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福島県浜通りの人々と交流し、復興の足取りを体感できる 国道6号線ツアー

福島県浜通りの人々と交流し、復興の足取りを体感できる 国道6号線ツアー

復興庁は、旅行者を増やすための調査事業として、福島12市町村の「食」や復興の姿を1日で見て回れる日帰りバスツアーを2018年10月下旬より開始。これらのツアーを、JTBが実施しています。9コースあるツアーの中から、今回は「浜通りの今を感じて(6号線〜南下編〜)」の模様をお届けします。(写真は、観光バスの中から帰還困難区域を見学する様子)

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地域コミュニティの力強さを感じられる小高区

国道6号線を南下し、原ノ町からいわきを目指すこのツアー。訪れるのは「浜通り」と呼ばれる地域です。浜通りは、東日本大震災で、地震、津波、原発の3つの被害をすべて受けた地域。国道6号線を下ることで、その被害と復興の様子を見ることができるのだそうです。

はじめに訪れたのは、南相馬市小高区。小高は福島第一原子力発電所から20km圏内にあり、避難指示が出ていた場所です。2016年7月に南相馬市の大半が避難指示を解除され、小高も徐々に賑わいを取り戻そうとしています。特に小高では「人のいる風景」を作り出そうと、いろいろな人たちが地域のための場所を築いていました。

通り沿いにあるコーヒースタンド「Odaka Micro Stand Bar オムスビ」には、地元の常連客がコーヒーを飲みに集まります。同じ通りには、小高を訪れた人が誰でも気軽に交流できる「おだかぷらっとほーむ」という無料の休憩所も。「おだかぷらっとほーむ」を運営している廣畑裕子さんは、「オープンして最初の3カ月間は誰も来ませんでした。だけど私たちはその間も、ここに人がいるんだと無言で伝え続けました。ここにくれば人に会えるんだと、あかりを灯しておくことで知らせたんですね」と、今日までの道のりを語ってくださいました。

キッチンカーからスタートしたコーヒースタンド「Odaka Micro Stand Bar オムスビ」。店内はコーヒーのいい香りが漂っていました。

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12月にオープンしたばかりのスーパー「小高ストア」。被災した市町村の事業者を応援する「ふくしまみらいチャレンジプロジェクト」の商品を取り揃えたコーナーもあります。

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「おだかぷらっとほーむ」を運営する廣畑裕子さん。サロンを始めたきっかけとして、「(避難当時)『○○サロン』と名のつくところに自分たちが行っていいのか分からなかった。学生向け、子どものいるお母さん向け、シニア向けなどと区切らずに、誰が来てもいい場所を作りたかった」と話します。

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賑わいを感じたいなら「まるしぇの日」

昼食は浪江町の「まち・なみ・まるしぇ」でいただきます。2016年10月にオープンした「まち・なみ・まるしぇ」は、人々が楽しく集う市場をイメージして作られた商業共同店舗施設。食事処のほかにも、クリーニング店、カフェ、雑貨店、コンビニなど10店舗が入っています。毎月第2土曜・日曜は「まるしぇの日」。ステージイベントが開催され、街は活気にあふれます。

この日は通常店舗のほかに、屋台も出店。広場や店舗エリアにはベンチとテーブルが用意されているので、いつでも気軽に休憩できます。

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「まるしぇの日」はステージイベントがあるのも見所の一つ。地元のよさこいチームが力強い踊りを披露しました。

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帰還困難区域の現状を知る

震災直後、放射線量が非常に高いレベルにあったことから、避難を余儀なくされた「帰還困難区域」。現在も人々は戻れず、あの日のまま取り残された家や商業施設が立ち並びます。そんな帰還困難区域のうち、自動車のみ通行可能なエリアを観光バスで走行し、窓からその様子を見ることができました。

ちなみに、今回のツアーで走行する原ノ町からいわきまでを10往復しても、受ける放射線量は歯のレントゲン治療1回分程度だそう。こうした事実を知っていくことも、復興を応援する上でとても大切なことだと感じます。ツアー中は地元のガイドさんが逐一解説してくれるので、ただ景色を見るのではなく、どんな状況なのか、理解を深めることができます。

いたるところにバリケードがあり、許可なく入ることはできません。

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またグラウンドでサッカーができるようになった

福島県には、日本初のサッカーナショナルトレーニングセンターがあります。1997年に開設した「Jヴィレッジ」です。屋内外に練習場を持ち、会議室や宿泊施設も併設されているため、スポーツだけでなく、企業の研修などでも利用できます。

震災後、広い天然芝のグラウンドは消防車の待機場所や駐車場として使われたそうです。駐車場は1日2500台、最大7000人が利用していたとのこと。そうした拠点としての活動を2017年に終え、現在はトレーニングセンターとしての機能を復活させています。参加者全員で施設内を見学したほか、特別にグラウンドにも立たせてもらいました。広々としたグラウンドを眺めながら、この場所が一面駐車場になるほどの事態とは、一体どれほどだったのだろう、と改めて被害の大きさに身震いしました。

原状回復し、2018年7月よりトレーニングセンターとして再稼働しました。

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震災後の様子。震災前は年間およそ50万人が利用していました。

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珍しい「トマト狩り」を体験!

最後に訪れたのは、いわきにあるトマトのテーマパーク「ワンダーファーム」。色や形の異なる9種類のトマトを、自由に袋詰めできるトマト狩りを体験します。「味見していいですよ!」とのお言葉に甘え、1種類ずつ食べながらレーンを歩きました。

いわきは温暖な気候で住みやすく、東北では仙台の次に人口が多い街。温暖かつ日照量の多いいわきの気候を利用してつくられたトマトはどれも甘く、味がしっかりしていました。

大小さまざまなトマトがレーンにぎっしり。参加者同士で「あれがおいしかった」「あのトマト取った?」などと話しながら楽しみました。

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