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江戸時代から続く発酵の伝統を、新しいなりわいで継承する 「陸前高田 発酵パークCAMOCY」

2022.07.01

陸前高田 発酵パークCAMOCY

三陸自動車道 長部インターを降りて車で約3分の位置にある「発酵パークCAMOCY(カモシー)」。発酵をテーマにした商業施設です。発酵を意味する「醸す」が、その名前の由来。また、醸すという言葉には「楽しい雰囲気を出す」という意味もあります。「発酵は、美味しくて、楽しい」を体感できる、陸前高田の新しい大人気スポットをご紹介します。

CAMOCY」と書かれた、のれんをくぐり店内に入ると

扉を開けた瞬間、ふわっと感じるのは発酵により生まれた香り。店内にはクラフトビール、パン、デリカテッセン、チョコレート、和定食を提供する食堂やカフェが並んでいます。食堂やカフェの奥には製造所や厨房があるため、店内にその香りが立ちこめているのもCAMOCYの特徴です。

ここCAMOCYがオープンしたのは202012月。新しく感じるかもしれませんが、実はこの地域に古くからある発酵文化を継承する施設なのです。

運営会社である株式会社 醸(カモシー)取締役 河野通洋(こうのみちひろ)さんに、詳しく話を伺いました。camocy1.jpg

河野さんは老舗醸造会社「株式会社 八木澤商店」の
9代目社長でもあります

「発酵の里 今泉」として栄えていた歴史

CAMOCYがある岩手県陸前高田市気仙町「今泉地区」。

清流 気仙川を有する気仙町は、春の田植え、夏の伝統行事「けんか七夕」が有名です。秋には農作物の収穫。そして冬には白鳥の来訪など。まさに陸前高田の四季の豊かさを教えてくれる町です。

気仙町今泉地区について、ここで生まれ育った河野さんが教えてくれました。
「今泉は江戸時代からしょうゆやみその醸造所が並ぶ発酵の里として、古くからは宿場町としても栄えていたんですよ。震災前は、徒歩圏内にみそやしょうゆを作る醸造所が僕の会社を含め3軒あった。少し離れたところに漬物工場とお菓子屋さんのパン工場もありましたね。常に発酵と在り続けた、発酵の里なんです」

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CAMOCYの外観は、震災前の蔵の建つ町並みを再現

しかし、東日本大震災の津波は、今泉地区の家屋や醸造施設、歴史ある町のほぼ全てを飲み込みました。津波でほぼ全て失われてしまった今泉ですが、河野さんをはじめ、住民のふるさとへの想いの種は消えることはありませんでした。

発酵の香りや音がする町の復活を目指して

河野さんが話します。
「僕が子どもの頃、町を包むような発酵の香りの中で生活していたんですよね。学校に行く時には、豆を蒸している香り、しょうゆに火入れをしている香り、小麦を炒っている香り、パンを焼く香り。発酵を感じるいろんな香りや音があったんだよね。新しい今泉も香りや音を五感で感じる、あの頃のようにしたかった。その想いはみんな一緒。震災後の住民協議会で、町づくりのテーマが発酵の里の再生に決まったんですよ」

河野さんが目指したのは、単なる発酵をテーマとした施設ではなく、かつての今泉のような香りや音を感じる場所。店内は新しくおしゃれな空間ですが、各店舗の奥には昔の今泉のように発酵・醸造可能な工場を設けました。

河野さんとお話をしていると、株式会社 醸 代表取締役 田村満(たむらみつる)さんが立ち寄ってくださいました。camocy3.jpg

談笑するお二人が楽しい雰囲気を醸しています

なぜ田村さんはCAMOCYを創業したのでしょうか。
「僕はね、この人(河野さん)がやれっていうから......(笑) 実はねCAMOCYの計画中に、フランスを旅したのね。八木澤商店と気仙沼の2社が出店した日本市の見学で。そしたら、そのブースがすごい人だかりで。その時、分かったんですよ。日本食は発酵食そのもの。日本の発酵食品は、世界でも注目されているすごい食文化だって。そんな想いが重なって、実現に向けて加速したね」

河野さんは続けます。
「ここのテーマは発酵で共通しています。CAMOCYの発酵食と地場の産品などを組み合わせて、もっと美味しい物を作る。そして発酵食と地場産品の美味しさをより多くの人に届けたいですね。地元の食品会社やCAMOCYのお店同士の連携で生まれた美味しい商品が、たくさんありますよ。」

