぶワークショップやキャンプが予定されています。

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自分の命を守る大切さ

「自分の命を守ることの大切さを伝えたいんです」と三井さんは語ります。

「震災のとき、取り残された方を助けようと引き返して亡くなった方がたくさんいらっしゃいました。もちろん、そのお気持ちはよくわかります。しかし、やはり一番に考えるべきは自分の命を守ること。命を落としてしまっては、ほかの人を助けることもできません。そのことを子どもたちへ伝えていくことがKIBOTCHAの役目だと思います」

KIBOTCHAはまだオープンしたばかり。7月の宿泊施設オープンなど、今後ますます充実した施設になっていくことでしょう。家族で楽しみ、学ぶことのできるKIBOTCHAへ遊びに行ってみませんか。

レストランでは、焼き牡蠣など地元の食材を味わうことができます。

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入浴施設もあるので、思い切り遊んで汗をかいても大丈夫です。(身体に気をつかった水素風呂です。)

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KIBOTCHA(キボッチャ)

KIBOTCHA(キボッチャ)

「希望」「防災」「Future(未来)」から名付けられた防災施設です。「これからの時代を支える子どもたちの未来に命の大切さを伝えたい」という想いが詰まっています。
宮城県東松島市野蒜字亀岡80番

URL:http://kibotcha.com/
URL:https://www.facebook.com/kibotcha/

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