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東松島食べる通信

食発見は、町おこし

東松島食べる通信

生産者にクローズアップし、情報誌とともに食べものをセットで届ける「東松島食べる通信」。
以前に当サイトでも紹介した「東松島あんてなしょっぷ まちんど」の番頭でもある太田将司さんが編集長として活躍しています。
年4回発行の季刊誌として「東松島食べる通信」は2014年8月に創刊をむかえました。

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「東北食べる通信」との出会いと「東松島食べる通信」

以前、当サイトでも紹介した「東松島あんてなしょっぷ まちんど」の太田さん。
http://rainbow.nttdocomo.co.jp/enterprise/detail/30/
太田さんは震災後、東京での仕事を辞め、千葉から宮城県東松島市移住をしてさまざまな東松島の情報発信を行っていました。
食べる通信の基本モデルとなっている「東北食べる通信2014年2月号」で、東松島の海苔漁師の相澤太さんが特集されるにあたり、プライベートでも仲のよい相澤さんと「東北食べる通信」編集部とのパイプ役を引き受けます。
しかし「まちんど」でイベントに参加したり、日々忙しく動いていた太田さんは、当初、東松島で「食べる通信」をやる気は全くなかったといいます。
しかし、そんな太田さんの気持ちが変わったのは、相澤さんの海苔が「東北食べる通信」で出荷されはじめた頃。
「フーちゃん(相澤さんの愛称)が、楽しそうに消費者や生産者同士で交流するのを見て、自分もうれしかったんです。だから、「東北食べる通信」2月号が発刊された事は、フーちゃんが一番喜ぶと思っていたんです。でも、フーちゃん以上に喜んだのが、フーちゃんを知っている地元の人達だったんです。彼の想いや考えは、なかなか知る機会がないんですよ。だからその情報誌を読んだまちんどのスタッフ達はみんな、”もっとフーちゃんの海苔を売りたくなった”って。もうね、漁師が地元のヒーローになったんです。そこで、このやり方なら、生産者や地元の人の喜ぶ姿がもっと見られるんじゃないかと考えるようになったんです。」
はじめようと決めてからの太田さんの行動力は「すごい」のひとこと。
冊子のデザイン先や、年4回の季刊誌にすること、4回分の特集の素材など、短い期間で東京と東松島を往復して作業をすすめてきました。
そして2014年の8月、「東松島食べる通信」は創刊の日を迎えることになります。

東松島の取材をいつもコーディネートしてださる「東松島食べる通信」編集長の太田将司さん

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「東松島食べる通信」の表紙見開き

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「東松島食べる通信」創刊

創刊号の特集は、定置網漁でとれる真鰯。
創刊を決めた3月に定置網漁師の大友さんを訪ね、真鰯を特集して読者に送りたいと依頼します。
まだどれだけ獲れるかわからない真鰯の特集に難色を示していた大友さんを
「いつでも食べられたら、旬じゃない。獲れたり獲れなかったりがあってもいい。そのライブ感が食べる通信だから。」
と説得しました。
漁師の大友さんも、この言葉に感動し共感したといいます。

創刊号で特集された定置網漁師の大友康広さん

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朝獲れた真鰯はその日のうちに出荷される

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不漁と出荷延期

そんな太田さんも、第一弾の出荷後、不漁が続き出荷延期を余儀なくされていた8月の中旬以降、ちょっと弱気になっていました。
これでは、到着を待ち望んでいる読者の期待を裏切ることになると思った太田さんは、読者に誠意を持って現状を伝えようと行動をおこします。
毎日のように早朝からの漁に同行し、ありのままの漁の状況をFacebookを通じて発信しつづけました。元々、「獲れたときに獲れたものを食すホンモノの\\\\\\\\\\\\\\\"旬\\\\\\\\\\\\\\\"を体感する情報誌」というコンセプトを理解して購読を申し込んだ「東松島食べる通信」の読者たちは、待つことに対してとても好意的でした。逆に漁師の苦労を理解し、自然の恵みを享受するための待つという時間を楽しんでいるようでもありました。
時に「申し訳ありません」と魚が獲れないことへの謝罪のコメントを書き込む太田さんに、「漁師や編集長は悪くないから謝るな」という激励のコメントが相次いだり、地元の購読者からは「自分たちの分は後回しでいいから、市外の購読者を優先して出荷してよ」という申し出がされたりと、情報誌の枠を超えた人と人とのコミュニケーションツールへと変化していったのです。
9月の頭になると真鰯はまた大漁の時期を迎えました。「やったー、今日は大漁です」という太田さんのFacebookのコメントは喜びを祝う「いいね!」とあたたかいコメントであふれました。

