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海を通して人と地球の未来を考える

2014.04.14

アクアマリンふくしま
福島県いわき市小名浜にある「アクアマリンふくしま」。仙台方面からは常磐自動車道いわき湯本I.Cから約20分、東京方面からは常磐自動車道いわき勿来I.Cから約30分。小名浜方面に向かって走ると、小名浜港にガラスに覆われた建物が目に入ります。環境学習を題材としたスクールを開催するなど、楽しみながら学び、体験できる施設として人気を集めています。

生き残ったのは1割未満

アクアマリンふくしまは小名浜港にあります。
震災時は津波による被害で、館内は浸水し、その影響で温度調節、ろ過循環、酸素供給の装置が壊れてしまい、多くの生きものの命が奪われてしまったそうです。
「一時避難をするための搬出も簡単ではなかった」と、地域交流チームリーダーの金成さんは話してくれました。
ゴマフアザラシやタイヘイヨウセイウチなどの海獣類の体重は500kg近くあり、通常移動がある場合は訓練をするのですがその時間もなく、震災直後は水を抜いて檻のなかに誘導するしか方法がなかったそうです。
その上、震災で神経質になっているのか、海獣類は思うように檻に入ってはくれず、スタッフ総出で丸2日かかったといいます。

そんななか、とてもうれしかったことは、各地の水族館からの応援の数々。
当時、アクアマリンふくしまのトラックは流され、生きものたちの避難も自力ではできない状態だったのですが、各地の水族館がトラックを手配してくれたり、生きものを引き取りに来てくれたり、さらには、水の入った水槽の清掃やメンテナンスなどの専門作業などでも、各地の水族館のスタッフの助けがあったといいます。

館内を案内していただいた地域交流チームリーダーの金成さん

希望が未来へ続きますように

震災当時、アクアマリンふくしまには妊娠したゴマフアザラシがいましたが、2011年4月7日、避難していた鴨川シーワールドで、かわいいアザラシの赤ちゃんを出産。
そして、このゴマフアザラシの赤ちゃんは、被災地の一日も早い復旧・復興の願いを込めて「きぼう」と命名されました。
さらに、2年後の2013年4月10日には、アクアマリンふくしま館内では初となるゴマフアザラシの出産があり、その赤ちゃんは公募により「みらい」と名付けられました。
震災後生まれたこのゴマフアザラシの「きぼう」と「みらい」は、「希望が未来へ続きますように」と願いが込められたアクアマリンふくしまの復興の象徴となっています。
※現在「きぼう」は繁殖目的のため2013年6月に青森県営浅虫水族館に移されています。

好奇心旺盛な「みらい」は光るものをかざすと寄ってきます

アクアマリンふくしまの特徴的な展示

アクアマリンふくしまには、水族館で目にすることがあまりない2種類の生きものが展示してあります。
サンマとメヒカリです。
サンマは非常に飼育が困難で、採取も難しい上、鱗が剥がれやすく、すぐに傷がついて弱ってしまいます。
展示していても、水槽を見ている人が動くだけで、それに驚き、壁にぶつかってしまうくらい神経質な生きものなので、通年で展示しているところはないそうです。
同じように採取が難しい「メヒカリ」は、海底に生息しており、生きたままの採取が難しく、国内の水族館のなかでもメヒカリを見られるのは、ここだけなのです。

アクアマリンふくしまは、また、夜の水族館見学プログラムやアクアマリンキッズプログラムなど、イベントも充実しています。生きものの生態や命の大切さなど、さまざまな体験を通して楽しみながら学べるプログラムは、子どもから大人まで大人気です。

館内にお寿司屋さんがあるというのも驚きです。大きな展示水槽の前に「潮目の海」というお寿司屋さんがあります。
マグロの資源量などの海洋資源についても、みなさんに知ってもらおうと始めたそうですが、やはり2万匹のマイワシとカツオ、マグロの仲間のキハダが泳ぐ水槽の前でお寿司をいただくなんて、そんなに簡単に経験できることではありません。
もちろん、寿司ネタは目の前の水槽から魚を調達するわけではないのですが、寿司ネタと同じ魚が目の前で泳いでいると思うと、なんだか不思議な気持ちになります。

大きな水槽に日差しがさすと吸い込まれそうなくらい神秘的

子どもたちの力を発揮できる場所を

ほかにも福島の自然を再現しているビオトープや、インパクトたっぷりのイセエビの目線で水中をのぞける水槽、命の教育として自分が釣った魚をその場で料理して食べることができる釣り堀と裸足で遊べる水辺の環境を再現した「蛇の目ビーチ」など、自然と触れ合いながら学べる施設がたくさんあります。

そんな充実した施設のアクアマリンふくしまでも、来場者数は、まだ震災前の65%にとどまっているのが現状です。
「生きものの種類は震災前と変わらないくらい多くなりました。今だったら充実した展示を見ていただけると思います。庭園もできましたし、季節に向けたイベントも開催していきます」と金成さん。
今後は情報を発信しながら、施設の充実をPRするとともに、子どもたちが自然のなかで遊び、学べるようにと頑張っています。
季節に応じた体験プログラムなど、どのシーズンに来館してもそれぞれに楽しみがあり、子ども連れの親子にはピッタリな施設ですので、いわき市にお越しの際にはぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

潮目の大水槽前にある寿司処「潮目の海」

プログラムに参加した子供たちが作った作品を壁一面に展示

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