未来へ進むとうほくリポート

このページをSNSでシェアする

花坂印刷工業 株式会社

地域と人のつながりを大切にする

花坂印刷工業 株式会社

宮古市役所のすぐ隣にある「花坂印刷工業 株式会社」は1902年創業の宮古市で一番古い印刷会社です。
東日本大震災の「黒い津波」により社屋もろとも印刷機械などはすべて流されてしまいましたが2013年9月、震災前と同じ場所に再建し、印刷業という立場を活かした人と人とをつなぐ役割にもなっているようです。

地元の強みを活かして

花坂印刷工業は宮古湾から100mほどの場所に建っていたため防潮堤を乗り越えてきた「黒い津波」によって印刷機や納品請求のデータなどもすべて流されてしまったそうですが、幸いにもお客さまのデータだけは2kmほど離れた支店で管理していたため無事だったそうです。
データセンターの役割をしていた支店と同年3月に岩手県盛岡市で廃業される印刷会社の印刷機をまとめて買い取りができたなどタイミングが良かったこともあり、震災後2週間ほどで動き出せたといいます。
しかし、印刷機が手に入ったとはいえ狭い支店に設置することができず、約6か月は印刷するために宮古と盛岡の往復をしながらの営業だったそうです。
同年10月には宮古市の仮設工場へ移り、2013年9月に新社屋での再建を果たし、震災前とほぼ同じ状態まで戻ったといいます。
震災後はオンデマンド印刷にも対応し、「少ない部数をよい品質で作りたいというお客さまの要望にも応えれるようになったのはうれしいです」と専務取締役の花坂さんは話してくれました。
「今はインターネットでも印刷の注文ができる時代ですが、地元の強みは顔を見ながら仕事ができることや注文した日に届けられること。オンデマンドプリンターを導入して地域の要望に応えられるようになったのは大きいですね」と花坂さんはいいます。
確かに、値段だけで決めてしまいがちなネット市場とは違い、打ち合わせが1度で済まないことや即日対応などの小回りの利く利便性などに加えコミュニケーションから広がるつながりが生まれることもあるようです。

つながりを大切に考える花坂さん

ページトップへ

自分たちでつくりあげたもの

「宮古に帰ってきてから震災に遭うまでは地域のイベントに参加することや地域貢献することなどはほとんどなかった」と話す花坂さんですが、震災後1年ほどは「自分は地元のために何ができるのだろう」とモヤモヤした気持ちがあったそうです。
ちょうどその頃「浄土ヶ浜鎮魂の祈りというイベントをやらないか」という話があり、「若い世代で横につながって何かをやることが無かったので、やってみたい」と思った花坂さんは副実行委員長として参加したそうです。
しかし、実際に主催としての立場になってみると「何からはじめればよいのか、地域の企業のまわり方やどこから補助を受ければよいかもわからず、すべて手探りで進めた状態でした」と大変だったことも話してくれました。
2012年7月7日、宮古市在住の20~30代の若者たちによって実現した「浄土ヶ浜鎮魂の祈り」は県内外からも多くの反響を呼びました。
イベントの参加者が涙を流す姿や笑っている姿を見て「やって良かったね。自分たちがやったことに意味があったんだ」と強く感動したそうです。
地元のために自分たちの手で作り上げたことは若者たちにとっても大きな一歩だったのではないでしょうか。

クリエイターの作品が描かれている年賀状サンプル

ページトップへ

クリエイターとお客さまをつなぐ

「名刺にも宮古らしさがあり、はじめての挨拶のときに名刺だけで話題が一つできるようなものを作ることができたら、それだけで応援になるのではないだろうか」そう話す花坂さんは名刺一つにも宮古にこだわり、提案しているようです。
「地元クリエイターのすごい作品を見ると、すぐに連絡先を探して一緒にやりませんかとお話をさせていただきます。ぜひ、そういった人たちとつながっていきたいですね」と地元のイラストレーターやフォトグラファーの作品が描かれたカレンダーや年賀状サンプルを見せてくれました。
「これも声をかけなければつながらなかったです。クリエイターも仕事が増えることや地元とつながること。お客さまもこういった商品が地元でできると思えること。どっちもうれしいですよね。どんどんつながっていくと面白いと思います」と、人とのつながりを実感しながら話しているようにも見えました。
「印刷は受注産業。手作業ではなく機械でやっているものなので、何かしら付け加えていかないと、どこでやっても一緒になってしまいますからね」と花坂さんはオリジナリティーを求める一方、地元のクリエイターを発掘していきながら人と人とをつないでいくことを今後の課題としているようです。

「クリエイターの方、宮古で何かやりたという人がいらっしゃれば、花坂印刷工業に一度声をかけてほしい!どこかでマッチングできるかもしれない」とメッセージを残してくれました。

新社屋を案内していただいた代表取締役社長

ページトップへ

お客さまの要望に対応するオンデマンド印刷機

ページトップへ

なかには年代ものの機械もあるそうです

ページトップへ

花坂印刷工業 株式会社

花坂印刷工業 株式会社

住所:岩手県宮古市新川町1-2
電話:0193-62-3125

このページをSNSでシェアする

最新の記事

ピックアップ

ページトップへ