ドコモグループ 東北復興・新生支援

笑顔の架け橋 Rainbowプロジェクト

  • HOMEHOME
  • あなたにぴったりの「ホーム」を陸前高田で見つけてほしい
    〜移住・定住促進事業〜

あなたにぴったりの「ホーム」を陸前高田で見つけてほしい
〜移住・定住促進事業〜

2023.04.07

特定非営利活動法人 高田暮舎(たかたくらししゃ)

岩手県陸前高田市で移住・定住に関する総合支援業務をおこなう団体です。移住希望者や移住者のパートナーとして、住居や仕事、周辺環境などの情報の提供や相談窓口、空き家バンク、移住定住ポータルサイト「高田暮らし」の運営、地域コミュニティへの紹介など、移住者が安心して住み続けられるよう、さまざまな角度から支援をおこなっています。

「ポジティブな過疎地を創る!」をビジョンに

"ここではないどこかに住むなら......?"と、考えたことがある人もいるのではないでしょうか。
自然や地域の文化に触れたい、自分らしい豊かな暮らしをしたい、または現状を変えたいなど、さまざまな想いがあると思います。移住を実現するには、住まいや仕事、生活環境など多くのことを考えなければなりません。しかし、行きたい場所を決めることも、行きたいまちのリアルな情報を得ることも、とても難しいことばかりです。

その難しさをサポートするために、岩手県陸前高田市における移住・定住の総合的サポートをしている団体が「NPO法人 高田暮舎」です。市からの委託を受け、移住・定住を多角的に支援しています。

今回お話を伺ったのは「移住コンシェルジュ」の多勢瞳さんです。多勢さんは移住・定住に関する相談や交流会の企画、お試し移住ツアーの案内など、多岐にわたる業務を担当しています。takatakurashisya (13).jpg

多勢瞳さん(左)と「空き家バンク」担当の髙橋諒さん(右)

高田暮舎が設立した2017年から変わらないビジョンは「ポジティブな過疎地を創る」ことです。マイナスイメージを持たれがちな過疎地という言葉ですが、高田暮舎では過疎地にマイナスイメージを持っていません。

「人口減少の現実を受け止めつつ、それは必ずしもマイナスなことではないと考えています。減少がプラスになる面もあると思うんです。例えば、移住する人が新しい取り組みを始めたり、人が減っているからこそできることもあります。小さなまちだから人の頑張りが身近に見え、たくさんの人に応援してもらえます。陸前高田がポジティブな過疎地になれる要素はたくさんあると思っています」

takatakurashisya (12).jpg

移住を応援するメンバー

"自分らしく生きたい"移住者が集い、その想いを実現し、10年後も住み続けたくなる陸前高田にすること」をミッションに日々活動しています。

人に寄り添う「高田暮舎」の取り組み

人口減少をポジティブにとらえる一方、移住を考える方の多くが『本当はどうなのか』という不安を抱えていることを、多勢さんも理解しています。移住のいいところだけでなく、大変なところや課題も、ありのままの情報を伝えているそうです。

「例えば、仕事や生活の費用面などは、具体的にお伝えするようにしています。すごく細かいところまで話してしまうので『こんなに包み隠さず話してくれる人は、他の地域にはいないよ』と言ってもらえたりします。移住した方には、ここに来て本当によかったと思ってほしいからです」

高田暮舎は移住を考える人たちに、生活環境や働き方、地域の魅力などを詳しく説明し、心から満足する移住になるよう誠心誠意サポートをしています。移住者が"気がつけば長く住み続けている"となることが理想なのだそうです。takatakurashisya (11).jpg

陸前高田市民課などで移住者に配られるチラシ

「あなたにここに来てほしい」を伝えたい

「陸前高田は人気移住地と呼ばれる場所ではないんです」と多勢さんは話します。

全国の移住情報を掲載するサイト「SMOUT(スマウト)」も活用し「お試し移住」や「オンライン相談会」などの情報を積極的に発信しています。しかし、人気のある地域と比べると「いいね」の反応が来にくいのだそうです。takatakurashisya (10).jpg

圧倒的に寄り添う存在でありたいと話す多勢さん

「人気のある場所に比べて反応が少ないからといって諦めずに"いいね"をくれた人には直接メッセージを送っています。イベントなどの情報は、今までに何らかのやり取りをした約1,500人のうち、200人くらいの方に、毎回お知らせをしています。もしお返事をいただけたら、またしっかりお返事をします。『あなたに来てほしい』を一人ひとりに伝えるようにしています」

本当に伝えたいメッセージを、相手の興味や希望を考えて送るため、決まった文章を使うことはしません。文章を作る時間はかかりますが、しっかり寄り添いたいからできることだそうです。takatakurashisya (9).jpg

