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過疎地の農業を救う ICTを活用した鳥獣害対策

2019.12.03

ドコモでは、2016年8月より東日本大震災で被害を受けた宮城県において、地元猟友会の協力のもと、鳥獣による農産物被害の防止を目的として、ICTを活用した鳥獣害対策の実証実験をスタートさせました。

はじまり~導入にあたって~

震災後に顕著となった沿岸部からの仙台等大都市圏への人口流出は、野生鳥獣にとって餌場となる耕作放棄地が増えるなどの影響を招いています。同時に従前からの課題でもあった猟師の高齢化や温暖化による野生鳥獣の生息域の拡大などが重なり、農産物被害は増加の一途です。
わたしたちは、東北の農業に貢献したいと考え、対策に取組みました。

しくみ~「かんたん位置情報端末」および「動体検知カメラ」を活用した、「くくりわな・箱わな監視システム」~

イノシシ猟やシカ猟に使用される「くくりわな」「箱わな」にドコモのかんたん位置情報端末(通知機能付き小型振動感知センサー)を取り付けるだけのシンプルな仕組みを使用しました。
わなに野生鳥獣が掛かった際に生じる振動をかんたん位置情報端末が検知し、位置情報とともに指定先のメールアドレスに通知します。この仕組みで、猟友会による毎日の見廻り稼働・費用の縮減が期待されています。さらに、動体検知カメラを加えることにより、捕獲された動物を遠隔地からリアルタイムに確認することができるため、捕獲後の処置を安全に実施することができます。捕獲されなかった場合でも、監視カメラの映像に写った野生動物の種類やその行動から、くくりわなの設置場所の変更や撤去の判断ができるほか、捕獲された動物が大型のイノシシだった場合などは、捕獲後の処置以前に周辺住民へ注意喚起を行うことができます。

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しくみ~「かんたん位置情報端末」および「動体検知カメラ」を活用した、「くくりわな・箱わな監視システム」~

実験と評価

実証実験は、宮城県の2自治体(蔵王町・南三陸町)及び各猟友会の協力のもと、2016年8月から3か月間にわたり両町内で実施しました。動体検知カメラ1台と振動感知センサー数個の組み合わせを1セットとし、くくりわなや箱わなにセット単位で固定して作動させました。動体検知カメラについては、捕獲されていない場合でも、遠隔で動物の行動が把握できるため、捕獲率を上げられる可能性があるという評価をいただきました。また、振動感知センサーについても、動物が夜間に捕獲された場合でもリアルタイムに通知されるため、翌朝の対応に必要な複数の猟友会メンバーを予め召集しておけるなど、一定の評価をいただきました。

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動体検知カメラ

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振動感知センサーとして利用したドコモの「かんたん位置情報端末」

今後について

実証実験では、わなに動物が捕獲された時に生じる振動をメールで通知する仕組みと、動体監視カメラの映像を送信する仕組みには連動性が無く、各仕組みから各々通知を行っていましたが、今後は両方の仕組みをクラウド上で連動させ、振動検知・位置情報・映像をセットでクラウドに蓄積し、わなの設置場所毎に過去のデータを閲覧したりといった利便性の向上を進めていきます。さらに、野生鳥獣の生態把握や住民への注意関係の迅速化など、農産物の被害対策以外の使い方についても検討していきます。ICTを活用することで、過疎地の農業の課題解決に貢献し、同時に野生動物の保護や住民生活の安全確保を目指します。

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めざすサービスイメージ

R&DOpenHouse2020への展示

2020年1月23日(木)・24日(金)、東京ビックサイトにて、「ようこそ、5Gリアルワールドへ、そしてそがの先へ。」と題して「DOCOMOOpenHouse2020」が開催され、約200の展示が行われました。
多くの方にご体験頂き、多くのご意見を頂きました。
今後の検討の参考にさせて頂きます。

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