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心に残る逸品を、まごころ添えてお届けいたします

2014.04.18

株式会社 夕月

昭和26年創業の「株式会社 夕月」は1日10万本の「板かまぼこ」を生産しており、その生産量は日本一。 小学生を対象に工場見学を実施するなど社会科見学を通して子どもたちの知識向上を図ることにも力を入れています。
また、平成14年には「妥協を許さない厳選素材で手作りにこだわる」というコンセプトのもと「美味一膳」を出店し「一膳てまり」など極上で独創的なかまぼこを製造販売。
さらに、「いわき かまぼこ工房」では、かまぼこやちくわの手づくり体験ができ、自分だけのオリジナルかまぼこや、焼きたてのちくわが味わえます。

日本一のかまぼこ

古くは平安時代から作られていたといわれる加工食品「かまぼこ」。そのかまぼこを日本で一番生産している企業が福島県いわき市の株式会社 夕月です。
 「かまぼこは日本中どこのかまぼこ屋さんでもはじめは手で作られていました」と、昔の写真を見ながら取材に応えてくれたのは企画室長、四家満紀子さんです。
夕月では10年前に昔の伝統を継承する意味であえて手作りの商品も手掛ける直営店を出店しました。それが「美味一膳」。和風に設えられた店内はまるで高級料亭のように上品な空間です。
ショーケースのなかには手まり寿司にも見えるかわいらしいかまぼこや伊達巻などが豊富に並んでいます。「美味一膳」では魚・塩・油、一つをとっても妥協を許さず厳選された素材を使用し、かまぼこ作りの技法をていねいに守り続けながら一つひとつ手作業で作ることにこだわっています。
高級感漂う店内と上質な商品は「遠方からのお客さまも多い」というのも納得です。

ちくわづくりの体験と当時の話をしてくれた企画室長の四家満紀子さん

震災の厳しさのなかで

2011年3月11日14時46分、かつてない巨大地震がいわき市を襲いました。工場内は地震の影響でいたるところに亀裂が入り、ガラスの壁が割れ、事務所のなかはぐちゃぐちゃに。
その時間はかまぼこ作りが終わって出荷待ちのかまぼこが山のようになっていた時間帯。従業員を安全に帰宅させることを優先し、かまぼこの出荷どころではなかったそうです。
その後、避難所では食料を調達することが難しいことを知り、出荷できなかったかまぼこを配ろうと消防や警察に問い合わせしたものの、当時は救助が優先で掛け合ってもらえなかったといいます。
しかし、諦めずに従業員で手分けをしながら避難所や集会所など、できる限りかまぼこを配ったそうです。

 「幸いにも生命の危険にさらされた従業員はおりませんでしたが、震災の影響が一番大きかったのは水が止まってしまったこと」と話す四家さん。
すり身を凍結保存する冷蔵庫も水冷とのことですから、冷却できないとなると何トンという量のすり身を無駄にしてしまうことになります。
冷却用の水を絶やさないようにスタッフが水を汲んでは冷凍庫を冷やす、という作業を水道が復旧するまでの2か月間続けたそうです。

かまぼこアート・たけちくわづくり体験ができる「いわき かまぼこ工房」

うれしかったお礼のメッセージ

大手スーパーなどに数多く出荷している夕月にとって2か月もの間かまぼこが作れないことは大変な事態。流通業界においては、どんな理由があっても商品が欠品することはありえないことなのです。
ましてや競合もあるとなると供給できない時点で他社にフェイス(商品の陳列場所)を取られてしまうことになります。
一度取られてしまったフェイスを戻すことは難しく、そこへ風評被害が追い打ちをかけ、さらに厳しい状態が続いているようです。

 それでも、100%とはいきませんが少しずつ出荷量を取り戻しているそう。これはひとえに商品に対する安全・あんしん面での自信と品質のこだわりがあるからではないでしょうか。
そんな厳しい状態のなか「うれしいこと」もあったといいます。
しばらく経ってから四家さんが取った一本の電話。それは一般の方からのお礼のメッセージでした。
「震災後、スーパーやコンビニなど、どこを探し回っても食べものがない状態でした。諦めて集会所に戻ると夕月のかまぼこが届いていたのです。その夜みんなで食べました。とっても嬉しかったです」。
これには四家さんも本当に嬉しかったと顔を綻ばせていました。

家族に人気!最後の仕上げが難しい、たけちくわづくり体験

子どもたちに知ってもらえる場を作りたい

「かまぼこはいわき市にとって地場産業」という四家さんは震災後、特に力を入れていることがあるといいます。
それは、いわき市に住んでいる子どもたちに少しでもかまぼこの魅力を知ってもらおうと、工場見学や手づくり体験へ積極的に子どもたちを招いていること。
社会科見学を通して将来的に「いわきの美味しいもの」という意識を持ってもらえたらうれしいと話す言葉には、子どもたちにいわき市を誇りに思ってほしいという願いが込められているようでした。
また、地場産業について学ぶだけではなく、自分で作ったかまぼこを持って帰り、家族と食べるというのは子どもたちにとって楽しいことでもあるようです。

実は、かまぼこは高タンパク低カロリーな食べもの。さらに、魚をふんだんに使用していることから必須アミノ酸も豊富なのです。その質のよいかまぼこをさらに減塩するなど、健康や美容に貢献できる食べものの一つとしてアプローチをしていくこともこれからの課題となっているようです。
震災後、新しく発売された「彩りえんまん」は、円の形をしたかまぼこに、鮭、海老、チーズ、穴子をトッピングした、かわいらしいかまぼこ。「人と人とを結んでいく。いずれそれは円となり満ちていく。その架け橋になっていきたい」と縁を大切にしたいとの願いを込めてみんなで作り上げた商品だそう。
震災があったからこそ、人と人との縁を知り、絆を知り、つながりの大切さを知った夕月は力強く未来へ進んでいるようです。

自分で作ったたけちくわ。
焼きたてのちくわの香ばしい味と香りは最高

板かまぼこ生産日本一の工場を見学しながらちくわのがきるまでを学べます

株式会社 夕月

住所:福島県いわき市泉町滝尻字松原55
電話:0246-56-6381

美味一膳
住所:福島県いわき市泉町滝尻字松原55
電話:0120-78-9511

いわき かまぼこ工房
住所:福島県いわき市泉町滝尻字松原55
電話:0246-75-1666v

HP
https://www.kk-yuzuki.co.jp/
HP
http://www.bimi-ichizen.com/
HP
https://www.kk-yuzuki.co.jp/factory/

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