「お試し移住」のプランは個人の希望に合わせたものに

takatakurashisya (8).jpg

「気仙大工左官伝承館」で開催された移住者交流会

takatakurashisya (3).jpg

高田暮らし交流会~大人も子どもも、もりあそび!~

このような活動が実を結び、陸前高田市はスマウトでの「ネット関係人口スコア(インターネット上で各地域に関心を寄せたり、関わったりしている人の多さで算出されるランキング)」で1位になりました。市外からの移住者は82人(高田暮舎が関わった数)。設立以降の相談件数は200件以上で、交流会などのイベントには300人近い人が参加しました。

空き家バンクでまちの景観を守る

移住を考えるうえで欠かせないのが、住まいです。
高田暮舎では「空き家バンク」事業もおこなっています。空き家バンクは、空き家の活用を希望している家主と、家を探している人とをマッチングさせる空き家情報登録制度です。担当する髙橋さんにお話いただきました。takatakurashisya (7).jpg

ずっと建築にかかわってきたので家・建築への想いは強いと話す髙橋さん

「家は、人が住んで風を通す必要があるんです。空き家になると、雑草が生い茂り動物の住処になり、とても不衛生な状態になってしまいます。それが原因で家が崩れているところもあります。家は人の生活があってこそ保たれるものです。家という箱があるだけでは、家が傷む一方で寂しいですよね」takatakurashisya (6).jpg

お試し移住、視察など多くの人が訪れます

「陸前高田は近所づきあいが多いまちです。しっかり空き家を守ることで、まちの景観や近所付き合いなどの人の交流も守っていければいいなと思っています」

これまで、高田暮舎が紹介してきた空き家は48件。空き家が新しい誰かのマイホームとして受け継がれていくのは、守る人がいてこそなのだと思いました。

 

感謝の言葉がやりがいに

イベントの参加者や実際に移住した方から、アンケートを通じて多くの声が寄せられているそうです。

「親身になって話を聞いてくれたので、移住のイメージがわいた」
「収支のことを、ここまで話してもらえたのは初めてだった」
「若い人がたくさんいることが分かった」など。

コメントの多くには、感謝の言葉「ありがとう」が添えられていて、多勢さんにとってはその言葉が大きな励みになっています。takatakurashisya (5).jpg

普段からアットホームな雰囲気であたたかい高田暮舎メンバー

多勢さんは前職で人材派遣業に携わっていました。その時、考えるようになったのは、自分らしく生きること。

「前職では、社員として利益の追求は必要だと感じながら、根底にあるのは"目の前のお客様にとことん寄り添って最善の選択肢を提案したい"という想いでした。でも、それが両立できない苦しさを感じ、退職してしまいました。仕事を紹介してマッチングさせる点では、今の仕事と変わっていないのですが、人とのつながり方が全く違かったなと思います」

成果を出そうと努力する同僚の多くが、頑張りすぎた結果、体調を崩していく様子をみて疑問を感じました。

「前職での経験を経て、健康で楽しく暮らすことを優先したい。会社に縛られずに、自分のライフスタイルを大切にしたい。そう思うようになって、3ヶ月後には陸前高田に移住をしちゃいましたね(笑)」

多勢さんもまた、移住者の1人なのです。
多勢さんが本当に伝えたいことはー。

「必ずしも移住しなくてもいい。話したうえで"やっぱり合わない"と分かることも一つの価値だと考えています。ときどき通って人に会いに来たり、疲れた時にリフレッシュしたり、一人ひとりにとっての居心地の良い距離感を見つけてほしいです。より多くの方に、自分らしい暮らしの選択肢がもっとあると知ってもらえたら嬉しいなと思っています」

takatakurashisya (2).jpg

陸前高田という故郷も、わが家という帰る場所も、守り迎えてくれる人がいるから、在り続けています。あなたが理想とするホームタウン、マイホームは見つかっていますか。

「ここではないどこかに住むなら」と、もしこれから考えることがあったら、高田暮舎を思い出してみてください。行きたい場所を決めることも、行きたいまちのリアルな情報を得ることも、そんなに難しくないと気がつくかもしれません。

【取材・記事執筆】
一般社団法人トナリノ 板林 恵

2017.07.24

陸前高田へ移住して学ぶ、超実践型ビジネススクールが開校!

特定非営利活動法人SET

特定非営利活動法人 高田暮舎(たかたくらししゃ)

高田暮らしホームページ
https://takatakurashi.jp/
高田暮らしの手引き(PDF)
https://takatakurashi.jp/wp-content/themes/takata-kurashi/img/tebiki48p.pdf

このページをSNSでシェアする

関連記事をさがす

トップページへ戻る