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ハイカラごはん職人工房

被災地で学んだことを次世代へ、北の国からやってきた職人の挑戦

ハイカラごはん職人工房

岩手県陸前高田市にあるハイカラごはん職人工房は、北海道札幌市のリフォーム会社、(株)HandMadeが被災地支援のためにと現地に建てたカフェです。
地元の方に憩いの場を提供するとともに、陸前高田産りんごを使ったお酒の商品化や、地元高校生と共同でのメニュー開発など、地域再生の拠点としての役割も担っています。

被災者の想いを形にした職人

海岸線からさほど離れていない場所に、ちょっと変わったカフェがあります。プレハブの店舗ながらログハウスのような手作り感いっぱいのお洒落なドア。
木のぬくもりを感じながら店内に入ると、木材を巧みに使ったアトリエのような内装の雰囲気に目を奪われます。奥から現れたのはこのハイカラなカフェの主、中田源さん。
中田さんが故郷北海道を離れ、陸前高田へやってきたのは2011年の5月。
親交のあった(株)HandMadeの代表に被災地で復興支援活動をしたいという熱い想いをぶつけたところ、中田さんは復興支援担当の社員となり、本格的な活動を始めました。

まず中田さんは、瓦礫を使ったキーホルダーを販売し、被災地に雇用を創出するという事業を開始しました。
しかしこれだけではそう長くは続かない、継続して必要とされる仕事を作らなければ、と考えた中田さんは被災地でニーズ調査を開始します。その結果、みんなで集まれる場所がほしいという地元の人の願いに気付き、2013年6月、すべてが手作りのカフェ、ハイカラごはんが誕生しました。
前職はアパレルで、自身は大工仕事をやったことがなかったので大変だったと語る中田さん。明るい日差しをふんだんに取り込むように設計された窓際で、照れながらも誇らしげに語る瞳の先には、大勢のお客さんの笑顔があふれるフロアがありました。

すべて手作りにこだわった店内

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ハイカラな料理でお客さまを笑顔にしたい

時刻は昼のピークも終わった1時過ぎだというのにオーダーの声が止まない店内。そうそう、オーダーと言えば、ここではちょっと変わったメニューを頼むことができます。
その一つが地場産のりんごを使ったお酒「りんごエール」です。当時、中田さんはリピートを期待できるものが作りたいと考えました。そんな中田さんにうれしい出会いが。りんごを使ってお酒を作り、町おこしをしたいという同世代の農家さんがいたのです。こうしてついに陸前高田唯一の地ビール、「りんごエール」が誕生しました。
気になるお味は、深みのある味わいに、ほのかなりんごの風味が特徴で、飲みやすく女性にもオススメとのこと。
陸前高田のりんごは温暖な気候と潮風の恩恵で非常に糖度が高い隠れた名産品。しかし、生産量の低さからブランド化がされておらず、農家さんも兼業でしか栽培できない現状を中田さんは懸念していました。
「子どもたちが親の背中を見て、僕も農業をやりたいと思えるような環境作りが必要。僕らにできるのは自分たちの価値をどう上げていくか。そのためにはビール販売を通して背景にあるものも伝えなければならない」と熱く語ってくれました。

ほかにもさまざまなメニューがあり、辛さが5段階から選べるハイカラチキンカレーが人気のメニューです。
可愛らしさとボリュームが満点のキッズプレートに関しては「安くて夢のようなプレートを追及した結果、出れば出るほど赤字になるメニューになってしまった」と苦笑いの中田さん。子どもたちが笑顔になればそれでよいという、職人としてのこだわりが垣間見えた瞬間でした。

感性豊かな中田さん

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被災地で学んだことを次世代へつなぐために

復興支援グッズの販売、憩いの場の提供、地場産りんごのブランド化と、今、被災地に必要とされているものを着実に実現させ、ステップアップしてきた中田さん。
当然、次の構想が気になるところです。今後の展開は?という問いに対して、「今、北海道の次世代を担う人たちにこの震災を伝えていく活動を大事にしています」と答えてくれました。
瓦礫を使ったフォトフレーム工作を通じて、北海道の子供たちに自分が被災地で学んだことを伝えていく取組みを北海道の各地で実施しているそうです。
テーマは、「当たり前だと思っていることが実は特別なことなんだ」と教えること。震災から年月が経ち、以前よりも復興に対しての関心が弱まっている現在だからこそ、友人や家族が困っていたら手を取り合って生きていかなければならないことを伝える。
そこには北海道から真っ先に被災地に入り、現状を見て被災者に寄り添う支援をしてきた中田さんだからこそ伝えられる説得力とあたたかさがありました。

クリーミーな泡立ちのりんごエール

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美味しそうなハイカラメニュー

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パブリックビューイングをおこなうことも

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ハイカラごはん職人工房

ハイカラごはん職人工房

住所:岩手県陸前高田市米崎町字脇の沢33-1
電話:0192-47-5333

URL:http://www.11shokunin.com/

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