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    「せんだい農業園芸センター みどりの杜」

仙台東部沿岸地区に農と花の憩いを
「せんだい農業園芸センター みどりの杜」

2022.11.25

せんだい農業園芸センター みどりの杜

200種類のバラが春と秋に咲き乱れるバラ園、3月初旬に60種の梅が花を咲かせる梅園、家族でピクニックができる広い芝生、貸し農園、そして1年中果物狩りが楽しめる観光果樹園を備えた「せんだい農業園芸センター」。仙台東部沿岸地域に農と花による憩いを提供する同センターの魅力をお伝えします。

花を愛で、自然と触れ合える公園

四季折々の花と自然を楽しめる「せんだい農業園芸センターみどりの杜」は、年間約30万人が来場する人気スポット。来園者は季節の花を愛でられるのはもちろん、芝生でピクニックしたり、旬の果物を摘んだり、ユニークなイベントやワークショップに参加したり、農園を借りて自分で野菜作りを楽しむこともできる場所です。気軽に農と触れ合える場所として、幅広い年代に親しまれています。

当センターは、震災津波被災後、一時閉園していましたが、2016年4月から震災復興および地域活性の拠点をめざし、仙台市がPPP事業(公民連携事業)として公募され、現在は、①仙台ターミナルビル(仙台市) ②日比谷アメニス・日比谷花壇共同事業体(東京都)の2グループで事業運営されています。

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花と自然に触れ、果物狩りも楽しめる施設。
キッズエリア・レストランやショップもあり、子どもから大人までゆっくりと楽しめるようになっています

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センター入り口。取材に伺った9月末は入り口前のキバナコスモスが見頃を迎えていました

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公園の中でも、人気が高いのはやはりバラ園。
約200種、1,200株のバラが春と秋に花を咲かせます。
バラの季節に、定期的に行われている「朝さんぽ」というイベントも大好評。朝の清々しい空気の中、バラの香りを堪能できます

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約60種、125本の梅の花が咲く梅園も人気。
見頃を迎える3月中旬には「梅を観る会」も行われ、毎年たくさんの人が訪れます

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夏には色や形の異なる数種類のひまわりが見頃を迎えます。期間限定で花壇が開放され、花畑の中を歩くことができます

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彫刻も楽しめる芝生広場。休日は、敷物を敷いたり、テントを張ってピクニックをする家族連れで賑わいます

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取材に伺った9月末は、ちょうど人気イベント「わらアート」の準備が行われていました。このイベントは、震災復興の象徴として、区内の被災農地でとれた稲わらを使用し、アート作品をつくるというもの。製作しているのは、震災後、この地域で農家支援ボランティアとして活動を続けている学生さんたち。型に針金を通してわらを巻きつける作業が想像以上に力を必要とするとのことで、「固くて大変ですが、できあがっていくのが楽しいです」と笑顔で語ってくれました。
2022年の「わらアート」展示は12/3まで行われます

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園内のレストラン「旬菜×パスタ DACCHA」では、地元の旬の食材をふんだんに使ったパスタが大好評。スイーツやコーヒーなど、カフェメニューもあります

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お話を伺ったのは、日比谷アメニス・日比谷花壇共同事業体の所長、坂本邦雄さん。より多くの人が花と農を楽しめるよう、スタッフの皆さんで、日々の管理作業を行い、安全で快適な空間づくり実施するとともに、アイデアを出し合い、イベントやワークショップの企画を工夫していると話します。来園された皆様が「きれいだね!」「楽しかった!」と言ってくれるととても嬉しく、やりがいを感じると話していました

ユニークなイベントやワークショップが盛りだくさん

センター内では、花や植物をもっと身近に感じてもらえるよう、イベントやワークショップも多く行われています。

過ごしやすい季節の朝、見頃の花を散歩しながら鑑賞するイベントや、普段太陽の下で見ている花を夜に鑑賞するイベントなど、花を楽しむ企画はもちろん、園内の生き物に触れ合う、お子さんを対象にした「自然観察会」、種を撒いたり、苗を定植したり、花や植物に親しむことができる「花育キッズ」というイベントシリーズも人気。無料で開催している「絵本の会」も人気です。また、芝生エリアで開催される朝ヨガや、研修棟で行われる「ハーブ蒸留会」や加工棟で行われる「料理教室、お菓子教室」など、大人向け企画も盛りだくさんです。

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9月に行われた花育キッズでは、4月に植えた紅花の色素でハンカチを染める体験を。参加する子どもたちは毎回楽しみながら自然に触れ合っているそうです

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自然観察会に参加する子どもたち。
真剣な表情と笑顔があふれます

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青い空の下、芝生で行うヨガは大人気。
開催については問い合わせを

貸し農園でマイ野菜栽培を

野菜を育ててみたいけど知識がない。何から始めればいいかわからない。場所がない。興味はあるけれどなかなか始められないという仙台市民のために、センターでは貸し農園を提供しています。抽選時期に区画を申し込む仕組み。農具の貸し出しや菜園アドバイザーによるサポートも受けられるので、初心者でも安心して栽培を楽しめます。