雨の早朝、定置網漁の様子を見に漁船に同乗する太田さん

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出荷作業中の「東松島食べる通信」

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太田将司がもたらした新しい風

震災後、さまざまな支援で、さまざまな人々が東松島を訪れるようになり、新しい風が吹きはじめたと、「東松島食べる通信」を手伝う「まちんど」の店長、伊藤せい子さんは話します。
「太田さんが来てから、いろんな人たちがかき混ぜられたんです。情報発信の部分での太田さんの役割は大きかった。どんどん巻き込まれてやっていくうちに反応が返ってきて、どんどん楽しくなっていったんです。」
「外からの風って必要だなと思いましたけど、でも誰でもいいわけではないんです。彼の良さは人柄なんでしょうね。垣根がないっていうんでしょうか。」
「とにかく、東松島食べる通信創刊号ができた時にはびっくりしました。ひとりで忙しいのによくやったなぁというのが率直な感想です。それから地元で育った私も知らないことがたくさんあるんだって、彼(太田さん)に気づかされました。海苔は知っていましたが、いわしを獲っている漁師さんがいることも知らなかったくらいです。」
「身近すぎて気がつかないってことを、太田さんがきたことで、みんな知ったんじゃないでしょうか?」

「まちんど」の店長、伊藤せい子さん

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「東松島食べる通信」の地元密着型地区版の強み

「東松島食べる通信」と、先行発刊されている「東北食べる通信」や「四国食べる通信」には、ひとつ大きな違いがあります。
先行発刊の2誌が、地域版なのに対して、「東松島食べる通信」はそれより小さな地区版であるということ。
編集長も編集部員も、生産者もみな同じ地区で暮らしている。だから、毎日のように漁に同行することもできるし、編集部と生産者のコミュニケーションも深い。
そんな地元密着型地区版の強みを生かして、「東松島食べる通信」にだけは、先行2誌にはない、東松島市民向けの特別サービスがあります。通常、東松島市以外には宅配便で配送されますが、東松島市民であれば、「お届け」サービスと、まちんどでの「店頭引き取り」サービスを選べるのです。価格も、通常1号あたり2,700円(送料、税込)のところ、2,000円(税込)と700円安い。
獲れた日に獲れたものを手渡しで届ける。そこには通常では体験できない「生産者も、お届けする人も、購読者も」みんな地元の人という「地元密着、一体感型通販」という新しいジャンルが見えます。それが「東松島食べる通信」のもうひとつの顔なのです。

「東松島食べる通信」の東松島市民の特典、笑顔の「お届け」サービス

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復興支援としてではなく、ただここに住んで仕事がしたかっただけ

最後に編集長の太田さんが話してくれた言葉はとても印象的で心に残りました。
「ぼくは、東松島にボランティアに来たわけでもないし、復興支援で来たわけでもない。ただ東松島が気に入ってここに住んで、ここで仕事をしたいと思って移住してきた。だから地元の人たちが喜ぶ顔がみたいだけ。そのためのひとつの手法が東松島たべる通信。だから、もっともっといろんなことがやりたいし、みんなの笑顔がみたいんです。」

当日の出荷分のいわしが確保できて笑顔の太田編集長

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東松島食べる通信

東松島食べる通信

住所:東松島あんてなしょっぷ まちんど
   宮城県東松島市矢本字上新沼19-1

住所:一般社団法人 東松島みらいとし機構 HOPE
   東松島市矢本字上河戸36番地1(東松島市役所内)
電話:0225-83-3391

URL:http://taberu.me/higamatsu/
URL:https://www.facebook.com/taberu.higamatsu

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