ドコモグループ 東北復興・新生支援

笑顔の架け橋 Rainbowプロジェクト

  • HOMEHOME
  • 本州で一番カリフォルニアに近い衣料店

本州で一番カリフォルニアに近い衣料店

2014.02.25

さとう衣料店
「さとう衣料店」は東北自動車道盛岡南インターチェンジから国道106号線を東へ約2時間。宮古市役所前を通る宮古街道と国道106号の間にある店舗は最東端といわれる衣料店です。 濃褐色の外観にはハンガーのオブジェが飾られ、店長の遊び心がたくさん詰まった店内は見て回るだけでも楽しい店舗となっています。

雑貨までそろう地域密着型の店

震災前「さとう衣料店」は宮古駅から1.5kmほど離れた鍬ケ崎(くわがさき)地区にあり、津波によって店舗が流出してしまったそうです。
「市街地が残ったのは大きかった。建物から建てるのであれば再開も遅かったのでは」と話す佐藤さんは、先輩から早く店をはじめるように背中を押され、宮古駅から徒歩10分もかからない末広町(すえひろちょう)の仮店舗にて2011年7月に営業を再開。「当時は服を選ぶという状況ではなかったけれど、店に来ていただいて5分でも10分でも好きな服を選ぶ空間を提供したい」と思いながら営業したそうです。
賑やかな末広町での再開となった「さとう衣料店」ですが、仮店舗では広さに制約があったことや、父親である社長から「しっかり落ち着いて商売できるところを探しなさい」といわれたこともあり「どうせやるなら町のなかで店舗を構えたい」と佐藤さんは現在の向町(むかいまち)に土地を確保し、2013年1月15日に新店舗をオープンしました。
衣料品から日曜雑貨までこだわりのセレクト品が並ぶ「さとう衣料店」は、基本的に店長である佐藤さん夫婦2人でお店を運営。「上質で適正価格」をコンセプトに、佐藤さん夫婦が選んでいるという商品は服だけではなくバックやシューズ、小物なども充実していて、じっくり選びたくなるようなレイアウトとなっています。
さらに、「小さい街なので衣料品にかかわらず置いている」という店内には鍋をはじめとした雑貨、男性目線でのグラスやキッチンツールまで並んでいます。
濃褐色のオシャレで落ち着いた雰囲気の外観にはハンガーのオブジェが飾られており、駐車場は「普通車で4台、おそらく戦車なら1台いけるほどのスペース」と話す佐藤さんの個性豊かな人柄がうかがえます。

contents_image1.jpg

濃褐色のオシャレな外観にハンガーのオブジェ

ユーモアあふれる店づくり

今やインターネットでも服を購入できる時代となっていますが、実際に手に取って色合いや質感などを確かめて購入するのも衣料品のよいところではないでしょうか。
店内を見て回ると、手書きのポップや小冊子状になったチラシがあるのですが、遊び心いっぱいのイラストや文章が書かれています。目立たないようにそっと置いてあるポップもありますので、来店の際は宝探しでもするかのように探してみてください。きっと笑顔になるはずです。
「既製品にハンコを押しているだけ」という包装袋ですが、そうは見えないほどセンス良くまとまっており、包装紙を袋に加工、ポップも手書きとコストをかけずに運営している「さとう衣料店」ですが、この手作り感が新鮮な雰囲気を醸し出しています。
ホームページやFacebookなどで発信しないと足を運んで頂けないといいながらも佐藤さんはインターネットだけではなく紙媒体にも力を入れているようです。
「さとう衣料店ニュース」A4用紙にすべて手書きのオリジナリティのあるフリーペーパーは不定期発行のようですが、ユーモアあふれる内容となっています。
「今まで来店されていたお客さま以外にも店に足を運んでもらえるようになった。岩手の宮古という地方で衣料店という冠を付けて営業していることにこだわり、よい意味でのギャップを楽しんでもらえれば」と佐藤さんはいいます。
店内の雰囲気や佐藤さんの人柄もあり、女性客だけでなく男性も楽しめる「さとう衣料店」は「じんわりとゆっくりのんびり」営業しているそうです。
ゆっくり流れる雰囲気を感じながら楽しい店内を散策してみてはいかがでしょうか。

contents_image2.jpg

洋服から雑貨まで取り揃えてます

ゆかりのある「ウッドマン」

「本州で一番カリフォルニアに近い衣料店」と銘打っている「さとう衣料店」は当初「一番アメリカに近い」としていたが、「カリフォルニアの西海岸のオーガニックなイメージが宮古のイメージにぴったりではないか、アメリカよりピンポイントでカリフォルニアがいいかな」と本州最東端を意識したネーミングに、お客さんは笑ってくれるといいます。
ふと見ると、レジの後ろに「宮古日和 さとう衣料店物語」という昔の映画のポスター調のオブジェがありました。しかも立体になっています。
震災後の仮店舗オープンに合わせて義理の姉夫婦がサプライズで送ってくれたもので、店の守り神として飾ってあるそうです。
作成した北海道の似顔絵工房が「ウッドマン」というそうですが、この「ウッドマン」という名前は佐藤さんにはとても縁のある名前でした。
実は、さとう衣料店のオンラインショップ名も「ウッドマン」だそうで、自分も兄も世話になったイギリス人のミドルネームが「ウッドマン」という名前だそうです。
佐藤さんの兄が留学の前に旅行に行った際、置き引きに遭ってしまい、困っていた兄を親切に家に招いてくれた人だそうです。
自分も卒業旅行に行って彼と一晩過ごし、その後文通をしていたが2度と会うこともなく生涯孤独でこの世を去ってしまったそうです。その「ウッドマン」さんの写真も店内に飾ってありました。
「本来であればアパレルファッション関係だと外人のモデルが着飾った写真を飾るべきでしょうけど、うちの場合は家族写真が飾ってあります」と店内に飾ってある子どもの頃の奥さんの写真を見せてくれながら楽しそうに話してくれました。
「ドライブがてらに宮古を楽しんでもらえるきっかけになれば」と復興に向かっている宮古を訪れる人たちに楽しんでもらいたいという気持ちが伝わってきました。

contents_image4.jpg

サプライズで頂いた昭和風な「宮古日和」

contents_image5.jpg

オンラインショップの名前にもなった「ウッドマン」

このページをSNSでシェアする

関連記事をさがす

トップページへ戻る