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人と人とを結ぶ!石巻の復興複合施設「ロングビーチハウスプロジェクト」

2015.01.15

特定非営利活動法人 オン・ザ・ロード

東日本大震災で大きな被害を受けた石巻市渡波地区、長浜海岸から徒歩1分の場所に建築中のロングビーチハウス。ここは、観光・産業・教育がキーワードの復興複合施設です。プロジェクトリーダーの「ロングさん」こと長井孝洋さんと、プロジェクトを立ち上げたNPO法人オンザロードの岡本舞子さんにお話を伺いました。

始動したロングビーチハウスプロジェクト

私たちが取材に伺ったのは夕暮れが間近な時間。建設中のロングビーチハウスから見える長浜海岸の夕日は息をのむ美しさ。
2015年3月14日オープン予定のこの施設は、宿泊スペースやレストラン、そしてコミュニティスペースを備えた複合施設。観光・雇用・教育の三点を結びつけるものとして石巻の拠点となるような施設を目指し、震災直後から石巻市を中心に支援活動を行ってきたNPO法人オンザロードがプロジェクトを立ち上げました。
そして、石巻の渡波地区出身の長井孝洋さんが、被災した実家の跡地を建設地として提供し、ロングビーチハウスプロジェクトの現地リーダーとして運営していきます。
1Fには事務所、2Fには、最大24人収容のゲストハウス8部屋、共同の洗面所、メインスペースには、この施設の中心となる石巻の海産物が味わえるスペイン料理店が設けられ、地域の方々や県内県外の人たちが集まれるコミュニティスペースとして様々な企画をおこなっていく予定になっています。

内装工事中のロングビーチハウス

ロングビーチハウスのベランダから見える夕暮れの海岸の松林

スペインの立ち飲みバルみたいな気楽な空間をつくりたい

施設の目玉ともいえるスペイン料理店をはじめようと思ったのは、「魚種豊富な石巻と海に囲まれた国スペインがリンクしたから」と、岡本さんはいいます。
そこで、スペイン料理店オープンのために長井さんはスペインへ視察に。
「スペインの町並みとか、お店の雰囲気も実際に見て、よかったと思います。あの雰囲気は現地に行ってみないとわからない。」

「ここのレストランも、スペインの立ち飲みバルみたいな、みんなで楽しく気軽に飲んで食べられる場所にしたい。スペインの人たちなんて、午前中から楽しく飲んでますから(笑)。」
「(食材は)石巻の豊富な魚介類を使って。季節のいろんな地のものを使っていきたい。」
長井さんは、これからのことを楽しそうに話してくれました。

現地リーダーの「ロングさん」こと、長井孝洋さん

震災を経て得た新しい人の出会い

取材に訪れた時、ロングビーチハウスは、内装や塗装などの作業中。ペンキを塗るボランティアの方々の笑い声が響いていました。
「アメリカなど海外からもボランティアが来てくれていますよ。みんな応援してくれて、人とつながっていくことがすごく面白い。きっかけは津波による災害だったけど、あれがなかったら出会えない人たちばかりです。」
「人生変わりました。多すぎるくらいの人と知り合って楽しくやっています。亡くなった人の分までもね、楽しくやらないと。」と長井さん。
長井さんご自身も被災をし、職を失うなど大変な経験をされています。
「震災直後はすごい状態でした。流れて来た車やがれきの山でね。」
震災後、NPO法人オンザロードと共に、がれき撤去のボランティアに参加した時、胸に張ることになったネームタグ。長井さんはそのネームタグに、ニックネームとして名前の「長い(長井→長い)」から「ロング」と書きました。以降、みんなから「ロングさん」と呼ばれ親しまれています。

内装作業中の風景

そこには、ペンキを塗るボランティアの方々の笑い声が響いていた

今、必要なもの

「緊急支援が必要だった震災直後の第一段階、ハードよりソフト面での支援が必要となった第二段階。そして第三段階の今は、人口流出が止まらない石巻の街をどうにかしないといけないと考えました。」と、オンザロードの岡本さん。
ロングさん(長井さん)もまた、がれきが片付き始め、再建を断念した家々が解体され、街が寂しくなっていくのを目の当たりにしながら、石巻にみんなが集まれる場所ができないかと考えるようになります。
そんな思いを共有し始動したのがこの「ロングビーチハウス」プロジェクト。施設名称「ロングビーチ」の「ロング」は、徒歩1分でサーフィンや海水浴が楽しめる長浜海岸の「長」と、現地でプロジェクトの中心となる長井さんのニックネームの「ロング」をかけて命名されました。

NPO法人オンザロードの岡本舞子さん

ロングビーチハウスの展望を楽しそうに話す長井さんと岡本さん

未来にむけて

「みんなが楽しく過ごせる空間ができたら、地元の人ももちろん県外の人にも遊びに来てもらって、ここをベースに石巻を楽しんで欲しい。食べ物はびっくりするくらい美味しく、半島や浜は魅力的。そうして自分が生まれ育った石巻市渡波地区を盛り上げたい。」と、ロングさん。
「ロングビーチハウスはこれからの人生を楽しく生きていくためのツール」なのだとも。
岡本さんが続けます。
「(ロングビーチハウスの)一番の魅力はロングさんなんです。被災した体験もロングさんが話して下さいます。震災の記憶を後世に伝えることは大切なことだと思うのです。」
「被災地は特別な場所ではない。皆さんには気軽に遊びにきてもらいたいなと思います。来るだけで被災地のためになります。」

人と人とを結ぶ石巻の拠点「ロングビーチハウス」は、2015年3月、スタートします。

長井さん、岡本さんと内装工事を手伝うボランティアの方々

完成を待つロングビーチハウス

特定非営利活動法人 オン・ザ・ロード

住所:宮城県石巻市渡波字浜曽根の壱47-1

URL
https://ontheroad.weblogs.jp/

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