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【寄付して応援第6期報告】熊本で活動する人たちをつなぎ、地域の結びつきを強くする

2017.12.22

一般社団法人よか隊ネット熊本
第6期寄付して応援プログラムに挑戦頂いた「よか隊ネット熊本」さんの、”つながるCafe”を取材してまいりました! 2016年4月の熊本地震を受け、さまざまな団体が集まってできたネットワーク組織です。「よかたい」とは熊本弁で「これでいいでしょう」という意味。「怒りや悲しみなどの感情、多様な存在も、すべて受け止める団体でありたい」という想いが込められています。車中泊を続ける避難者の実態調査や、熊本県内外に点在するみなし仮設住宅入居者への見守り事業を行ってきました。(写真左:よか隊ネット熊本の事務局長・土黒(ひじぐろ)功司さん、右:「にぎわい食堂 竹ちゃんち」を運営する竹下紀子さん) ※「ご購入はこちら」をクリックすると、「団体紹介ページ」にとびます。

熊本各地に「つながるCafe」を

2016年4月14日に起こった熊本地震。よか隊ネット熊本は、地震発生から間もない4月19日に活動を始めています。行政の支援が届きにくいことが大きな課題となった、車中避難者やみなし仮設住宅入居者への支援活動を行ってきました。

よか隊ネット熊本の大きな特徴は、複数の団体が集まって結成された点。困窮者支援や環境問題、子ども支援など、地震の前からさまざまな社会問題に取り組んできたメンバーが集まっています。それぞれの知見を生かしたネットワーク活動を行うべく、団体名に「ネット」と付いています。

現在力を入れている活動が、みなし仮設住宅の入居者のために始まった「つながるCafe」です。みなし仮設住宅は避難所ではなく一般住宅なので、入居者が周りから避難者だと気付かれず、孤立しがちという課題があります。どれほど手厚い支援があったとしても、本人が家に閉じこもっていては、その手も届きません。

孤立する人をなくし、支援を行き渡らせるためには、誰もが気軽に立ち寄ることのできるコミュニティーが必要ではないか--。そうして生まれたのが、熊本の各地に小さなコミュニティーを作る活動「つながるCafe」です。より活動を充実させるべく、2017年5月、NTTドコモ東北復興新生支援室が行っている「寄付して応援プログラム」を通じて50万円余りの寄付金を集め、NTTドコモからのマッチング50万を加え、1,019,024円の資金を集めました。それから半年余り。現在「つながるCafe」ではどのような活動を行っているのか、熊本を訪れてまいりました。

よか隊ネット熊本では、多くのボランティアの協力を得て、炊き出しや専門機関の個別相談などを行う大規模なイベントも成功させてきました。

地域の"よりどころ"「にぎわい食堂 竹ちゃんち」

「みんなでわいわい子育てをしたら、お母さんが少しは楽になるだろうと思ったんですよ」と話すのは、「にぎわい食堂 竹ちゃんち」を運営している竹下紀子さんです。「竹ちゃんち」という名前の通り、自宅を開放して、震災前から「子ども食堂」のような形で食堂を続けています。

「食堂がない時はパン屋を開いているんですが、地震の時は、パンを焼いてみんなで食べました。お母さんたちが子どもを連れて集まって、子どもたちはうちの庭で遊んで...。知った顔が集まって、少しだけみんなで息をつくことができました。あの時の恐ろしかった記憶があるから、熊本の人たちは自然と助け合えるんだと思います」

食事は基本的にワンコイン、500円。今は親子に限らず誰でも気軽に立ち寄れる食堂になっています。近所の人だけでなく、時には遠方から訪ねて来る人もいるそうで、自宅以外の2カ所でも開催しています。

自宅を開放し、日々心を込めた食事を作ることを、竹下さんはすべて「自分のため」なのだといいます。「自分が年を取った時に、頼ったり頼られたりすることができる関係を作っておきたいんです。昔は、近所のおばちゃんのおうちでご飯を食べさせてもらうことが珍しくなかったでしょう?そういう地域の"よりどころ"のような場所を作りたいんです」

普段から近所の人と声をかけ合い、関係性を築いておくこと。「竹ちゃんち」がそうであったように、非常時にはこうしたコミュニティーが大きな助けになるでしょう。「地域のよりどころ」は、日常の中の防災なのかもしれません。

この日のメインディシュは、里芋のコロッケとピーマンの肉詰め。野菜はいただきものが多いそう。

地域に根ざした「くまもと健康友の会」

続いて訪れたのは「くまもと健康友の会」。「健康で安心して住み続けられるまちづくり」を推進すべく、病院や薬局などの医療機関と連携して活動を行っています。現在、事務局は7つ、会員数は1万8,000人にのぼります。

興味のあることがあれば気軽に参加してほしい、という趣旨なので、写真撮影会や料理教室、健康チェックなど、活動内容は多岐に渡ります。規模が大きくなくとも決まった場所でコツコツと活動を続けていくことで、みなし仮設住宅に入居している方が足を運ぶことにもつながっているそうです。

この日訪れたのは、薬局の一角を借りた場所。2つのテーブルを囲んで、麻雀を楽しんでいるみなさんがいました。近所の方ばかりではなく、中には1時間ほどかけて通ってくる方もいます。「みんなに会えるのがうれしいからね」「来週は友の会で旅行があるんだよ」と本当に和気あいあいとした雰囲気でした。

麻雀は頭を使い、指先を動かすので、脳の活性化につながるといわれています。

各地に持続性のあるコミュニティーを

最後に、よか隊ネット熊本の事務局長を務める土黒(ひじぐろ)功司さんにお話を伺いました。

「いただいた寄付金は、各『つながるCafé』の場所代、軽食代、そして広告費など事務局の運営費として大切に使わせていただいています」。気をつけているのは、「手助け」で止めることだといいます。

「事務局から人件費を支援することはありません。各団体の自立した活動として成り立たせていかないと、長く続く活動にはならないからです。事務局は、運営者の方同士の顔合わせ会を企画したり、開催日を知らせるチラシを置いたりと、あくまで活動をサポートする立場です」

みなし仮設住宅は基本的に2年で退去することになっており、2018年春にはなくなります。ただ、まだ行く先が決まっていない人、新しい土地で孤独を感じている人など、まだまだ課題は残っています。県内に少しずつ増えてきた「つながるCafé」の存在をもっと知ってもらい、一人でも多くの人を孤立から救いたいと土黒さんは考えています。

「初対面でいきなり突っ込んだ話をすることはありませんから、何度か通った後で、『実は"みなし"に住んでいるんです』と話してくださる方も多いです。一度そういう関係性ができれば、支援も届きやすい。少しずつコミュニティーを広げて、熊本のすべての人がつながることができたらいいですね」

地域で孤立する人がいなくなるように、「つながるCafé」は地域コミュニティーの網を少しずつ広げています。

「くまもと健康友の会」には会員の寄せ書きが飾られていました。

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