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岩手県の伝統芸能「シシオドリ」を外国人留学生が体験!

2017.11.17

岩手県の伝統芸能「鹿踊り(ししおどり)」

岩手県の伝統芸能「鹿踊り(ししおどり)」を外国人留学生に体験してもらうイベントが10月29日、岩手県釜石市橋野地区で開かれ、日本に留学している外国人留学生10人が実際に鹿頭被り、踊りを体験してきました!
(岩手県事業名「岩手県平成29年度訪日外国人向け伝統文化鑑賞・体験プログラム開発事業」(企画制作:縦糸横糸合同会社)協力)

★VR動画の閲覧方法ご紹介★

※360°動画です。スマホの方はスマホを上下左右にぐるぐる動かしながら、PCの方は画面をドラッグしながら、お楽しみ下さい。
※動画は、360°動画です。スマホの方はYoutubeアプリでご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=cnYnitQp_CU

ヘッドマウントディスプレイをお持ちの場合は、ヘッドマウントディスプレイにて観て頂くと、より臨場感が味わえますので、ぜひお試しください!

私たちの物語のはじまりは!

東北大学からの留学生5名(ラトビア、インド、インドネシア、フィリピン、フィジー出身)がレインボープロジェクトの協力のもと、岩手県訪日外国人向け伝統文化鑑賞・体験プログラム開発事業の一環として釜石に招かれ、週末のワークショップ'What's Shishi-odori?'に参加しました!

ツアー参加前の集合写真(ドキドキです)

シシオドリって何?

「シシ(鹿)」は、食糧源と考えられていた野生の山岳動物を指す古代日本の用語です。オオカミ、クマ、シカなどを指しています。シシオドリの起源に関する多くの云われがありますが、一般的には、狩猟で殺された鹿や野生動物の魂を成仏させるための儀式として、または崇拝された動物の芸術的儀式として始まったと考えられています。
釜石の地元の方々のあたたかい歓迎によって、2日間で衣装、舞踊、音楽、歌詞のそれぞれの独自の特徴を持つ3つの地域から3種類の「幕踊り」を紹介いただきました。

幕踊り

臼澤シシオドリ(沿岸のサバイバル精神)

私たちの旅は、釜石の北にある大槌町から始まりました。町自体は現在、工事の拠点となっており、2011年の津波によって浸水したところに、新しい道路や建物が広がっています。この町は津波だけでなく、海に広がった木材などの破片と漏れ出した燃料によって火災も広がりました。奇跡的に、小槌神社は火災から免れましたが、多くの建造物は、炎につつまれました。
小槌神社は大槌町のシンボルであり、毎年9月に開催される大槌まつりで訪れる約19団体にとって特に重要な臼澤シシオドリのコミュニティです。いくつかの奇跡が起こり、津波は神社前の階段下の駐車場まで迫り、避難していた住民は、鳥居が焼かれないよう、協力し合って火を止めました。

小槌神社

臼澤鹿子保存会館自体は、何百人もの地元住民の避難所となりました。災害後の数週間から数ヶ月間、慣れ親しんだ鹿子踊りとメロディが、精神的な癒しとなり、失った町や思い出の傷から復活へと向かう気持ちにつなげたのです。
幸運なことに、私たちは保存会のリーダーである東梅さんと一緒にランチができました。東梅さんは私たちに臼澤鹿子の衣装の特徴や、他の地域の音楽や歌詞に共通の特徴があることを教えてくれました。そして、子供たちが鹿子踊りで重要な役割を果たしていることも教えてくれました。最年少の参加者は(東梅さんのお孫さんを含む)わずか2〜3歳から参加しているそうです!
臼澤鹿子は、波が描かれた淡い青色の幕を特徴とし、踊り手は身体をくねらせ、太鼓のリズムに合わせて飛び跳ねます。 「カンナガラ」と呼ばれる鹿子の頭の毛は、薄く削られたドロの木からできています。各頭飾りの角の間には、魚の形をした彫刻家紋の「タテモノ」があります。踊り自体には、オスとメスの鹿子、演奏家(笛と太鼓)と激しい剣士が存在します。
鹿子の動きは力強くてすばやく、肉体的に大変な踊りでした!大槌の祭りでは、鹿子踊りのグループが200軒以上の家やお店を訪問し、将来の幸運を祈ります。それぞれの訪問先では、少なくとも20分(または太鼓が止まるまで)踊ります...私たちは5分やっただけでへとへとでした!
臼澤鹿子踊り保存会への訪問によって、多くのインスピレーションを得ることができました。踊りも十分印象的でしたが、この芸術がどのようにしてコミュニティの深層的な支柱になったのかという話に、私たちは強く心を打たれました。
私たちは、鹿子踊りが単なる踊り以上の存在であることを理解し始めました!

