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「こころの健康」に寄り添う仙台発のメンタルヘルスケアサービスを

2020.08.28

キャロルシステム仙台株式会社

仙台に、メンタルヘルスケアのコンサルティングサービス、「こころコンサル」を提供する「キャロルシステム仙台」という企業があります。長きにわたり仙台の地でITを使った企画・提案を行っている同社が、メンタルヘルスを「こころの健康度」という言葉で表し、働くすべての人を対象に、こころの健康度を向上させるこのサービスを開始したのは、2020年2月。代表の加藤さんに、サービスに込めた思いをお聞きしました。

セルフケアでこころの不調を早期に解消できれば

こころの不調に自分で気付き、こころのセルフケアができることを目指す「こころコンサル」。加藤さんがこのサービスを思いついたきっかけは、奥様の一言でした。加藤さんが会社の従業員のことで悩んでいたとき、「会社にも『こころのセルフケア』を学ぶ場があったら、大変な気持ちも減るのでは?」と言ってくれたのです。奥様はメンタルヘルスについて講習で学んだ経験から、こころのケアの大切さを以前から加藤さんに話していました。

知り合いの企業からも、従業員のメンタルヘルスに関する悩みを多く聞いていたこともあり、早速、加藤さんは企業における「こころのケア」について、利用状況やサービス対象を調べることにしました。 すると、どの位ストレスがあるのかを知るストレスチェックはよく行われているものの、チェックを受けた後、どうケアしていくかは産業医任せになっている傾向があることがわかりました。また、カウンセリングについて抵抗を感じる人が多いことも知りました。一般的に、仕事上でのストレスなどからメンタルの不調に陥った場合、カウンセリングという対処法が用いられますが、日本では、カウンセリングを受けること自体に抵抗を抱く人が多い上に、カウンセリングを受けると、会社の人事評価が下がるのではと懸念する人も少なくないといいます。

さらに、メンタルヘルスのサービスは従業員向けのものが多く、経営者も含めて全社的に導入できるサービスが少ないという課題も新たに見つかりました。こころのケアは従業員だけではなく、経営者にも大切なことであるため、働く人全員を対象にしたサービスが必要でした。

現状を知った加藤さんは、自分で自分のこころの状態を確かめ、セルフケアができるサービスの必要性を感じました。多くの人がこころのケアの方法を知ることができれば、ストレスから来る心身の不調を未然に防ぐことができ、人間関係をよくすることにもつながり、やがては企業のパフォーマンスアップにつながるはずだ、加藤さんはそんな思いで、サービス立ち上げに向けて動き始めました。

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「こころコンサル」の企画について話す加藤文洋さん

感情に向き合えたことで、気持ちが軽くなった

サービスを組み立てる中で、加藤さんは実際にセラピーを受け、こころのセルフケアについて学びました。 例えば、ネガティブな感情を抱いたときに、気持ちを軽くする、「感情の受容」というセルフケアの方法があります。カッとなったときや、傷ついたとき、人は感情に振り回されたり、怒りを押し込めたりしてしまうものですが、この状態を放置すると、自分の中で引きずってしまい、それが対人関係の悪化や、うつのきっかけにつながることもあるといいます。そんなとき、早いうちに自分のネガティブな感情に気付き、感情そのものを許し、受け入れていく「感情の受容」が役立つのです。加藤さんはセラピストと対話しながら、この方法を実際に体験したことで、気持ちがすっと軽くなったのだそうです。

こうして加藤さんが自ら経験したことをもとに、こころのセルフケアを大切にするという、「こころコンサル」サービスの軸は形作られていきました。

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「こころコンサル」では、一般社団法人心のセルフケア協会と提携し、全国各地のセラピストのセラピーを受けることができます

東日本大震災で感じた「こころの豊かさ」の大切さ

加藤さんがこころについて考える機会は、東日本大震災のときにもありました。 2010年、加藤さんは、それまでのキャロルシステム株式会社 仙台営業所から、現在のキャロルシステム仙台を立ち上げましたが、新たなスタートを切ったわずか半年後、東日本大震災が起きました。 「世の中、どうなるんだ」。それまであった仕事が軒並み止まり、加藤さんは途方に暮れました。それでも新しい仕事を生み出すために、従業員と一体になって企画を練り続けました。

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キャロルシステム仙台株式会社の皆さん

奮闘する日々の中で、刺激となったのは、東北の人たちが考え方や生き方を変え、新たな生活のために立ち上がる姿だったといいます。震災で社会が大きく揺らぐ中で、今を大切に生きようという考えが社会全体に広まっていました。

「当時、『こころの豊かさこそ大切なんだ。お金のために働くんじゃない』という言葉をいろいろなところで耳にしました。もう以前と同じ生活には戻らない、新しい生活に変わるんだという人々の心のうねりの中にいて、『時代はこころの豊かさに向かっている』と感じました」

新型コロナウィルスの影響で、社会や人々の生活が変わっている今、加藤さんは改めて、こころの豊かさの大切さを実感していると言います。

多くの人の間で、あくせくせずに自分の時間をもって生活したいという気持ちも強くなっています。しかし、みんながみんな、ゆとりのある生活に簡単に移行できるわけではありません。そうした姿を見ていても、『こころコンサル』は時代にあったサービスにしていけると加藤さんは思っています。

仙台発の「こころコンサル」で多くの人のこころを楽に

「こころコンサル」は、こころの不調を早期に解決するために、さまざまな工夫が施された内容になっています。

こころの健康診断を通じて、「こころの健康度」を自分で知ることができるだけではなく、「こころの仕組みとセルフケア」を学ぶ講座を受講することで、自分自身でこころをケアする方法を習得できます。また、秘匿性に優れていて、個別の診断結果は当事者しか閲覧できないほか、誰が「Webセラピー」を受けたのか、個人を特定できないシステムになっています。このサービスを利用することによって、重い症状となる前にこころのトラブルを早期発見することができ、早めの対策によりこころを健康な状態に保つことができるのです。

新型コロナウィルスの影響で、一時的に営業がストップしたものの、システムをブラッシュアップして、よりよいサービスに仕上げていているという加藤さん。さまざまな機関や、より多くの人に知ってもらえるよう、サービスを紹介している最中だと話します。

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5つのサービスによって、利用する人の「こころの健康度」向上をサポートします

「サービスについて説明すると、皆さん『いいサービスですね』と言ってくれるんです。早く広まってほしいというお声もあって、本当にうれしいです」

加藤さんが目指すのは、多くの人のこころのケアを通じて、対人関係を改善するなど、社会全体へのよい連鎖を生んでいくこと。

「これまで、仙台ブランドのサービスを作って、自分たちで発信したい、そして地元に留まらず、日本全国や世界の人にも使ってもらいたいという思いでやってきました。『こころコンサル』は、まさに多くの人に使っていただけるサービスだと思っています。たくさんのこころを健康にすることは社会貢献につながると感じていますし、従業員にとっても自慢できるサービスになると信じています。そのために、まずは多くの人に知ってもらえれば」。 加藤さんはそう語ります。

多くの人のこころを楽に。そんな加藤さんの思いとともに始動した仙台発の「こころコンサル」。これからの躍進が期待されます。

キャロルシステム仙台株式会社

〒984-0051 宮城県仙台市若林区新寺2-1-6 THE ISビル3F

URL
https://www.carolsendai.co.jp/
URL
https://kokorokonsaru.jp/

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