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地域と共に育つ「陸前高田ピーカンナッツプロジェクト」

2023.03.07

サロンドロワイヤル タカタ本店

株式会社サロンドロワイヤルのチョコレート販売店です。世界最大のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」で世界の優れたショコラティエ100選に選出されました。連日、世界最高峰のチョコレートを求める多くのお客様で賑わっています。

ピーカンナッツで陸前高田の復興と地方の産業創出を

2022年716日、岩手県陸前高田市に「サロンドロワイヤル タカタ本店」がオープンしました。高級感あふれるチョコレート店が陸前高田にできたことは、市民の間でもたちまち大きな話題になりました。
バレンタインデーを間近に控えた2月のある日。駐車場には県外ナンバーの車も多く停まり、店内も買い物かごを抱えたお客様で賑わっていました。オープンしてわずか7か月弱で約2万人以上ものお客様が訪れています。
ピーカンナッツ産業を通じ、多くの人が訪れ、自分のまちが誇らしくなる。そんな場所にしたいと、お話くださったのは、株式会社サロンドロワイヤル 社長の前内眞智子さんです。
大阪の本社から陸前高田に週に1度足を運ぶ前内さん。このとき「陸前高田に到着したばかり」と店内の暖炉に火を灯し、お話をしてくださいました。photo1.jpg

ナッツ&チョコをコンセプトに

 入店した瞬間、その美しさに目を奪われるのは大きなガラスのショーケース。ショーケースの中で整列するつややかで色鮮やかなチョコレート。曲線と直線で作られたフォルムは、まるで宝石のようです。自分へのご褒美に、大切な人へのプレゼントに。宝石を選ぶような時間を楽しむことができます。

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 多くの受賞歴があるサロンドロワイヤルのチョコレートには、ピーカンナッツが多く使用されています。ピーカンナッツは北米原産のクルミに似たナッツで、鉄分やミネラル、ビタミン類を多く含み、高い抗酸化作用がある食品です。美容やアンチエイジングなど様々な健康効果が認められています。

 

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ピーカンナッツの普及を陸前高田から進めていこうとコンセプトを「ナッツ&チョコ」にしました。

 

震災後の市民を勇気づけたい

前内さんは2016年から東京大学(生産技術研究所、大学院農学生命科学研究科)が主催する「食糧生産技術研究会」に参加していました。

「もともと目指していたのは、世界的な食糧難の解決に向けての取り組みでした。アメリカではピーカンナッツ産業が成功していることと、ピーカンナッツは食品としても栄養価が高く、医学的にも注目されていることがあり、国内での普及を目指していました。

その頃『震災復興のためピーカンナッツで産業を興したい』と陸前高田市からサロンドロワイヤルにお話をいただいたんです。
2017年128日のことでした。大阪の本社に陸前高田前市長や関係者の方々がお越しくださいました。というのも、日本で一番大きなピーカンナッツの消費会社がサロンドロワイヤルだからです。

『市民を勇気づける、日本のどこにもない新しい取り組みをしたい』とか『震災がおきてから、苦しんでいる市民を勇気づけたい』そんな風におっしゃっていました。そのような声をお聞きし、陸前高田のためできることがあるならと、2017728日に正式に共同研究契約・連携協力協定を結びました」。

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「WE LOVE TAKATA」「WE LOVE PECAN」がテーマ

ピーカンナッツを通じた陸前高田の復興と地方創生を目指して、サロンドロワイヤルと東京大学、陸前高田市との産学官連携で推進する「ピーカンナッツプロジェクト」の一環。
それがサロンドロワイヤル タカタなのです。

 

陸前高田に「本店」を作るため

東北のサロンドロワイヤルの店舗は仙台に2つ、盛岡に1つ。東北で4店目となる陸前高田に「本店」が置かれました。

「東北のなかで、最初にショップを出すことが決まっていたのが陸前高田でした。ですが、人口約18,000人の陸前高田市で規模の大きいショップを運営することは難しい。東北の人口規模の大きいところでピーカンナッツの盛り上げとファン作りから始めようと思いました。
ピーカンナッツ産業を陸前高田でおこなうために、周りから盛り上げたい。その想いを仙台の藤崎デパートさんにお話をしたところ非常に共感をいただき、東北1号店ができました」。

