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極上の和スイーツ「あんぽ柿」を追いかけて

2015.02.18

伊達のあんぽ柿

「伊達のあんぽ柿」体験取材
福島で出逢った「あんぽ柿」をチームレインボー古澤と平松が約半年かけて取材しました。

伊達のあんぽ柿

冬の風物詩、アメ色のカーテンが輝く伊達の郷で、自然豊かな気候風土と伝統の技が生み出す極上の和スイーツあんぽ柿は、福島県伊達市梁川町五十沢(いさざわ)で生まれ、今もなお伝統の技術として受け継がれています。そんな「あんぽ柿」を伊達の農家さん、JA伊達みらいさんの協力のもと体験取材をさせていただきました。

名前の由来は「天干(あまぼ)し柿」

渋柿をやわらかめに色よく乾燥(水分50%程度)させたものをあんぽ柿と呼び、梁川町五十沢では伝統的に「蜂屋柿(はちやがき)」を使います。
9月 桃の出荷を迎えた福島県伊達郡の農家を訪問し色々な種類の桃を堪能、フルーツ王国福島は伊達ではないことを体験。その際、農家さんから「あんぽ柿」のことを初めて聞きました。
あんぽ柿は冬期間の主要作物として、JA伊達みらいが取り扱う販売品目の中で桃に次ぐ販売高を誇っており、普通の干し柿と違い、アメ色でトロリとした口当たりがまるで羊羹やゼリーのような食感、作り方も独特で福島県伊達市梁川町五十沢が発祥の地で歴史ある特産で、その時農家さんのお宅の庭には緑の小さな柿がなっていました。

福島県中通りのお宅の庭にはよく柿の木が植えられていて歴史や文化を感じる

発祥の地を訪問

10月 JA伊達みらい管区には900軒を超える柿の生産農家があり、五十沢に向かうまで至る所に「柿ばせ」と呼ばれる干し場が目に入ります。
五十沢に着くと、山の斜面いっぱいの柿の木が太陽の光を受けてまだ少し緑が入った柿が大きくなっていました。
歴史的には宝暦年間(1751年~1763年)頃から五十沢で柿栽培が始まり、福島盆地の南斜面に位置し日照量が多く、内陸性盆地型気候で寒暖差が激しく柿栽培に適しており、大正時代になるとカリフォルニアの干しぶどう作りを研究し、今の「あんぽ柿」が出来上がりました。
11月~2月があんぽ柿の生産、出荷の最盛期となるため、あんぽ柿を生産する農家では降雪する冬期であっても貴重な収入源となっていたようです。

五十沢の風景(2014年10月)、見渡す限りの柿の木

燻蒸(くんじょう)作業

11月、農家さんから「収穫が始まったよ」と連絡をもらい、日の出前に出動し収穫のお手伝いから、皮をむき、連(れん:柿を干すための縄)に括り付け、硫黄燻蒸し、柿ばせに干すところまで一通り体験。
普通の干し柿と違うのは、専用の部屋で30分程硫黄燻蒸にすることで「あんぽ柿」の特徴であるアメ色が生まれます。通常の干し柿は、時間が経つにつれてだんだん黒ずんできますが、この作業を加えることで「伊達のあんぽ柿」は天然のオレンジ色のまま乾燥されて行きます。

日の出前に収穫

燻蒸の様子

出荷

年が明けて農家さんから「出荷始まってるよ、早くおいでよ」と。お手伝いした柿がちゃんと「あんぽ柿」になっているか一抹の不安も抱えながらお伺いすると、見事なアメ色の「あんぽ柿」、ひとつひとつを手に取ってゴミや汚れを取り除き、へたの部分を綺麗に整形している最中でした。「フルーツというより、和菓子」と言われるように、清潔な部屋と服装でひとつひとつに真心込めて包装されて行きます。お手伝いした柿も無事「あんぽ柿」になっていました。

ひとつひとつ真心を込めて

3重の検査

その足でJA伊達みらい梁川共選場へも見学に伺いました、農家さんが丁寧に包装した「あんぽ柿」を改めて品質をチェック、その後専用の放射性物質検査機器で全品検査され問題がないことを示すシールが張られ出荷されていきます。
収穫までには果樹における放射性物質低減対策として、高圧洗浄機による樹皮の洗浄または粗皮削りによる除染作業を実施。特産のモモやカキ、リンゴ、ブドウ、プラム、サクランボ、ウメなど、管内全ての果樹園面積約2,200㌶・全樹木数約37,000本を一本一本丁寧に洗浄または粗皮削りを行っており、11月~翌年3月までの冬期間に、生産農家や地域住民など、延べ35,000人の作業員を導入。行政主導のもと、JA作業委託を受けて、地域・産地が一丸となって、果樹の除染作業を実施しています。
さらにまだ実が小さい段階で原料柿の検査を行い、収穫前にも再度検査を行っています。そうしてJA伊達みらい管区では昨年度23地区だった「加工再開モデル地区」が61地区までに増え昨冬はJA伊達みらい管区で約120トン、伊達地域全体で200トンを出荷、今年度(平成26年度)は震災前の半分に相当するJA伊達みらい管区で500トン、伊達地域全体で700トンの出荷を目標にしています。

梁川共選場でJA伊達みらい鈴木さんから説明を受けるチームレインボー古澤

「和菓子の甘さは干し柿を以って最上とする」

2月まで出荷は続き、1か月程賞味期限で味わうことができます。関東や、関西などにも出荷され、食物繊維、カルシウム、肌のコンディションを健やかに保つ働きがあるビタミンAなどを多く含んでおり、加糖しない「和菓子の甘さは干し柿を以って最上とする」と言われる「自然な甘み」が凝縮された深い味わいを、店頭や飲食店で見かけたら是非手に取ってみてください。そのまま冷凍し夏にシャーベットとして頂くのも美味しいとか。

このジューシー感!

新たな出逢い

そうして何度か仙台と伊達を往復していると、途中の国見パーキングエリアで五十沢小学校の生徒による地元「五十沢のふるさと自慢ミニ発表会」に出逢いました。小学生たちも地元農家といっしょに「あんぽ柿」をつくり一生懸命PR。
子供たちのふるさとを想うあたたかい気持ちのような「伊達のあんぽ柿」を是非ご賞味下さい。

五十沢小学校の生徒による「五十沢のふるさと自慢ミニ発表会」

今回お世話になった伊達郡国見町の農家 高橋さん(左)と

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