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ふくしま海援隊、いわきの龍馬として

2015.03.23

株式会社おのざき
福島県いわき市で、海産物専門店を営む株式会社おのざき。いわき市内に、海産物専門店、寿司店合わせ7店舗を構えます。 現在は、有名百貨店のギフトカタログ商品の提供もおこなっており、社長の小野崎 幸雄さんは、いわき漁業の本格復興にも尽力しています。

風評被害との戦い

お中元や、お歳暮のギフト向けの海産物オリジナル商品に力をいれはじめていた「おのざき」は、福島第一原発の事故による風評被害に悩まされたといいます。
「風評被害によって動きは止まりました。(ギフト商品は)相手に贈るものですから、地元の人も自分で食べる分には大丈夫なんでしょうけど、人に贈るものにはすごく気を使いますからね。なので、どうしても福島のものは敬遠されてしまいます。」と、小野崎社長。
実際、震災後の商品は、地元で魚を採ることができなかったので、北海道や秋田の魚を使っていましたが、福島で加工されたということだけで、敬遠されていたそうです。

さまざま海産物ギフトセット

イベントから生まれた出会い

「2011年はぼろぼろでした。商売やめるしかないかなってそういう状態でした。そんな時に、関東方面などで復興イベントがあることを知りました。」
「(いわきの)海でとったものは検査して出すので、これは世界で一番安心安全なものなんです。と説明しイベントで商品を販売しました。そんな厳しい検査をしているところは、ほとんどないということもあわせてアピールしていました。」
「とにかく、さまざまなイベントに参加し、応援をもらいながら活動を続けていくうちに、少しずついい反応が出てきたんです。」
現在ある有名百貨店との取引も、このようなイベントへの参加がきっかけでした。
有名百貨店前で行われたイベントに参加していた「おのざき」の商品を見た百貨店バイヤーと知り合いになり、その後、商談が進み取り引きがはじまったそうです。

株式会社おのざきの小野崎社長

地元でよろこばれるもので出直し

小野崎社長は、震災後、「おさかなマイスター」資格を取得しました。
「おさかなマイスター」とは、生活者に魚のことを伝え、おいしく食べてもらうための「伝道師」。海産物のプロとして、さらにスキルアップしようとこの資格に取り組んだ背景には、震災後に福島を支援してくれた有名な料理人からの言葉がありました。

震災前のいわきの海産物は「いわき」ブランドや、東京からも比較的近いこともあり、黙っていても売れている状態でした。しかし「いわき」は、そのブランド力に頼り過ぎていたこともあり、原発事故によるブランド価値の低下と風評被害で大きな打撃を受けます。
料理人からは「今まで甘かったんだよ。これからは、いちからやり直すつもりで地元で喜ばれるものを作ればいい。地元でよろこばれるものをつくらないと、1歩前に進めないですよ」と厳しくも温かいアドバイスもらったといいます。
この言葉に、小野崎社長は数人の有志と、魚の事を勉強し直してやり直そうと、「おさかなマイスター」の取得を決めました。

平日も混み合う「おのざき」店舗の鮮場平店

地元を巻き込んで

そして、地元にも喜ばれる商品開発をはじめます。まずはシンプルに「うまいもの」をつくろうと考えたといいます。そこで、隠し味となる料理酒まで吟味したといいます。
それが、このサイトでも紹介している地元福島の「こんにちは料理酒」。仕事仲間から「料亭も隠し味で使っている料理酒」があると聞いたのがきっかけでした。これを使うことで、煮魚の味が大きく変わったといいます。
これにとどまらず、小野崎社長は、地元の生産者を巻き込んで商品開発をすすめています。
地元でおいしいと評判の福島県白河市の「こまや」のキムチを使用している「あんこうキムチ鍋」も、地元の生産者とのコラボレーションから生まれた商品です。
また、百貨店のギフト商品と出す煮魚と、本サイトでも紹介しているファーム白石の野菜を組み合わせたものを現在検討中だとか。

地元の日本酒の酒粕を使った商品も多数

伝える力

震災直後、小野崎社長は、つながりのある業者を集め、福島復興を掲げた「ふくしま海援隊」を立ち上げました。現在、日本橋の福島県のアンテナショップで人気の「厚揚げソフトかまぼこ」も、この「ふくしま海援隊」で力をいれた商品です。
「厚揚げソフトかまぼこ」は、震災前から販売されていましたが、震災でこの商品しかつくれなくなった取引先を励まし、「作ってくれれば、とにかく売り込むから」と走り回ったといいます。現在では、玉ねぎからつくられる独特の甘みと食べ応えのあるボリュームで、アンテナショップの人気商品となっています。

小野崎社長に、これからのことを聞きました。
「いまは、そんなに先のことは考えられない。とにかく、地元の仲間を巻き込んで乗り越えていくしかない。それには、いろいろ知ってもらうことが大事なんです。とにかく今、福島県(の事業者)は発信していかないと。」
これからの福島の食の未来は、やはり「安全」と「品質」を「伝える力」にかかっているのだろう。
そのために小野崎社長は「いわきの龍馬」として今日も奔走しています。

人気の「厚揚げソフトかまぼこ」

おのざきの海産物ギフトカタログ

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