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市民のための貸し農園。
皆さん自由に栽培を楽しんでいるそうです。
収穫した野菜を交換するなど、農を通じて利用者同士の交流も生まれるそうです

1年中果物狩りを楽しめる「果樹園」

東北で果物狩りというと、山形県や福島県が有名。宮城県内では蔵王に果物狩りができるスポットがありますが、仙台市内には多くありません。そんな仙台で、気軽に果物を収穫できる観光果樹園が、せんだい農業園芸センター内にあります。6月のブルーベリーに始まり、ナシ、ブドウ、イチジク、リンゴ、冬の間はミニトマトと、1年を通して収穫が楽しめます。sendai6.jpg

「当果樹園は、複数の果物狩りを1箇所で楽しめる施設です。果物狩りを通して、東部沿岸エリアの農業の振興につなげられればと思っています」と語るのは、観光果樹園を管轄している仙台ターミナルビル株式会社 観光農業部 荒井事務所所長の太田尚志さん。同社は近隣にJRフルーツパーク仙台あらはまも運営しており、東部沿岸エリアに果樹園を通して活気をもたらしています。

「実は、宮城県の果物自給率は7〜8%。私たちは果物を求めて、山形や福島、岩手に出かけますが、もっと宮城県内でも果物を楽しめればいいと思っています。観光果樹園で、気軽に果物狩りを楽しむことで、果物の栽培自体にも興味を持っていただけるとうれしいです」sendai13.jpg

果樹園のお話を伺った太田 尚志さん。
「栽培スタッフは、日々、果物の様子を細かくチェックしながら肥料や水などを調整して、来園者に喜んでもらえるおいしい果物を育てています」と語ります

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取材に伺った9月末は大きなナシが実っていました。樹高が高くならないよう、接木をして横に伸ばしていく栽培方法で育てているため、小さなお子さんでも摘みやすいそう。また、枝がY字に固定されており、台風などの強い風にも煽られにくいそうです

ところで、「ビオレソリエス」「クイーンニーナ」「甘太」「サワールージュ」「チャンドラー」は、果物の品種名ですが、それぞれ何の果物かわかりますか?

答えは「ビオレソリエス」はイチジク、「クイーンニーナ」はブドウ、「甘太」はナシ、「サワールージュ」はリンゴ、「チャンドラー」はブルーベリーの品種名。あまり耳にしたことのない品種も多いのではないでしょうか。 果樹園の魅力の一つが、市場にあまり出回っていない品種も揃えていること。スーパーなどでは見かけることの少ない品種を収穫し、自宅でもぎたての風味を味わうことができます。

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ナシだけでもこんなに種類が。
収穫時期がずれているので、長い期間収穫が楽しめます

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管理棟ではもぎたての果樹を使用したジェラートも販売(2022年9月時点)

果樹園では、地元の農家さんや新規就農を目指す人に、果樹の栽培方法をレクチャーする研修も開催中。長年、試験場で果樹の研究に携わり、同果樹園オープン時に力となってくれた博士が講師。「果樹栽培は難しいと思われがちですが、まずは気軽に応募してほしい」と太田さんは言います。

花と農で仙台東沿岸部エリアに交流を

実は、同センターの歴史は古く、前身は、イギリスで近代農業を学んだ伊達家31代当主伊達邦宗が1900年、屋敷内に開設した「養種園」にさかのぼります。後に現在の地に場所を移し、憩いの場として市民に親しまれてきましたが、震災による津波の被害で休園に。その後、施設の改修を経て、2016年に現在のような、花と農に触れ合える公園と観光果樹園を備えたセンターとしての運営が始まりました。

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震災後の施設改修の際、震災からの復興・新生を願って小高い丘の上に作られた鐘。「震災当時、施設にいた方々は全員管理棟の2階に避難し、無事だったそうですが、津波はこのあたりまでやってきました」と坂本さん

「たくさんの人々に親しまれた歴史の長い施設を引き継いでいるので、安全・安心で農と園芸に触れ、やすらぎの時間と空間を過ごし、皆様の暮らしを豊かにしていただきたく、より多くの地域の人々にはもちろん、遠くからも足を運んでもらえるような施設にしたい」と坂本さん。現在盛んに開発が進む仙台東部沿岸地区は、観光スポットも増え、スポットからスポットへ、エリア全体を楽しんでもらえる地区に変わりつつあります。「震災後多くの方々の、がれき・泥の撤去等のボランティア活動やご支援で、周辺も含め、「みどり」が豊かによみがえっているここをプラットフォームとして、多くの人々がつながる場所になればいいなと感謝しつつ思います」と語ります。

2023年は、全国都市緑化フェア「未来の杜せんだい2023」(https://sendai-feelgreen.jp/)のサテライト会場になることも決定している「せんだい農業園芸センターみどりの杜」。
今、どんな花が見どころなのか、どんなイベントが行われているのか、早速HPをチェックしてみてください。

せんだい農業園芸センター みどりの杜

〒984-0032
宮城県仙台市若林区荒井字切新田13-1

せんだい農業園芸センターみどりの社HP
https://sendai-nogyo-engei-center.jp/index.php
せんだい農業園芸センター 観光果樹園HP
https://stbl-fruit-farm.jp/arai/

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