未来へ進むとうほくリポート

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JCS レインボープロジェクト

【寄付して応援第7期参加団体報告】東北の未来を創るグローバルリーダーを育てる海外プログラム

JCS レインボープロジェクト

オーストラリア・シドニー日本クラブ傘下の団体です。東日本大震災被災児の子どもたちを、シドニーへ短期滞在させる活動を行っています。震災直後は「保養」という観点でしたが、2018年からはテーマを「若者の育成」へと大きく変化させました。明確な目的を持った若者を支援し、被災地を支えられるような人材を輩出すべく、育成プログラムを実施しています。

2018年夏にシドニーへ旅立った、天尾水樹さん(写真左)と高城春菜さん(写真右)。

保養から教育、そしてリーダーの育成へ

「被災した子どもたちを、思いきり羽根を伸ばせる場所へ連れて行きたい」という想いから、2011年5月に始まったレインボープロジェクト。当初は「保養」を目的として、福島県の子どもたちをオーストラリアのシドニーでホームステイさせるという活動を行ってきました。

団体の活動レポートはこちら
▼【未来へ進むとうほくリポート】
シドニーでのホームステイを通じて、東北の未来を担う子どもたちの夢の手助けを
http://rainbow.nttdocomo.co.jp/enterprise/detail/219/

年数を重ね、プロジェクトの目的は保養から「教育」へと移っていきました。子どもたちをいつまでも「被災者」として扱うのではなく、1人の人間として見つめ、本当に彼らのためになるプログラムを、と考えた結果でした。有意義な滞在にしてもらうため、シドニーで何をしたいのかを事前に提出してもらい、帰国後にその成果を問うようにしていました。

そして2018年、プロジェクトのテーマは「グローバル若者育成プログラム」へとさらに変化しました。「被災地のグローバルリーダー」の育成を目的に掲げ、シドニーで「復興課題の取り組み」に挑戦してもらうようにしたのです。

これまでと比べ、選考は格段に厳しいものとなりました。応募の時点で「やりたいこと」を明確にする必要があります。シドニーで何をしたいのか、そのためにどんな活動を行うのか。それらを具体的に記載することが求められます。

「もちろん、事務局は全面的にサポートをします。ただ、そもそも本人の目的がはっきりしていなければ、中途半端になってしまうと思ったのです。作文に面接と、選考にはかなり力を入れました」と事務局のご担当の方が話してくださいました。

そんな選考を見事通過し、2018年にシドニーへ旅立ったお2人に、お話を伺いました。

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すべて自分で企画したからこそ味わえた達成感

プログラムの参加者第一号となったのは、福島県南相馬市出身の大学2年生・天尾水樹さんです。南相馬市の祭事「相馬野馬追(そうまのまおい)」と、日本のサムライ文化を広めるためのイベント「サムライフェス」の実行委員を務めています。レインボープロジェクトを通じ、シドニーでサムライフェスのPRをした経験もありました。

「海外経験はありましたが、このプログラムは一から企画を考えなければならず、応募時点でかなり苦労しました。『サムライフェスのPRをしたい』ということははっきりしていたのですが、どんな方法があるのか、具体的に何をすればいいのか、形にするまでが大変でした」

必死の準備が実を結び、シドニー行きの切符を手に入れた天尾さん。現地では、サムライフェスをPRするためのワークショップに力を入れました。

「南相馬の伝統である『相馬野馬追』やサムライフェスを知ってもらいたくて、甲冑を着るワークショップを開催しました。日本の『サムライ』が好きだという方がたくさん来てくれ、20人以上に体験してもらうことができました。ワークショップの内容や日時まですべて自分で決めたので、たくさんの方々と触れ合うことができて本当にうれしかったです」

多くの人と関わる中で、サムライフェスの運営について見直すことができたといいます。「これまでは『とにかくみんな福島へ来てほしい』と思っていましたが、まず『サムライ文化に興味がある人』にターゲットを絞ろうと考えるようになりました」。帰国後は、サムライフェスを英語で紹介するサイトを作る予定です。

