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地域を元気にする「甲子柿」で、町を盛り上げる!

2018.11.27

釜石市甲子地区活性化協議会

岩手県釜石市西部の「甲子(かっし)地区」を元気にすべく、さまざまな取り組みを行っています。特に力を入れているのは、甲子地区の特産品である「甲子柿(かっしがき)」のブランド化です。甲子柿は、戦後間もないころから甲子町で食べられてきましたが、近年では生産者が減り、存続の危機に陥っています。甲子柿を守り、多くの人へ魅力を伝えるべく、ドレッシングやジャムなどの加工品開発を行っています(写真:会長を務める藤井サヱ子さん)。

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まるでトマト!?真っ赤な甲子柿

岩手県釜石市甲子町の特産品である「甲子柿(かっしがき)」。一番の特徴は、トマトと見間違えるほどの真っ赤な見た目です。また、手で簡単に割れるぐらいに柔らかい果肉、ゼリーのようなプルンとした食感も独特。一般的な柿と比べて甘みが強く、リコピンやビタミンなどの栄養素も豊富です。

甲子柿は、渋柿なのでそのまま食べることができず、渋抜きが必要です。その方法がとてもユニークで、「柿室(かきむろ)」と呼ばれる石造りの蔵のような場所に入れ、生木を燃やした煙で燻すこと、なんと1週間。こうして手間ひまをかけて出来上がるのが、真っ赤な甲子柿なのです。

甲子柿が収穫できるのは、10月中旬〜11月上旬のわずかな期間です。さらに、室から出して5日ほど経つと色が悪くなってしまいます。手間がかかる上に日持ちがしないため、甲子地区の外へ出回ることはほとんどありませんでした。

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収穫時は、一般的な柿と変わらないオレンジ色をしています。

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渋抜きを終えて柿室から出すと、オレンジだった実が真っ赤になっています。

幼いころから慣れ親しんだ甲子柿の危機

「子どものころから、甲子柿を食べて育ちました」と話すのは、「甲子柿を守る会」を立ち上げた藤井サヱ子さんです。生産者の高齢化が進んでいたところに東日本大震災が起こり、生産農家はぐっと減少。甲子町に住んでいても、甲子柿を知らない若者も増えていました。「このままでは甲子柿が途絶えてしまう...」。危機感を覚えた藤井さんは、2012年に会を立ち上げました。

「私自身、もっともっと甲子柿を食べたいですし、甲子地区以外の人にもこのおいしさを広めたいと思いました」

この会のメンバーは、生産者だけでなく、甲子柿が好きなら誰でも参加できるようにしました。東京からボランティアで訪れた若い世代も加わり、どうすれば甲子柿の魅力を広めることができるのか、さまざまな意見が飛び交いました。釜石市のイベントへの参加、専門家を加えた勉強会、商品開発など多彩な活動を行い、2014年からは「釜石市甲子地区活性化協議会」がその活動を引き継いでいます。

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釜石市の道の駅で販売される甲子柿。期間限定の貴重な果物です。

甲子柿のおいしさを加工品に詰め込んで

藤井さんたちが積極的に取り組んだのが、甲子柿を使った加工品です。日持ちしない甲子柿は、果実そのままではどうしても遠方へ流通させることができません。少し手を加えることで、遠くの人にも甲子柿のおいしさを知ってほしいと考えていました。

「最初に作ったのは甲子柿のドレッシングです。初めての商品づくりということもあって、とても苦労しました。酢を多くすると固まってしまうなど、調合のバランスも難しくて...」

その分、出来上がったドレッシングには特に思い入れがあるのだといいます。「柿そのものの甘さを感じてほしい」と砂糖を一切使っていないドレッシングは、鮮やかなオレンジ色をしています。

その後、ジェラート、レアチーズケーキ、ジャムと次々と商品を開発。さらに、一瞬で果実を凍らせることのできる「瞬間冷凍」の機器を導入したことで、柿をそのままの形で流通させることができるようにもなりました。瞬間冷凍した甲子柿は、少し溶けるとシャーベット、さらに解凍が進むと、甲子柿本来のゼリーのような食感を楽しむことができます。現在、これらの商品は釜石市内でのみ販売しています。これからは生産量を増やし、より多くの人へ届けることが目標です。

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最初に商品化を果たした「甲子柿ドレッシング」。

甲子地区の名産品を子どもたちへ

藤井さんは、商品開発だけでなく、甲子柿を知ってもらうためのイベントも度々開催しています。この日は、地元の中学生が甲子柿の収穫体験、柿室見学を行い、作業の後には、できたての甲子柿、バニラアイスクリームと甲子柿をあわせたデザートを試食しました。

「甲子地区に住んでいても、若い人はあまり甲子柿に馴染みがありません。まずは食べて、その味を知ってもらって、興味を持ってほしいんです」と藤井さん。中学生たちの「おいしい!」という声に笑顔がこぼれます。

「甲子柿は、"地域を元気にする柿"です。加工品に力を入れるのはもちろんですが、遠方でも果実をそのまま食べてもらう方法がないか、さまざまなことを模索しています」

2018年3月には、ドコモから「dデリバリー」キャンペーン売上の一部を甲子地区活性化協議会へ寄付。寄付金は、新たな加工品開発に向けた機材の調達やレシピ開発などに活用されています。

地域を元気にする真っ赤な柿――。魅力がたっぷり詰まった甲子柿は、甲子町を飛び出して、これから全国へと広まっていくのでしょう。

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中学生たちからは、「初めて食べました」という声も多く聞かれました。

2018.11.27

ゼリーのような食感と、とろける甘さ。甲子柿のおいしさを全国へ

釜石市甲子地区活性化協議会

岩手県釜石市甲子町5-72
(創作農家こすもす内)

創作農家こすもす公式ページ
http://www.sousakunoukacosmos.net/
Facebookページ
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