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受け継がれる伝統の味と想い

2014.04.22

有限会社 長久保食品

福島県いわき市の長久保食品は昭和9年創業。「伝統の味、彩、技を今に伝える」という精神の元、漬物作りに勤しんできました。 その味は人々を魅了し、遠方から買い求める方も後を絶たず、名実ともに「いわき名物」と呼ばれるように。その味は現代に受け継がれ、いわきの味として広く喜ばれています。

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炭坑の町で愛された漬物

福島県いわき市好間町には創業から80年近く人々から愛され続けた漬物店があります。その生産工場の外壁にはオレンジの派手な看板に「いわき名物 長久保のしそ巻き本舗」の文字。 創業者「長久保ツネ」さんの想いを受け継ぐ3代目店主、篠原福一さんにお話を伺いました。事務所の壁一面に飾られた数え切れないほどの賞状が名実ともに「いわき名物」の作り手であることを物語っています。  
 
昭和9年、常盤炭坑が最盛期だった頃、創業者の長久保ツネさんは日用品や青果を売る雑貨店を営むかたわら、自身が作った漬物を店先で販売を始めます。ツネさんの作った「しそ巻」は炭坑で働く人々にも大人気となりました。自らリヤカーを引いて毎日のように炭坑に届けてたというから驚きです。  その後、2代目の篠原満さんの代に工場を構え漬物専業となりました。ツネさんの代には地産池消が中心でしたが、研究熱心な満さんはよりよい原料を求めて県外へ。このときに巡り合った千葉県産の大根を現在も使用しているそうです。

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小さい頃から仕事を手伝っていたという3代目篠原さん

商品のストーリーを作るのはお客さま

「経営を引き継いでみて、売る、作る、だけではなく管理も大変だと感じた」と篠原さん。自分が看板を背負ってみてはじめて感じた経営の奥深さがありました。   3代目となり、自ら接客をするなかで篠原さんは「県外ナンバーの車で来店するお客さまが多い」という事実に気が付きます。よい漬物は世のなかにたくさん出回っているのになぜウチの商品を遠くから買いにやってくるのか? 当時「自社の商品の価値がよくわかっていなかった」という篠原さんは直接お客さまに「なぜわざわざ県外からこの漬物を買いに来るのか」尋ねたことがあったそうです。「昔、炭坑で働いていたころアルミの弁当箱に入っていた漬物を食べるのが楽しみだった」という言葉。創業時にツネさんが接客していたお客さまには「長久保のしそ巻」の思い出があったのです。「お客さまにとってはかけがえのない商品なんだ」と長久保のしそ巻の重みを知った篠原さん。そこから「プライドを持ってブランドに磨きをかける」ための商品作りがはじまりました。
 
漬物専業になってからは製造に注力し販売は別の流れになっていたという長久保商店。篠原さんは「販売も自社で手掛けないと、お客さまの心が離れていってしまう」と直営店を出店します。それは創業者、長久保ツネさんが重んじでいた「顔の見える商売」に原点回帰すること。「我々製造メーカーとしてもお客さまに喜んでいただけるのが一番と考えました」

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手先が器用で研究熱心だったという創業者の長久保ツネ

東日本大震災を経験して

そんななか、2011年3月11日。観光地として全国的に名をはせた福島県いわき市を襲った未曾有の災害。 かつてない巨大地震を体験して篠原さんは「食品関係なのでこの先どうなるかと思ったんですが、ものづくりというのはどちらかというと継続が大事」と考えたそうです。 事業の早期再開を目指した長久保食品は震災からわずか2週間で生産を再開。スタッフからは「とてもお客さまが来る状態じゃないから、(店を開けるのは)もう少し待ちますか?」 という声があがりました。篠原さんは「お客さまが来るから店を開けるのではなく、お店が開いてるからお客さまが来るんだ!」と自社が頑張っている姿を発信するのが先だと伝えました。 震災後のいわき市は原発問題や風評被害など深刻な問題を抱えていました。果たしてこの地で再び商売が成り立つのか?それは福島で事業を営む人々が全員感じた不安。 しかし、篠原さんは逆に「長久保の商品はいわき市でこそ輝く。これからもこの地で長くやっていきたい」と改めて感じたそうです。

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早い包丁さばきで同じ大きさに切りそろえる熟練の技

伝統を継承し、得意な商品に特化する

1990年代初頭に日本中で「浅漬け」ブームが起きました。大手食品メーカーが誰でも手軽に美味しい漬物を作れる「浅漬けの素」を発売したこともあり、瞬く間に全国の食卓で浅漬けが定番になりました。 当時漬物業界でも多くの業者が浅漬けに移行したが、長久保食品は「浅漬けは差別化がしにくい。わずか2、3時間塩漬けして出荷した商品はパッケージと値段でしか勝負できない」とは時流に流されることなく、従来どおりの大根を1年つける本漬けに注力する道を選びます。 「低価格を売りにするよりも、少々値が張っても大事な人に差し上げれる商品の方が市場にのこると思った」と、長久保の持ち味をいかに出せるかというところを大事にしていきたいと考えたそうです。  今後も「長久保のしそ巻など手作りの漬物をを大切に継承すること。新たな柱になるブランド・商品開発による革新を行うこと。」など長久保食品の味を守り続ける篠原さんの強い決意語ってくださいました。

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昔と変わらず一つひとつ丹念に手作業で造られている

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篠原さんを囲んで

有限会社 長久保食品

住所: 福島県いわき市好間町中好間字鍛治内28の2
電話:0246-36-3999
FAX:0246-36-6801

HP
http://www.nagakubo.net/
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