ドコモグループ 東北復興・新生支援

笑顔の架け橋 Rainbowプロジェクト

  • HOMEHOME
  • 復活した釜石のソウルフード、煮込みホルモン

復活した釜石のソウルフード、煮込みホルモン

2014.06.09

釜石ホルモン新来軒

「釜石ホルモン新来軒」は、店主・岡本誠さんの父が60年ほど前に創業。岡本さんがお姉さんとともに引き継いでからは、煮込みホルモンと中華料理のお店として、地元・釜石で親しまれていました。震災によって店は一時閉鎖を余儀なくされましたが、岡本さんは2011年12月に矢巾町で、お姉さんも2013年に釜石でお店を再開。新来軒の「煮込みホルモン」が復活し、なじみのお客さんはもちろん、内陸の方からも人気を集めています。

商品のおすすめリポートはこちら

創業60年、釜石で愛された味が、震災を機に内陸へ

創業当時は近所に製鉄所があり、仕事を終えた作業員の方がよく来ていたという新来軒。ホルモンでお酒を飲んで、ラーメンを食べて帰るお客さんが多かったようです。そのときの縁で、県外に引っ越した方からも「新来軒のホルモンが食べたい」「釜石に帰ってきたら新来軒に寄りたい」という声が聞かれるほど、多くのお客さんに愛されていたお店でした。
震災が発生した当時、岡本さんはお姉さんとその子どもたちと一緒に店を営業していました。しかし震災後、岡本さんは子どもがまだ学生だったため、早く仕事をしなければいけないと思ったそうです。たまたま、いつもホルモンを仕入れている肉屋さんが矢巾町にあり、挨拶にいった際に、「矢巾で再開してみませんか」というお話をされたことがきっかけで、それから半年間、その肉屋さんで煮込みホルモンの仕込みをして、週3回、釜石に配達するようになりました。
「半年間、肉屋さんにお世話になって本当に助かりました。普通なら話を聞くだけで終わってしまうのに、「やってみるかい」といってくださった。本当に感謝しています」と岡本さん。しかし、再開した当初はいつもの味が出せませんでした。震災で、釜石で使っていた醤油や味噌を作っている「藤勇醸造」が被災し、調達できなくなってしまったのです。

店主の岡本誠さん

新しい土地で、「いつもの味」を目指して繰り返した試行錯誤

「味噌と醤油は味の基本なので大変でした。特に味噌は、いろいろな味噌で試して、一ヶ月半くらいかかって、ようやく、これなら大丈夫という味噌に出会えました。いつも買ってくれていたお客さんからも「いいんじゃない、以前の味に似てるね」といってもらえる味に仕上がりました。
今では、釜石の「藤勇醸造」も再開したので、醤油は以前と同じ釜石のものを使って、味噌は震災後に出会った味噌を使っています。これが今の「新来軒の味」というわけです。岡本さんは今も釜石への配達を続けています。
「復活したよ!という気持ちで持っていったら、地元の方から注文をいただけたんです。それからは、煮込みホルモンを作るたびに、出来た分を持って毎回、釜石、宮古、大船渡...と沿岸部を回りました。大変だったけどね。でもやっぱり、待ってくれているお客さんがいるということは、幸せなことだなあと思います。そしてまた、お客さんからお客さんへとつながって、応援していただけるというのが、本当に幸せだなあと感じています」
味も決まり、お客さんもついてきて、少しずつ資金も工面できるようになってきた岡本さん。そしていよいよ、矢巾にお店が出来たのが、2011年12月12日のことでした。

矢巾町でオープンした新店舗

持ち帰り専門店として、新たなスタート

釜石の頃の味を知っている人や口コミを聞いて来てくれる方もいましたが、知り合いのいない矢巾町での再開に、最初はとても不安を感じていたという岡本さん。1か月が経った頃、岩手日報に掲載されたことがきっかけで、安否確認のように来て下さる方が増えました。今ではいろいろなところから「宅急便で送ってください」という注文が入るようになり、忙しい日々を送っています。
「釜石や沿岸部から内陸に移っている方もけっこういるので、「生きてたんだね!」っていいながら来てくれる方もいました。来てくれた方がほかのお客さんを紹介して下さることも多く、本当にありがたかったです。今も昔からのお客さんが来てくれるので、私は本当に幸せです。お客さんとお互いの無事を確認できたときには、「ほんとうによかった~!」と思いましたし、沿岸部からのお客さんが「大槌から来たよ」「私は大船渡だよ」といって来て下さることもうれしく感じています」
今は、持ち帰り専門店として営業している新来軒。最初は、釜石の頃と同じように、煮込みホルモンと中華料理の店をやろうと思っていた岡本さんですが、ずっと専業主婦だった妻と夫婦二人で営むには持ち帰り専門店がちょうどいいのではないかと考えました。矢巾町でお店を再開した当初は休みなく目一杯働いて、仕込みの作業をしていましたが、最近はようやく慣れてきて、少しは体を休められるようになったという岡本さん。体を労わりながら、二人でお店を続けていけたらと思っているそうです。
「お客さんを紹介してくれたり、電話をくれたり、昔からのお客さんや同級生にはとてもお世話になりました。隔週で配達にいく釜石には同級生や友達もいますし、親戚もいます。いけば顔も見られるし、仕事でいってるんですけど、とても幸せです」
一口食べたらくせになる、新来軒オリジナルの煮込みホルモンは、ビールと食べても、ごはんと食べても美味しい、箸が止まらなくなる逸品です。まずはぜひ一度、お店に足を運んでみてくださいね!

煮込みホルモンは持ち帰り専用で、一人前(300g)

味噌をベースに、醤油やにんにく、とうがらしなどを独自の配合で加え、じっくり煮込んでいく

店内には、お客さんが自宅で食べるときに撮影し、持ってきてくれた写真が貼られている

釜石ホルモン新来軒

〒026-0054 岩手県釜石市定内町3-16-14

商品のおすすめリポートはこちら

このページをSNSでシェアする

関連記事をさがす

トップページへ戻る