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オール気仙沼の力で、サメまち気仙沼を盛り上げたい!

2014.09.24

サメの街気仙沼構想推進協議会
フカヒレが有名な気仙沼のサメは、昔から練り製品(かまぼこ、はんぺん)などで食べられ、サメ革製品やサプリの栄養源としても活用されています。「サメの街気仙沼構想推進協議会」は、地域一体となって利用価値の高いサメを活用し、ブランド化に取組むために設立されました。水産加工業者や漁師、自治体、協力企業などが参加し、サメを活用した街の発展に取り組んでいます。

サメまち気仙沼として新しい付加価値への第一歩

2014年7月25日に「サメの街気仙沼構想推進協議会」の通常総会が開催され、事業報告などと共にロゴマークがお披露目されました。このロゴマークのデザインは、協議会の活動に賛同した宮城大学事業構想学部日原広一教授が制作し、大江副市長と村田会長に贈呈されました。
ブランド化の第一歩であるロゴマークが決定したことにより、今後の展開が一層加速しそうです。また、復興庁の平成26年度「新しい東北」先導モデル事業に採択され、今後ヘルスケア食の開拓などに取り組んでいくとのこと。今後、様々なもののアウトプットが期待されます。

ロゴについてそれぞれ意見を出し合う協議会メンバー

サメの街気仙沼構想推進協議会のロゴ(左)とサメまち気仙沼のブランドロゴ(右)

ヒレ以外の部分にも付加価値を

協議会の代表を務めているのは、株式会社ムラタの村田進さんです。株式会社ムラタでは、市場からサメを買い、ヒレはヒレ加工業者に、胴体ははんぺんの材料にするため、すり身に加工して東京の業者に販売しています。村田さんは、被災した地元の企業同士が力を合わせた活動をめざしています。
「ヒレ以外の部分は加工の段階で、余分な皮や骨、肉が出ます。それにどんな付加価値を付けるか。協議会メンバーでそれぞれのアイディアを生かしながら取組んでいます」

サメ革の特徴は水に強いこと。手触りを良くするため、なめしの工程でもなるべく天然素材を使うようにしているそうです。震災後には、本吉町のジーンズメーカーと連携して、サメ革や気仙沼の網なども取り入れたカバンを製作。すでに販売もスタートしています。

サメは交尾の際に噛むことがあるので、革に歯型が残っている場合がよくあります。普通なら傷と捉えますが、これもサメ革の味になるのではと思い、あえて使っているそうです。

「噛み跡にもストーリーを付けたい。革製品は使っていくなかでなじんでいきます。状態の変化を楽しんで使ってもらえたらと思っています。また、サメ革の模様は人間の指紋のように個体によって違うので、他の人とは違うものを持ちたい方にもおすすめです」と村田さん。協議会のグッズにもサメ革の商品を取り入れたいと考えているそうです。
商品化することで、船に乗っている人たちが、「俺が獲ってきたサメの革がこんな商品になっているんだ」という自信につなげていきたいと考えられていました。

協議会の会長を務める、株式会社ムラタの村田進さん

本吉町のオイカワデニムとの連携で誕生した、サメ革を使用したフィッシングバッグ

味のあるサメ革模様が美しい、名刺入れとペンケース(試作品)

シャークナゲットは、気仙沼っ子おなじみの給食メニュー

株式会社ムラタからヒレを購入している企業の一つが、株式会社中華高橋水産です。仕入れたフカヒレの生処理、皮むき、下ゆで、乾燥などの加工を行っています。
製造部の米倉研二さんは「普通のフカヒレと傷があるフカヒレでは同じ味、同じ品質でも値段が半分になってしまう。機械化がなかなかできない仕事なので、ていねいな作業を心がけています」と話していました。

米倉さんおすすめの「シャークナゲット」は10年ほど前から生産し、学校給食にも採用されてきた商品。震災前と比べて、現在では5~6倍の供給量に増えているそうです。
震災後には生産を委託していた工場が被災し、生産続行をあきらめかけた時期もありましたが、「サメ肉の商品が失われてしまうと、ますますサメ肉の消費が衰退していくのではないか」という懸念から、塩釜の工場を探して生産にこぎつけました。
「今は飽食の時代。高タンパク、低カロリーのサメ肉は新しい食材です。栄養士さんにとっては、シャークナゲットはメニューに取り入れやすい食材のようです。子どもの頃に食べた経験のない世代では抵抗があるサメ肉でも、今の子どもたちは給食で食べているので、大人になっても「サメ肉は食べられるもの」という認識が残ります。子どもたちが成長し、その下の世代が生まれたときにも、自然とサメ肉を食べる環境であれば、地域の食文化として根付いていくのではないでしょうか」

気仙沼の学校給食にも採用されているシャークナゲット

サメ肉の機能性を生かした商品開発を目指して

昨年、渋谷で60名を対象にサメ肉の意識調査を行った際には、試食の後に「美味しい」「買える環境があればぜひ買いたい」という意見が寄せられたそうです。
「その時、加工業者としては商品開発する責任があると感じました。今後はいかにサメ肉の機能性を追求していけるかですね」と米倉さん。イベント出店の際には、「気仙沼では皮も肉も余さず使っている」ということしっかり伝えたうえで、サメの解体ショーを開催したり、サメ肉の試食コーナーを設けたりしているとのこと。
「気仙沼の取組みを伝えないとスーパーでサメ肉が売っていてもなかなか興味を引いてもらえません。サメの解体ショーは集客にも効果がありました。サメに興味がある方は多いですね。サメ肉はヘルシーな食材を求めている方や、老人食などにも向いている食材です。サメ肉は健康にも良いという点をもっと広めていきたいと思います。」

株式会社中華高橋水産の米倉研二さん

気仙沼と言えばフカヒレが有名ですが、高タンパクでヘルシーなサメ肉の加工食品や、個体の違いを生かしたおしゃれなサメ革製品等で、気仙沼のまちづくりが一層盛り上がっていくことが期待されます。

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