瓦礫を使って被災地に笑顔を作る 株式会社HandMade
2014.03.06
株式会社HandMade
北海道札幌市の企業「株式会社HandMade」が陸前高田市にて、東日本大震災後で発生した瓦礫を使用して制作したのが「瓦Re:KEYHOLDER(ガレキーホルダー)」です。
商品作りを通して被災地に雇用を創出し、被災者どうしのコミュニティの構築にも大きな役割を果たしています。
被災地に少しでもお金が入ればいい
遠く北海道から復興支援のために岩手県陸前高田市を訪れた株式会社HandMadeの中田さん。ボランティア活動を通じて地元の人と交流するなかで、多くの方が震災で職を失った現実を目のあたりにしました。「何とかしたい」、そう思った中田さんの脳裏に浮かんだのは、かつてベルリンの壁が崩壊したときに現地のおみやげ屋さんが壁の瓦礫をパッケージングして売っていた様子。
「被災者ではない自分が被災したものに触れたり、それらをお金を得るために使ったとしたら地元の人はどう思うだろうか?」そんな中田さんの不安を払拭してくれたのは現地で交流した人々の後押しでした。
最初は仮設住宅のお母さんたちと始めたキーホルダーの製作でしたが、福祉作業所「すずらんとかたつむり」さんとの出会いから2拠点での制作へ。発売当時は月に数える程度しか売れなかったが、震災から1年が経過する頃には爆発的に売れるようになったという。
福祉作業所では、子どもたちもキーホルダー作りに携わっています。「長く続けるうちに、それぞれの子の得意分野がわかってきた。彼らのよいところを見つけてあげて、一緒にできることをもっと増やしていきたい」
そう話す中田さんの後ろでは笑顔を浮かべながら作業をする子どもたちの姿がありました。
笑顔で迎えてくれた子どもたち
キーホルダーが生んだ8万人との絆
商品としてのアイディアもさることながら、ひとつとして同じデザインはなく、自分だけのオンリーワンを選べることもガレキーホルダーの魅力です。
ヴィヴィッドなカラーリングのプラスチック片を3枚組み合わせ、先頭の一枚には「RIKUTAKA」のロゴ。形、色の組み合わせはまさに無限大。取材で訪れた授産施設では15名余りの方が作成に携わっていますが、各人が豊かな感性を発揮してセンス良く仕上がっています。
2011年の8月から制作を開始したガレキーホルダーは実に8万個以上を販売したそうです。「最初は瓦礫を使用した商品を嫌がる方も多かった。でも、結果が出てくると周りの反応が変わり、すこしずつ理解者が増えていった」当時を振り返る中田さん。
そんな中田さんの苦労も今では実を結び、ガレキーホルダーを通じて被災地に興味を持った東京の方が高田を訪れたこともあるんだとか。「買ってくれた8万人が高田に来たいと思う宣伝の仕方をしたい」そう語る中田さんのすぐそばには完成したばかりの色とりどりのキーホルダーがあります。
一つひとつ違う顔をもつキーホルダーが、一人一人違う個性を持った人の手に渡り絆を生む。そんな素敵なキーホルダーをみなさんもぜひ手に取って被災地の方とつながってみてはどうでしょうか。
一つひとつ丁寧に作成しています
ガレキーホルダー「RIKUTAKA」スタンプ
袋詰め作業で完成です
完成したばかりのガレキーホルダー
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