未来へ進むとうほくリポート

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株式会社 及善商店

残りの生涯をかけた使命

株式会社 及善商店

株式会社 及善商店は明治13年創業の老舗の蒲鉾店です。
農林水産大臣賞受賞した実績を持つ「リアスの秘伝」や職人の技で作られる細工蒲鉾をはじめ種類の豊富な蒲鉾を製造・販売しています。
本社工場は南三陸町の志津川湾より200mほどの場所にあったため、津波により全壊。
現在では内陸部にある登米市に拠点を置き、昔変わらぬ伝統の味を作り続けています。

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この人たちのために頑張らなければ

「恐ろしい波を高台で見ていた。津波が来るまでの40分間にいろいろな経験をした」及善商店5代目の及川善祐さんは震災当時を振り返って話してくれました。
工場で仕事をしていた及川さんは「立っていられないほどの地震に直感で100%津波が来ると思った。従業員をすぐに解散させ、津波が来る前兆まで川の水位を確認しながら車2台を高台に移動させた。ラジオから10mという津波の予想を聞いてこの町には帰れないと思った」といいます。
高台の小学校に避難後、「血圧の薬を忘れた」という母親を決して戻らせなかったそうです。
「薬を探した後は、お位牌、着物など次々と探しものをしているうちに間に合わなくなってしまう」20人の従業員と8人の家族を守れたのは、チリ地震津波の経験と50年もの間、津波訓練をしていた経験を活かせたからなのでしょう。
被災直後から「従業員のためにも、とにかく早く事業を再開しなければ」という思いがあったようです。
すべて流出してしまってから1ヶ月も経たない3月末には土地の手配など早い段階で決断したという話にはには驚きです。
土地の手配や機械の手配など再建に携わってくれた人たちに「本当にうれしかった。この人たちのために頑張らなければならない。絶対ここで再開してやる」と及川さんは9月13日までのオープンに向けての半年間は無我夢中で走り続けたと話してくれました。
人と人との繋がりを大切にしてきた及川さんだからこそ、設備を揃えるのに時間がかかる工場を短い期間で再建することができたのでしょう。

明るく話す5代目取締役の及川善祐さん

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伝統とはcontinueなんです

登米市には昔からお得意さまや先輩、南三陸町出身の社長などたくさんの知り合いが居たこともきっかけとなり、この土地での再建を決意したようです。
現在の工場の大きさは震災前の約半分ほどですが生産量は7割くらいまで回復しているといいます。さらに東北新幹線駅も近い登米市の地の利を活かし、震災を逆に利用して与えられたチャンスと考えているようです。
「リアスの秘伝は自慢の商材。震災前の3倍売れています」と冗談を交えては雰囲気を和ませながら話してくれました。
「昔ながらの技法を最新の工程で作っている。道具は変わる、機械も変わる、味の好みも食べる年代も変わる。昔の形をつなぐのは伝統ではなく伝承っていうんです。伝統というのはその時代に合わせて、その時代で生き抜くということと、つなぐということを噛み合わせて伝統ですから、伝統とはcontinueなんです」と及川さんは時代の流れに逆らわず、柔軟にお客さまのニーズに応えながら味を伝えていくという姿勢は6代目、7代目と受け継がれることでしょう。

できたての「リアスの秘伝」は一味違う

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私の残りの生涯をかけた使命

「南三陸町に本社工場を再建する。これは私の残りの生涯をかけた使命ですから」と明るく力強く話してくれます。
「従来の効率の悪いものよりも出会った方々が喜んでくれるもの。さらに時代のニーズを加味したよいものを作ろうと思っています。私が使いやすい人というよりも息子の世代に走れる人、息子の手足となって動きやすい人を考えている」と次の世代を見据えての経営と「何より大切なのは次の世代につなぐ町。交流人口が豊かになる町。住んでいる人が私たちの町は一番だと誇りを持てる町」にしていきたいと、南三陸さんさん商店街組合長、まちづくり協議会会長など多忙にもかかわらず、未来のまちづくりにも取組んでいるようです。
「志津川の観光資源は何ですかと聞かれたら「(胸を叩きながら)人です!」といえるような町になれば、我々事業主は旗印となって走るっていうのも使命じゃないでしょうかね」と未来の南三陸町のまちづくりに使命を感じ、前を向いて明るく笑顔で生き続けたいと願う及川さんの背中に巨大なオーラを感じました。

職人の繊細な技が光る「細工蒲鉾」

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南三陸さんさん商店街にある直営店

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及川社長を囲んで

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株式会社 及善商店

株式会社 及善商店

住所: 宮城県登米市迫町佐沼字西舘下77-1
電話: 0220-44-4687
営業時間: 9:00~18:00(繁忙期時間変更有)
定休日:年中無休

URL:http://www.oizen.co.jp/

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