発酵を美味しく楽しく提供する各店舗

ここで、発酵食を提供するオリジナリティーあふれる各店舗の商品のご紹介をします。

BAKERY MAaLo(ベーカリー マーロ)」
常に焼きたてのパンが提供されている大人気のベーカリー。朝から絶えずお客様が訪れます。地域でとれた食材をふんだんに使用している大人気のベーカリーです。camocy4.jpg

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八木澤商店のしょうゆを使用したパン「醤油バター」

「発酵食堂 やぎさわ」
河野さんが社長を務める八木澤商店の、初出店の和食の食堂です。主なメニューは、地場のブランド肉や三陸の新鮮な魚介を八木澤商店のみそやしょうゆで味付けした定食。八木澤商店のしょうゆの搾り粕を食べて育った地場のブランド肉や、今泉産の米「ひとめぼれ多賀多(たかた)」などが使用されています。camocy6.jpg

ありすぽーくの もろみ焼きご飯

DELI and BENTO gentil (ジャンティー)」
陸前高田では珍しいデリカテッセンのお店です。10種類以上のメニューからメイン、副菜を選ぶことができ、メニューは定期的に入れ替わります。全てのメニューに発酵食品を使用。gentilセットには玄米ご飯も付くため、美味しく健康的な食事ができると人気です。camocy7.jpg

「クラフトチョコレート CACAO broma (カカオ ブローマ)」
チョコレートもカカオ豆を発酵させて作る食品。運営するロッツ株式会社は、薬局や訪問看護、リハビリステーションなどの健康事業を手がけています。発酵させたオーガニックのカカオ豆と沖縄県産の黒糖のみで作る無添加のチョコレート。手間ひまをかけ、全て店内にて手作業で作り上げています。camocy8.jpg

バリエーション豊富なチョコレート商品
(写真提供 CACAO broma)

「クラフトビール醸造所 陸前高田マイクロブルワリー」
店舗の奥にある醸造所で作ったクラフトビールをいただくことができます。オーガニックのカカオ豆や廃棄されるパン、地域の産品を使用したビールなど数種類のオリジナルビールがあります。瓶ビールでの購入も可能。また、発酵食品を使用したカレーなどのフード類も人気です。camocy9.jpg

他には発酵食品の物産コーナー「発酵MARKET」や、セレクトショップ「2坪」。飲食店の営業許可がある貸しスペースなどもあります。

CAMOCYを起点に、地域全体が盛り上げる

お二人にCAMOCYへの想いを伺いました。

田村さんは言います。
「それぞれのお店に夢があるんです。店舗のみんなには『発酵を中心にいろんなことをやっていこうね』と言っていますよ。例えばカカオ ブローマでは『体にいいチョコレートで健康な人をたくさん作りたい』と言っている。それぞれの夢を追いかけようって話していますよ」

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「陸前高田は希望の町になりますよ!」

河野さんにも伺いました。
「僕の夢はずっと変わらないんです。『小さくてもいいから持続可能な社会を作ろう』ですね。人口減少も、へっちゃら。小さいからこそできると思うんですよ!限りある資源を町の中で循環できる町。それを市民が主体的に作るのが、陸前高田のスタイルとしていいなと思っています。
オーガニックを軸としてエネルギーが循環する町になると、遊びに来て楽しいだけではなく、全国から研修などで訪れて学びたい場所にもなっていきます。ここに住んでいる人、ひとりひとりが豊かな町。そんな町なら住みたくなるから自然に人口は増えてくるんです。
CAMOCYだけの「点」ではなく、地域全体が「面」で繋がっていく。
僕たちは、ここから社会の仕組みを変えようとしているんです。元に戻すのではなく、これからより良いものを作っていきますよ!」

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毎朝早くから始まる仕込み
発酵から生まれる香りがお客様を出迎えます

計画段階では「一度、壊滅した今泉に商業施設を作るなんて勝算はあるのか」と言われたこともあったそうです。今はここCAMOCYが地域全体を盛り上げる場所になろうとしています。地域への想いが「種」となり発酵するように膨んでいくことで、地域はより豊かに持続していくのだと思いました。

発酵食品の美味しさとあたたかい雰囲気を味わえるCAMOCYに、ぜひ足を運んでみてください。

【取材・記事執筆】
板林 恵(一般社団法人トナリノ)

発酵パークCAMOCY

住所 岩手県陸前高田市気仙町字町308番地5
営業時間 各施設により異なるためWEBサイトにてご確認ください
定休日 火曜
   

WEB
https://camocy.jp

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