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たくさんの笑顔のために、自分ができることを

2022.08.31

林実里さん(起業家)

宮城県丸森町に暮らしながら、様々なビジネスを創出する「まるまるまるもりプロジェクト」のメンバーとして活躍する林実里さん。日々、奮闘している医療従事者を元気づけようと開発した鮮やかな色のドクターコート「Yamayuri」が注目されています。「人々の笑顔のために活動したい」と語る林さんにお話を伺いました。

丸森町から新たな取り組みを。
ドクターコート「Yamayuri」を発表

宮城県丸森町。福島県との県境に位置する緑豊かなこの町には、町の資源や環境に対してビジネスアイディアを持つ起業家を町外から募集する制度「まるまるまるもりプロジェクト」があります。丸森町で暮らしながら新たな挑戦をし、発信するこの企画に、2期生として参加しているのが林実里さんです。画像1.png

まるまるまるもりプロジェクトサイトより

林さんが開発し、2022年1月に発表したドクターコート「Yamayuri」は、新型コロナ感染症の感染が広がる中、日々現場で奮闘している医療従事者たちに感謝とエールを伝えたいという思いから生まれたもの。目をひく、深く鮮やかな黄色は、丸森町のやまゆりの色から発想を得たと言います。画像2.png

林さんが手がけたドクターコート「Yamayuri」。
モデルは林さん

「ここ数年、新型コロナが広がる中で頑張ってくださっている医療従事者の方々が少しでも明るい気持ちになってくれたら、笑顔になってくれたら、という思いで開発しました。気分をパッと明るくしてくれるものは何だろうと考えたとき、身にまとうものがいいと思ったんです。私自身、明るい色のワンピースを着たりすると、気分が華やぐので、毎日羽織るドクターコートが鮮やかなカラーだったらすてきだなと思いました」

アパレル商品の開発は初めてだったと言う林さんですが、着心地や扱いやすさなどにこだわり、2年の月日をかけてドクターコート「Yamayuri」を発表。Yamayuriというブランド名にしたのは、やまゆりの花言葉「人生の楽しみ」が、「少しでも明るい気持ちになってほしい、笑顔になってほしい」という林さんの思いと重なったから。丸森町の青い空の下で力強く咲く、やまゆりの姿もイメージしました。yamayuri1.jpg

ドクターコート「Yamayuri」の詳細を説明する林さん。
着心地、ポケットの位置などにもこだわり、試作を繰り返しました

画像5.png

「Yamayuri」サイト上で商品を販売しています。
丸森町内では、八雄館でも試着購入できます

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無限に広がる穏やかな波の文様に未来永劫へと続く幸せへの願いと、人々の平安な暮らしへの願いが込められている「青海波」の柄。
襟の裏、ポケットの内側にひっそりと隠れています。

「多くの方々にご協力いただいて作ったものなので、感慨深いです。販売を開始して3ヶ月経ちますが、実際にお買い上げいただいた先生方から、診療のときに着用していますなどの声をいただいたり、力をもらっていますと言っていただいたりしていて、感激しています。たくさんの人が明るい気持ちになってくれたらうれしく思います」。yamayuri4.jpg

一歩踏み出したのは、避難所でたくさんの涙を目にしたから

「もともとは活動的なほうではなく、むしろ恥ずかしがり屋でした」

自分自身のことをそう語る林さんが、自ら動き始めたきっかけは、東日本大震災での経験にあると言います。福島県新地町で生まれ育った林さんは、中学校の卒業式当日、激しい揺れに襲われました。
「私の場合、幸い自宅は無事でしたが、地域の多くの人が避難所生活になりました。なんとか避難所で暮らす人たち力になりたくて、役場が募集していたボランティアに応募し、支援物資の仕分けをする手伝いなどをしました

その頃、避難所で目にしたたくさんの涙を忘れないと林さんは話します。
「ある人は、まだ見つかっていない娘さんの写真を涙を流しながら見せてくれました。本当にたくさんの方が悲しんでいて、胸が苦しかったです