臼澤鹿子

東禅寺しし踊り(時代を超越した伝統)

「幕踊り」の別の形として、遠野市の附馬牛地域にある「東禅寺しし踊り」があります。遠野は、日本の伝統芸能の中心であり、「カッパ」のような神秘的な生き物を含む民話の「物語」の場所として知られています。
「東禅寺しし踊り」は早池峰神社の家紋である剣九曜紋を装飾した白い幕をまとい、毎年、早池峰神社で行われています。ここちよい太鼓のリズムは、激しい足さばきや体のひねりとは対照的です。私たちは、舞いへの感謝の気持ちを示すために、封筒で「シシ」に「ナゲクサ」というお金を渡すパフォーマンスを体験しました!
東禅寺しし踊りを初めて見て印象に残ったのは、とても楽しそうな踊りだということでした。衣装は色とりどりで、子供が「フクベ」を手にもって振りまわしながら、ピエロのように楽しそうに踊っていました。「フクベ」とは子孫繁栄と五穀豊穣を表現しているものです。
「東禅寺しし踊り」は今の時代の演奏家とコラボレーションしながら、自力で継続の努力をしています。伝統を守ることはもちろん重要ですが、次の世代とともに成長し、年齢に関係なく、伝統が時代を超えてすべての人にとって重要なコミュニティであることを目指しているのです。

東禅寺しし踊り

橋野鹿踊り(鋼の結束)

次は大槌町の海岸から、かつては鉄鋼業の中心地であり、近代化の柱のひとつとしてユネスコに認定された釜石北西部の山間部である橋野に向かいました。橋野の人たちは、何世紀たっても、地元の伝統にのっとった鋼のつながりのコミュニティを築いていました。
「橋野鹿踊り」の特徴は、滝沢神社と七日町の家紋が記されている紺色の幕です。臼澤・東善寺と同様に、シシ(鹿)にはドロの木から作られた「カンナガラ」と、角の間に取り付けられた「タテモノ」という模様があります。鹿の動きはとてもエネルギッシュで、鹿と勇敢な剣士の交わり、山中での戦いを描いた「アイジカ」が見どころです!
「橋野鹿踊り」は美しい滝沢神社に奉納するためにあります。毎年7月最後の日曜日に神社のお祭りで鹿踊りが舞われます。この踊りは森の奥の神社の心臓部である「奥の院」で行われます。今回は特別な儀式を見ることができませんでしたが(雨だったので、別の企画となってしまいました)、森の中で穏やかな雰囲気を感じながら、毎年のお祭りの前に、上流にあるこの神社で海の豊漁を祈る神話のサメの話を聞きました。そのサメを見つけることはできませんでしたが、私たちは自然の美しさと紅葉の景色を楽しみました。

橋野鹿踊り

最後に

鹿踊りのルーツを確認した後は、実際に踊りに参加する時間となりました!橋野鹿踊りのスリリングなパフォーマンスだけでなく、剣の舞や子供たちの踊りである「すなおどり」に参加することができたことを、とても光栄に思いました。すばらしいパフォーマンスの影にはたくさんの練習があるということで、私たちは前夜から、ふれあいセンターで橋野の新しい友人たちから踊りを学びました。
地元の人たちと一緒に混じって、共に笑うことによって、踊りが世代間のギャップだけでなく異文化間や言葉による障壁をどうやって克服するのか理解することができました!
楽しかったです!

現地の皆さんありがとうございました!

※参考 ツアーパンフレット

会場となった橋野ふれあいセンターには、外国人留学生10名と、岩手県で鹿踊りを継承する3団体の関係者ら100名以上が集まり、現地・橋野地区からは「橋野鹿踊り」、大槌町からは「臼澤鹿子踊(うすざわししおどり)」、遠野市からは「東禅寺しし踊り(とうぜんじししおどり)」が、それぞれ40人以上の出演者で、迫力ある鹿踊りを披露しました。

ツアーパンフレット

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