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「本のある場所」を石巻に~石巻まちの本棚

「本のある場所」を石巻に~石巻まちの本棚

2013年7月、本好きのための交流スペースとしてオープン。蔵書は約2,000冊。古本の貸し出しと販売を行い、新刊書店も併設。
営業日は土、日、月の11時~18時と、水の19時~21時。本の貸し出しは、一度に3冊まで、2週間まで可能。遠方の人は郵送での返却もできる。

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本は天下の回りもの!?

あなたには、誰かにおすすめしたい本はありますか?そんな、みんなのおすすめの本が並んでいる本棚があったら楽しいと思いませんか?
宮城県石巻市のアイトピア通り商店街の一角にある「石巻まちの本棚」(以下、まちの本棚)は、そんな場所かもしれません。

「『本は天下の回りもの』といいますか、必要な本が必要な人の手に渡っていくのが面白いですよね」と話してくれたのは、このまちの本棚を6年前に立ち上げた一人で、運営チームの勝(かつ)さんです。

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まちの本棚は、寄付などで集められた古本の貸し出しと販売を行っており、そしてショップインショップとして「くものす洞」という小さな新刊書店が入っています。

本棚の中の古本は、地元の本好きと東京の編集者やライターなどで構成される運営チームによって選ばれているものと、寄付されたもの。「自分のおすすめのこの本を誰かに読んでもらいたい」と送られてくる本も多いそうです。「どこで誰が受け取るか、喜ばれるかわからないのですが、必要な人にまわっていくんですよね」と笑います。

本を寄贈するにあたって、自作のカバーをつくって送って来てくれた方も!確かに、有名な作品ですが、知っている表紙とは違います

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まちの本棚ができたのは、2013年7月。きっかけは、その前年の2012年の夏に石巻のお祭り「川開き祭り」に併せて開催した「石巻ブックエイド・一箱古本市」でした。震災と津波で、家や家財道具と共に多くの本も失った、被災地の本好きに本を届ける活動を行なってきた「一箱本送り隊」と石巻のまちづくり団体「ISHINOMAKI2.0」との共同プロジェクトとして、「一箱古本市」の時だけでなく、常時本のある空間をつくろうと始まったのでした。

まちの本棚のある場所は、戦前から1999年まで「躭書房(たんしょぼう)」という本屋でした。その空間を、「日常的に本のある空間」=石巻まちの本棚、として運営しています。

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本を媒介としているからこそ広がる世界

「子どもたちが借りていく姿はやっぱりうれしいし、世界が広がっていく感じがします」と話すのは、地元・石巻出身のスタッフ、阿部さん。まちの本棚には、本が大好きな子どもが選んだおすすめ本のコーナーまであって、確かにワクワクします。

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石巻、東北にまつわる本はもちろん、食やアート、コミュニティ、読書などのテーマでの蔵書は約2,000冊。「棚が腐ってしまわないように」と、定期的に本の入れ替えを行っているので、新刊に近いベストセラーなど、世間で話題になった本もそろっています。

そんな中、持ち込み本での「読み聞かせ」も行っています。印象に残っているのは、寄贈本のなかにソノシート付の本をみつけたとき。その時は阿部さん所有のレコードプレーヤーを持ち込み、「読み聞かせ」ならぬ、「ソノシートを聞く会」を開催しました。「そういう、思いもかけない本を使ったコミュニケーションも生まれます」と阿部さんは笑顔を見せてくれました。

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本に関わる人を増やしたい

まちの本棚では、2014年から「本の教室」という、本にまつわるトピックを提供するイベントを続けています。年間1~2回開催し、その内容は、県外から名物本屋やネット書店のスタッフを呼んだり、ブックカフェや本棚の作り方を学んでみたりと、多岐にわたります。石巻には日本の出版用紙の約4割を生産する日本製紙の基幹工場があり、いわば紙のふるさと。そんな石巻で、本に関わる人が増えて欲しい、本が文化をつくり、人を変えていく、というスタッフの想いが込められたイベントです。

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まちの本棚の本では、一度に3冊まで、2週間気に入った本を借りることができます。返してくれるならどこの人にでも貸出しますが、やはり借りる人は地元の人が多いとのこと。なお、地元以外の人には、郵送での返却も受け付けています。

地元の人から旅人までが利用するというまちの本棚。近所の本好きのご近所さんたちが立ち寄ってお話する中、石巻にインターンなどで滞在したり、イベントや旅行で石巻を訪れたりする旅人が本を選ぶ。毎年訪れてくれる人や、寄贈した本を観に訪れる人もいるそうです。

町に本がある空間を受け継いでいる「石巻まちの本棚」。旅行がてら、訪れてみてはいかがでしょうか。

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