サムライフェス、福島、そして日本のことをシドニーで伝えてきた天尾さん。いつか、海外へ日本文化を紹介する仕事ができたらと考えているそうです。最後に、改めてシドニー滞在を振り返ってもらいました。

「『やりたいことを形にするのは大変だ』と、それが分かっただけでも大きな学びでした。本当に自分次第で何でもやらせていただけるプログラムなので、ぜひいろいろな人に挑戦してほしいです」。シドニーで学んだことを、これから日本でどう形にしていくのか--。天尾さんのこれからが楽しみです。
※「相馬野馬追」はこちら
http://rainbow.nttdocomo.co.jp/support/travel/detail/96/

甲冑ワークショップでの1枚。たくさんの人が甲冑を着てくれました。

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ワークショップには、「サムライ好き」の人がたくさん訪れました。

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福島や日本に関する街頭アンケートも実施。80人以上もの人に答えてもらうことができました。

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やりたいことをとことんやらせてもらい、自信がついた

参加者2人目は、福島県伊達市出身の高城春菜さんです。春に大学の保育課を卒業し、夏にプログラムに参加しました。物心ついたころから海外への憧れがあったという高城さんは、2017年に初めての海外旅行でオーストラリアを訪れ、その美しさに感動したといいます。

また海外へ行きたい、もっと保育の知識を深めたい--。そんな気持ちでいたところ、レインボープロジェクトと出会いました。行き先がオーストラリアということにも縁を感じ、応募を決意します。熱意が通じ、見事選考に通過。英語やITに関する勉強を重ね、オーストラリアへ旅立ちました。

「2か月弱も海外に滞在するのは初めてのことで、とにかく緊張していました。ただ、またとない機会ですから、とにかくいろいろなことに触れたいと思っていました」

保育を学んでいた高城さんは、保育園や幼稚園の見学に時間を割きました。滞在中には8カ所もの園を訪れ、子どもたちやそこで働く先生たちと交流。子どもの主体性を何より大切にする教育方法に触れ、大いに刺激を受けたといいます。そこで出会った教育関係の人たちとの交流会を企画し、大勢の前でスピーチを行ったことも。シドニーでは交流会という機会が珍しいらしく、大好評でした。

「このプロジェクトは、とにかく自分で何か企画しなければ始まりません。行きたい人、会いたい人、学びたいことなどをお伝えすると、できる限り応えていただけて、本当にありがたかったです。知らない場所へ行き、知らない方のもとへ飛び込んでいくことで、新しい自分と出会えた気がします」

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あまり地元を出たことのなかった高城さん、シドニーへ行く前は東京の街すら少し怖く感じたといいます。ですが、たくさんの刺激を受けて帰国したときには、「ここは日本語が通じるんだ」と懐かしさすら覚えるようになっていました。

「シドニーはとにかく人が温かな街でした。お世話になった方とのお別れが悲しくて泣いていたら、見知らぬおばあさんが抱きしめてくださったことも…。拙い英語の私を、周りの方々が助けてくださいました。いつか、みなさんに恩返しがしたいです」

2018年12月から、高城さんは幼稚園の先生として働き始めました。「シドニーでは、本当にいろいろな方と出会いました。その経験を生かして、子どもたちや保護者のみなさんとしっかり向き合っていきたいです」と抱負を語ってくれました。

現地の教育関連の方々との交流会。大勢の方が集まってくれました。

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東北の未来を支えるリーダーを育成するために

参加した2名とも、シドニーで大きな刺激を受けて帰ってきたようです。その成果は、きっとこれから花開いていくことでしょう。

2018年は22歳までの若者を対象にしたプロジェクトでしたが、今後は年齢層をさらに拡大していく構想もあるのだそうです。「東北のリーダーを育てる」という目的のために、プロジェクトは今後も進化を続けていきます。

「本当に充実した1カ月で、毎日があっという間に過ぎていきました」という天尾さん。

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「『地域のために何かしたい』という気持ちがある人には、とても良い機会になると思います」と高城さん。

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URL:http://jcsrainbow.com/

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