その後、仙台にもう1店舗、盛岡にも出店し、いよいよ陸前高田でのオープンに向けた準備を始めるときでした。新型コロナウィルスの流行のあおりを受け、販売数が落ち込んだことで大阪工場の生産ラインを4ヶ月間、止めなければいけないほどの大きな打撃を受けました。

「コロナ禍で工場が完全に停止する衝撃は大きかったです。生産が止まり、仕事ができなくなったとき。社員の心の不安定さを目の当たりにして、すべき仕事がある大事さを思い知りました。落ち込んでばかりもいられない。コロナ禍だけどなんとかしないと!と陸前高田のピーカンナッツプロジェクトを前倒しで進めたんです。多事多難の中、多くの社内外の関係者のご尽力により、無事に20227月、サロンドロワイヤル タカタ本店をオープンすることができたのです」。

 

陸前高田の魅力をこの場所から伝えたい

陸前高田の魅力を発信する場所に。
その役割から、陸前高田限定パッケージの商品が多くあります。陸前高田の画家 田﨑飛鳥さんの絵画や観光スポットがデザインに使用されています。

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販売スペースの奥には、大窓がある開放的な多目的フロアがあります。店舗併設の工場も店内から見えるようになっています。

 「多くの方に来ていただきたい。その願いで陸前高田市と私たちがスタートさせたプロジェクトです。商品販売だけが役割ならオープンキッチンはいらないし、店舗だけの方が運営しやすいんです。多目的フロアやステージで発表会やイベントが開かれる、人が集まる場所になってほしいです」。

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見せる・魅せるショップ・工場に

製造工程の見える工場のほか、多目的フロアにステージを作ることにもこだわり、いろんな楽しみ方ができるようにしました。田﨑飛鳥さんの個展や書道展、ピアノやバイオリンの発表会など、現在多くの活動やイベントに使用されています

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田崎飛鳥さんの個展の様子

 

窓の外に見えるのはピーカンナッツの試験栽培中の畑です(一般社団法人ピーカンナッツ農業未来研究所の事業)。ピーカンナッツの苗植えから、収穫と加工、販売までの工程が陸前高田で行われる計画です。

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 現在はまだ苗の状態の畑ですが、将来、樹として成長したときには四季折々の景色が楽しめるのだそうです。

 

「春になれば葉が茂ってきます。夏になればその緑を深くして。秋には見惚れるほどの紅葉が楽しめます。ショップを出て徒歩で約3分の位置に陸前高田市立博物館、隈研吾さんが設計した建物などの、美しい建造物があります。ぜひ周辺の散策も楽しんでほしいです」。

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一大産地であるアメリカのアリゾナ州の紅葉

美しいまちに多くの人が散策している、そんな未来図が描かれています。

 

「主役はあなたたち」を伝える

 現在、サロンドロワイヤル タカタで働くスタッフは20数名。全員が地元の人です。

 「東北の人たちは震災を経験され、とても苦しかったと思うんです。それでもこれだけのことを10年でできたことは本当にすごい奇跡で、高田の人たちの努力の結晶そのものだと思うんです。このような素晴らしいまちを多くの人に知っていただきたいですね」。

スタッフも一丸となり、陸前高田や東北のために貢献する役割を感じ「仕事をしっかりして今までの恩を社会に返したい」そんな使命感を持っているのだそうです。そんなスタッフに前内さんは「主役はあなたたちなのよ」と伝えているそうです。

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ぜひここで働きたいと入職したスタッフ

「ここは私たちのような本社の人間ではなく、地元の人が地元の人のために運営する工場とショップでありたい。震災で甚大な被害を受けた陸前高田が再び魅力的なまちになったら、日本中の勇気になると思います。特にこれからの時代を生きる若い人たちが、誇りに思えるようなショップ、地域に育っていく。それが私の願いでもあります」。

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ナッツとチョコレート、多目的ホールの設置、スタッフのホスピタリティ。サロンドロワイヤル  タカタ本店が魅せる全てに「あなたたちが主役」であってほしいという、プロジェクトの想いがあるのだと感じました。

 

サロンドロワイヤル タカタの想いにふれてみませんか。

震災から12年となる陸前高田の復興の軌跡と、新しい風を感じてください。

 

【取材・記事執筆】 
一般社団法人トナリノ 板林 恵

サロンドロワイヤル タカタ本店

〒029-2205
岩手県陸前高田市高田町字馬場前304-8

サロンドロワイヤル タカタ
https://www.s-royal.com/takata/
ゴールデンピーカン オンラインショップ
https://www.pecan.co.jp/

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