林さんは、目の前の人の悲しみを少しでもやわらげたいという思いで、避難所生活で疲れが出てしまった人の肩を揉むなど、自分ができることを行ったと言います。
そうしているうちに私がしたことに対して笑顔になる人がいることに気づきましたそのとき、私がやりたいことは人を笑顔にすることだったんです」。

移り住んだ丸森町でも台風の被害が。強まる「笑顔」への思い

高校時代もNPOの手伝いをし、避難所の支援を続けた林さん。高校卒業後は専門学校に進学し、世界を広げるためにオーストラリア留学も経験しますが、地元に戻り再びNPOの活動に参加しながら東北の支援に携わります。そんなときに出会ったのが丸森町の「まるまるまるもりプロジェクト」。「もっとたくさんの人の笑顔のために、何か新しいことにチャレンジしたい」。そう思っていた林さんは、すぐに丸森町のプロジェクトに応募しました。画像3.png

まるまるまるもりプロジェクトサイトより

林さんが丸森町に移り住んでまもなく、町は台風19号に襲われました。激しく振り続けた雨で阿武隈川が氾濫し、堤防が決壊。町の広範囲が浸水し、多くの家屋が全壊・半壊となり、半数の世帯が避難所生活を余儀なくされました。IMG_1675.jpg

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特に被害の大きかった丸森町五福谷地区の様子(林さん撮影)

林さんは、東日本大震災のときと同じように避難所へ足を運び、避難所に避難している住民の方に寄り添い、できることはなんだろうと考え行動していました。弁護士や社会福祉士さんと協力して避難所で相談会を開いたり、プライベートのない空間に少しでも笑顔が戻ることを願い、炊き出しとライブを合わせたイベントを避難所で開催したり、泥かき作業で手荒れをしている人にハンドクリームを配るなど、できることを行いました。このとき、避難所で生活する人々にとって医療従事者の存在そのものが大きな安心につながることに改めて気づいたと話します。IMG_0969.jpgIMG_3249 (2).jpg

林さんが通っていた避難所(林さん撮影)

避難所生活をしている人たちはすごく不安な毎日を過ごしているので、医師や看護師が避難所に来ると、皆さんすごく安心するんです。不安そうにしていた人がほっとした表情になるのを見て、改めて医療従事者の存在の大きさと医療の大切さを感じました。のちに新型コロナが広がって、医療従事者の方々が日々戦う姿を見たときに、この方たちの笑顔のために何かしようと思ったのがYamayuriの始まりです」

ドクターコートの開発を進める傍ら、林さんはさまざまなことにチャレンジしました。たとえば、丸森町をもっとたくさんの人に知ってもらいたいという思いでチャレンジしたMiss Japanの宮城県代表。ドコモが福島県楢葉町と行っている中学生のメンター制度ではゲスト講師も務めました。IMG_2916.JPEG

楢葉町様との取組み、メンター制度※で講師を務める林さん。中学生は真剣に聞き入っていました
※関連記事「キャリア教育の学びを活性化 ―中学生の夢や憧れを一緒に考える「メンター制度」」

「活動の原点は、やはり人々を笑顔にしたいという思いです。私は今までたくさんの方に出会い、支えてもらいました。その方々に笑顔でいてほしいし、これから出会う人たちにも笑顔になってほしい。夢は世界中の人を笑顔にすることです。そのために自分ができることを続けていきます。」

明るい笑顔でそう語る林さんの挑戦はまだまだ続きます。

【イベント出展情報】
●2022年9月14日〜25日
神奈川県鎌倉市で『平和をつなぐエシカル展』
「Yamayuri」も出展!
9月17日と18日は林実里さんも店頭に立ちます!
https://peaceday.jp/2022/event/0914_0925/

林実里さんInstagram
https://www.instagram.com/misato_pomme/

ドクターコート「Yamayuri」

HP
https://yamayuri.love/
Instagram
https://instagram.com/yamayuri.love?igshid=YmMyMTA2M2Y=

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