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観光地としての復活を目指して

2014.05.23

いわき・ら・ら・ミュウ
いわき・ら・ら・ミュウは常磐自動車道いわき湯本I.Cから約20分。430台の駐車場スペースがあります。 館内にはレストラン、おさかなゾーン、飲食ゾーン、物販ゾーンの4つのゾーンに分かれおり、「わんぱくひろば みゅうみゅう」など子どもたちがあんしんして遊べる施設なども充実している大型物産センターです。

「海に人を呼ぶ」という名目で誕生

いわき・ら・ら・ミュウは福島県いわき市小名浜に1997年7月25日にオープンした観光物産センターの愛称。
キラキラと光輝く「いわき」の青い海、その軽やかでさわやかな「いわき」をイメージした"いわき・ら・ら"と、市の鳥「かもめ」の愛称を合わせて名づけられたのが「いわき・ら・ら・ミュウ」です。
 
ウォーターフロント開発の一環として「海に人を呼ぶ」という名目で誕生した、いわき・ら・ら・ミュウはたくさんのものが流通し、たくさんの人の活気があふれる一大観光名所。
そこへ突如襲った東日本大震災は大きな爪痕を残しました。
震災時の状況を説明してくれたのは営業調査課長の大邨賢次さん。
震災が起きた時は幸いにもオフシーズンだったこともあり、来場者が少なく、人的な被害は無かったそうですが、それでもテナントスタッフのなかには浸水域のすぐ真上にあたる施設の2階で一晩過ごした方もいたと当時を振り返り話してくれました。

新鮮な魚介が揃う施設内の市場

被災者の想いを考えてのリニューアル

「震災直後の復旧は人手がなく大変だった」と大邨さん。
そこへ駆けつけたうれしい援護。群馬県前橋市から市役所職員や青年会議所の方たちを中心とした約300人が、復旧作業を手伝いに来てくれたそうです。
このときに、やっと復旧への光が見えたと思ったそうですが、当時の福島の状況を考えたとき、放射能の問題もあって、それまでのような観光のお客さまを見込むことは難しいだろうなとも考えていたそうです。
そんなときに着目したのが、「放射能のこともあり、子どもたちがあんしんして外で遊べない」という被災地の現状。
この問題を解決するため、施設内に子どもたちがあんしんして遊べる「わんぱくひろば みゅうみゅう」をオープンさせました。
この広いスペースには、ボールプールや、子どもサイズの町を再現した「ごっごあそび」のコーナーなど、さまざまな遊具があります。子ども、大人ともに料金は一人100円で利用できるとあって、多い日は1000人近くの利用があるそうです。
 いわき・ら・ら・ミュウには、活気あふれる新鮮な魚介が揃う小売市場があり、ここが施設のメインのエリアになります。
「魚屋さんが全部埋まらない限りは再オープン出来ないと思った」と大邨さんが語るほど、施設内でも重要なゾーンであり、方向性を変えることが出来ない売場。
やむを得ない事情で撤退したテナントさんもあるようですが、魚屋さんだけは全部埋めたそうです。
 
こうして震災から約8か月経った11月25日にリニューアルオープンしたいわき・ら・ら・ミュウ。
震災前との違いを尋ねると、県外のお客さまが少し減ってその分県内のお客さまが増えたそうですが、目の前にはまだまだ厳しい現実の壁もあります。
「思いのほか観光のお客さんの戻りは早かった。でも、入ってくるバスの台数は(以前の)7割超えたくらいです」と大邨さんは話してくれました。

広い施設内を丁寧に案内してくれた大邨さん

震災の記憶を風化させない

そんな、いわき・ら・らミュウでは、取材時に、震災の脅威を忘れないためにと東日本大震災展を開催していました。
映像配信のコーナーでは、当時、大邨さんも非難した場所である合同庁舎の3階から撮影された津波の映像や、避難所の段ボール部屋を再現したコーナーもあり、当時のリアルな状態を再現していました。
「震災を経験していない方がここにきて学ぶっていう意味でも大切な場所ですね」と大邨さん。時間の経過とともに東日本大震災の記憶が風化していくなか、「見て」、「聞いて」、実際に「体験」できる施設は重要な役割を担っています。

見て、聞いて、体験できる東日本大震災展

県や市とともに歩む復興への道

「震災前の集客力を取り戻すとなると、県外からの観光のお客さまをいかに増やすかが鍵だと思います」と大邨さん。
そのための計画はすでにはじまっているようで、その一つが「観光魚市場」と呼ばれる一般の方が競りを見学できる魚市場の建設工事。
そして、そこで競り落とされたものは、いわき・ら・ら・ミュウで購入できるようにしたいと。

また、福島県最大の港である小名浜港は船の荷卸しに時間が掛かりすぎるため、人口の島を作ってそこに船を停泊させる計画や、県内には最新鋭の石炭火力発電設備の建造の計画など、今、福島県はいわき市を中心にめまぐるしく状況が移り変わっています。
「県、市、ウチも含めて観光を復活させたい」と大邨さんは福島県全体で復興に向かっている現状を話してくれました。
 
被災地に笑顔を作り、流通を促進し、震災の語り手も担ういわき・ら・ら・ミュウは、まさに「復興エネルギーの源」なんだと実感させられました。
みなさんもぜひ、現地を訪れて復興へ向けて頑張る人々の活気に触れてみてはいかがでしょうか?

震災時の避難所を再現した段ボールで仕切られた部屋

のびのび遊べる「わんぱくひろば みゅうみゅう」

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