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大船渡市のポテンシャルの高さを最大限に生かしたい

2014.02.20

多国籍料理 KAIZAN
三陸縦貫自動車道・碁石海岸ICより国道45号線を北へ車で6分ほど走ると右手に「復興大船渡プレハブ横丁」という看板と、KAIZANと書かれた黄色いキッチンカーが目につきます。 その「復興大船渡プレハブ横丁」にある「多国籍料理KAIZAN」は、「年中無休、いつ来ても開いている」をコンセプトに2004年から営業を続けています。

亡きスタッフのためにも新たな一歩を踏み出す

2011年3月11日、多くの人が悲しみに包まれたこの日。「多国籍料理KAIZAN」も津波に飲まれたそうですが、ビルの1階を借りていたため店は残ったものの使えるものが何もなかったといいます。
「ショックよりも、これからどうしていこうか。みんなの安否もわからず不安だった」と話す新沼さんに、更なる悲しい出来事があったそうです。
それは「まっちゃん」の愛称で親しまれていたKAIZANのスタッフとの別れ。音楽が好きで来年には彼女と結婚すると照れながら話していた「まっちゃん」は1か月後に遺体で発見されたそうです。そんな悲しみのなかでも「自分も食べていかなければいけない。スタッフも解雇したくない」との思いから、隣町に営業していない小さなラーメン屋を借りての営業再開を決意、このラーメン屋さんの看板には「まっちゃん食堂」と書かれていたそうです。
「あいつが探してくれたんだな」と感じた新沼さんは「まっちゃん食堂」の看板を降ろすことなく4月から同年12月まで営業したそうです。
しかし、1か月間は「いらっしゃいませ」も「ありがとうございました」も言えず、はじめて「いらっしゃいませ」と言えた時に「やっと元気になれた」と当時を振り返ってくれました。

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ロゴのブタがなんともキュート!

生まれ育った場所に明かりを灯したい

「生まれ育った場所で明かりを灯して近所の人たちを集め、温かい食事と話せる空間を作りたい」という思いから「復興大船渡プレハブ横丁」を2011年12月23日にオープン。
設立に新沼さんは代表者として携わり、1階の半分を「多国籍料理KAIZAN」もう半分を「ショットバー・ハッスル」として経営しています。
年中無休、平日は深夜0時、金土祝前日は深夜2時まで、ハッスルについてはお客さんがいれば朝の5時まで営業するという大船渡にしては長めの営業時間を設定し「いつ来ても開いている店」というコンセプトをこれからもずっと続けていきたいと話してくれました。
震災後はラーメンや定食の需要が多く多国籍ではなくなった」と笑いながら話す新沼さんですが、「地元で水揚げされているものを使いたいという意識が新たに芽生えた」とも話してくれました。
現在では地元のお客さんが多くなってきたといいます。「大船渡屋台村」と併設しているため、「飲食店がある程度まとまり相乗効果になっているのではないか」と思っているそうです。
しかし、「休んでいる店が多すぎ」と喝を入れます。「みんな平和ボケをしているのか、焦りとか危機感がない。誰かがやってくれるって気持ちが強い。次は誰も助けてくれないよ」と厳しい目で仮設商店街を見ているようです。

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大船渡について熱く語る新沼さん

津波の被害があっても海と生きていく

新沼さんが若手を集めて動き出している「大船渡海来(みらい)プロジェクト」は「何もなくても人が来る町にしていかないと」という思いから立ち上げたそうです。
第1弾の事業として東北ではじめて「大船渡海来ハイボール」というネーミングのご当地ハイボールを発表し、現在は大船渡の52店舗の飲食店で飲めるそうです。
今後は「まちづくりとして大船渡の発信と、子どもたちを育てるワークショップをやっていきたい」と話してくれました。
「みんな大船渡のことを知らなすぎる。子どもたちに大船渡の歴史やよいところを知ってもらって旅立ち、大船渡の広告マンになってほしい。大船渡のことを自信をもっていえることが大船渡の発信になるのではないか」と新沼さんはいいます。
「次世代まで見越した町を作っていかないと。壊された町だからこそ、きちんと作らなければならない」と自分の店舗のことだけではなく、将来の大船渡のまちづくりまで考えて行動している新沼さんは大船渡の若い世代のリーダー的存在として復興と再生に携わっていくことでしょう。

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店内の雰囲気もまさに多国籍

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姉妹店のハッスル店内

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多国籍料理店で人気のガバオライス

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