キャリア教育の学びを活性化―
中学生の夢や憧れを一緒に考える「メンター制度」
2022.02.17

楢葉中学校×ドコモのメンター制度施策
楢葉町を含む福島県の原発災害避難地域では、新たな街づくりやコミュニティ形成が進む一方で、周囲の環境変化により、中学生が将来を考える上で興味があること・好きなことを仕事にするための方法を相談できる場が不足しています。
そこで、楢葉町の中学生とドコモ若手社員がオンラインで交流し、将来や夢について一緒に考える取り組みとして、メンター制度「ならちゅうアカデミー」を実施しました。
※写真は現地ファシリテーター、(一社)ならはみらいの森 雄一郎さん
メンター制度の実現まで
2015年より、楢葉町とドコモ人事部と東北復興新生担当(旧:東北復興新生支援室)の合同企画で実施している、ドコモグループ社員対象の「東北被災地から学ぶ!現場思考の課題解決力養成」研修。2018年から舞台を福島県双葉郡楢葉町に移し、楢葉町での現場体験を通じて2019年研修受講者の1チームが発表した「子どもたちの夢をサポートする」という提案がブラッシュアップされ、本施策が実現しました。
▼関連記事:「2019年度ドコモ社内研修「福島で学ぶ!地方創生・社会課題解決」の実施」
https://rainbow.nttdocomo.co.jp/tohoku/know/0027.html
2019年度ドコモ研修生の提案資料抜粋
研修チームが実施した楢葉町の小中学生を対象としたアンケートでは、約8割の児童・生徒が「将来の夢がある」と回答した一方で、「将来の夢をかなえるために必要なこと」を具体的にイメージできている児童・生徒が約2割にとどまっており、また、子どもの夢に対して具体的なアドバイスができるかどうか不安を抱いている保護者が半数以上にのぼりました。そこで、保護者・先生・友人以外の身近な相談先として、若手社会人との対話の機会を創出するための取組みを提案しました。
その後、本取組みは楢葉町役場関係者様ご協力のもと、一般社団法人ならはみらい様、株式会社VISIT東北様との連携により「ならちゅうアカデミー」として実現しました。
将来の夢について考え、自分の言葉で伝えてみよう
「ならちゅうアカデミー」は2021年10月6日〜12月8日にかけて全5回、隔週水曜日の放課後1時間を使い、中学生の課外活動として行われました。
ならちゅうアカデミー募集チラシ
「好き・推しや経験をもとに将来を一緒に考える」をテーマとした全5回のカリキュラム
楢葉町の中学生13名、ドコモグループのメンター社員8名で4チームに分かれ、1人1台タブレット配備のもと、コロナ影響によりオンラインを活用した実施となりました。
ドコモグループ社員は在宅など各自で接続、中学生は「みんなの交流館 ならはCANvas」にて実施しました
タブレット越しということもあり、はじめは緊張していた様子の中学生も第3回目を迎える頃にはすっかり打ち解け、メンターに積極的に質問する様子や、笑顔も見られるようになりました。
メンターのアドバイスを受けながら、自分の「好きなもの」を言語化し、深掘りしていきます
第4回目、外部ゲストからの話を熱心に聞く生徒たち。
写真のゲストはMiss Japan宮城県代表の林実里さん
最終回となる第5回目には、自分が将来なりたい姿を記した「プロミスカード」を持って、皆の前で発表しました。
1生徒のプロミスカード
「今日よりも もっとなりたい自分に」なるために、具体的にどんな行動をしていくか宣言
メンター制度を通じて
中学生からは、「将来について考える良い機会となり、アドバイスが貰えて自信に繋がった」、「メンターのようなアドバイスを自分もできるようになりたい。毎週のメンター制度が楽しみ!」といった嬉しい声が上がり、メンターへの積極的な応対や自分の言葉でしっかりと語れるようになるなど、回を重ねるごとに成長が感じられました。また、ドコモメンター社員からも、分かりやすい伝え方の学びになった、逆に教えてもらったことが多々あったなどのポジティブな感想とともに、取組みの継続を望む声も上がりました。
ドコモでは今年度も、楢葉町を舞台に全国から集まった社員の研修を実施しています。私たちはこれからも、地域、行政とドコモとの新たな関係性づくりを実践することで、現場に寄り添い、復興の実現と社会課題の解決に向けて取り組んでいきます。
【楢葉町役場様からのコメント】
2019年のドコモ研修で提案されたものを、2年たってようやく実施することができました。ドコモ社員の皆さんにメンターを引き受けていただいたおかげで、普段会うことのない仕事をしている大人と過ごすことができ、子どもたちにとって刺激的で、貴重な時間だったと思います。そして何より、子どもたちから、メンターの時間を楽しみにしているという声があがっていて、メンターの皆さんの"チカラ"を感じました。
「子どもたちの夢をサポートする」方法は様々ですが、今回実施したメンター制度が、これからも楢葉町にしかない事業となるよう続けていきたいと思っています。
この研修では、毎年いい意味で面白い提案がたくさんでてくるので、まだ事業化できていないものもありますが、私たちが新しい事業を考えるとき、いつも頭の片隅に残っています。町にいつも新しい風を吹かせてくれる、ドコモの皆さんとの関係が、これからも続いていって欲しいと思っています。〈楢葉町政策企画課〉
関連するサイト
- 一般社団法人ならはみらい:「中学生の将来を一緒に考える ~ならちゅうアカデミー~」
- https://narahamirai.com/news/2022/03/c0fc7ac4d1349f99b729802d5e7375fc589fc241.php
このページをSNSでシェアする