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【寄付して応援第7期報告】馬の力で子どもたちを笑顔に。ホースセラピー体験会

2018.11.22

一般社団法人三陸駒舎

2015年4月設立。馬と共に暮らしてきた文化がある岩手県で、馬と人が共生する地域文化を再生するために活動している団体です。築90年の古民家「南部曲り家」を拠点に、馬と一緒に暮らす体験ツアーや、被災地の子どもたちに向けたホースセラピーなどを行っています。

詳しくはこちら

「寄付して応援」の支援金でホースセラピー体験会を開催

2018年12月から行われた「寄付して応援プログラム」に参加し、目標金額202%を達成した三陸駒舎。集まった支援金は、ホースセラピー普及のためのPR活動や研修会などに使われております。

今回、支援金の使い道の一つである「ホースセラピーの無料体験会」が開催されるということで、お邪魔させていただくことに。馬と触れ合うことで、子どもたちに一体どんな変化があるのでしょうか。
日ごろ馬に触れる機会がないため、取材チームもどきどきしています。

▼団体の活動レポートはこちら
馬から生きる力を学ぶ -岩手の古民家で心のケアと地域文化の再生を
https://rainbow.nttdocomo.co.jp/tohoku/know/post-222.html

エサやりからスタート 子どもの自信回復に

馬と人が共に暮らしていた築90年の古民家「南部曲り家」に、参加者の皆さんが続々と到着してきました。小雨がぱらぱらと降っていたので、みんなで長靴とレインコートに着替えて馬小屋へ。さっそく馬と対面です。

「今日、みんなと一緒に過ごしてくれるアサツキですよ」

アサツキは北海道生まれの8歳で、「道産子」という種類の馬だそう。まずは、大人も子どもも混ざって順番に、アサツキのエサやりからスタート。

「コツは、手の形をグーかパーにすること」と、三陸駒舎の黍原(きびはら)豊さんがアドバイス。なぜグーとパーなのかというと、チョキにすると馬が間違えて指までくわえてしまうから。ある女の子は「怖いからいい......」と後ずさり。その横で、何度かホースセラピーに参加したことのある子が「エサあげたい!」と積極的に馬に向かっていきます。

子どもたちは強制されることなく、あくまでも自分のペースで馬と触れ合います。後ずさりしていた女の子も、みんながエサをあげる様子を見ていたら挑戦してみたくなったようでした。ホースセラピーでは、このように「自分から馬にはたらきかける」ことで、「私にもできる」と自信を回復したり、自己有用感を得られたりするんですね。

勢いよくエサを食べるアサツキ。エサやりができると、「上手だね!」と黍原さんが子どもたちに声をかけます。

お母さんと一緒にエサをあげた4歳の男の子。馬がエサを食べた瞬間、ぱっと笑顔があふれました。

エサやりのあとは、ブラッシングとひづめの掃除。黍原さんは馬の足を持っているだけで、基本的には子どもたちが自分で手入れをします。

馬とコミュニケーションを取ってみよう!

馬の世話を体験したあとは、少し広いスペースへ移動して、馬と一緒に歩いてみることに。大人の馬は300キロ以上あり、子どもたちにとってはかなり大きな動物です。目を輝かせて馬を見つめる子もいれば、その大きさに緊張してしまう子も......。

「馬に行きたい方向へ歩いてもらうためには、自分の体をその方向に向けることと、自分からそちらに歩き出すこと。それから、気持ちも大事ですよ」と黍原さん。

果たして馬は言うことを聞いてくれるでしょうか? まずは、馬に慣れている子どもたちが実践してみます。

たずなを持ったら、馬に「よろしくね」とごあいさつ。

行きたい方向を向いて、馬を誘導。子どもたちが歩き出すと、馬もそちらに向かいます。

馬と一緒に柵の中を1周します。

バランス感覚を養うなど、乗馬が身体に良い影響を与える

さあ、いよいよ馬に乗ってみましょう。ヘルメットを装着し、一人で乗れる子は一人で、ちょっぴり緊張している子はお父さんやお母さんについてもらいながら、馬の背中にまたがります。先導役は黍原さん。子どもたちのすぐ横には、インターン生の西海(にしうみ)さんが付き添います。

馬に乗ることは、骨盤を正しい位置に戻すトレーニングになったり、体幹やバランス感覚を養うことにもつながるのだそう。リハビリなどのために、ホースセラピーが保険適用になっている国もあるほど。三陸駒舎では、発達に遅れや障がいのある子どもを対象に、福祉サービスを活用して利用料金の負担を軽減する工夫もしています。

徐々に緊張がほぐれて、笑顔が出てきます。

お父さんと一緒に乗る子も。

馬と触れ合うなかで、自然と個性が出てくる

体験会終了後、参加者同士で感想を共有しました。車で40分かけて通っているというSさんは、「来るたびに(子どもの)『できること』が増えている」といいます。

「ここにくると、子どもの積極的な姿が見られるのでうれしいですね。馬と触れ合うことがメインですけど、馬が怖かったらウサギと触れ合っていてもいいし、曲り家の中で遊んでいてもいい。とにかく自由なんです。動物との触れ合いは言語に頼らなくていいので、海外から引っ越してきたばかりというご家族にも今日の体験会を勧めました」

Sさんに誘われて初めてホースセラピーを体験したKさん一家は、「子どもたちは、馬に乗っているときのほうが自信がついたように見えました」とにっこり。ほかにも、ホースセラピーの体験者からは「チャイルドシートも苦手だったけど、(参加してから)バランス感覚がよくなった」「何もないところでよく転んでいた子が転ばなくなった」「『新しいことは何でも拒否』だったのに、自分から挑戦するようになった」などの声が寄せられているそうです。

「『馬に触りたい』『馬と関わりたい』という気持ちが、子どもたちの中から湧き上がってくるのがいいんです。ホースセラピーを通じて、子どもたちの個性が自然と出てくるのではと思っています」と黍原さん。馬と触れ合う様子を見ている大人たちも癒された、今回のホースセラピー体験会。三陸駒舎では、今後もこうしたイベントやホースセラピーを学ぶ研修会を開催予定です。

体験会終了後もそばを離れない子どもたち。すっかり馬と仲良くなりました。

一般社団法人三陸駒舎

〒郵便026-0411 岩手県釜石市橋野町9-44-7

HP
https://kamakoma.org/
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