ドコモグループ 東北復興・新生支援

笑顔の架け橋 Rainbowプロジェクト

  • HOMEHOME
  • 想いをのせ空に舞う。花火が町も人も輝かせる―陸前高田から全国へ誇る「三陸花火」

想いをのせ空に舞う。花火が町も人も輝かせる―陸前高田から全国へ誇る「三陸花火」

2022.10.04

FIREWORKS株式会社

2020年10月に陸前高田市で初めて開催された「三陸花火」をはじめ、日本各地で花火イベントを主催、開催しサポートを行う、花火プロデュースカンパニー。世界に誇る日本の花火コンテンツを活用して地方から「日本を元気にしたい」という想いを込め、盛り上げています。
陸前高田市で2020年、2021年と2年連続で国内最大級の有観客花火大会として開催を成功させ、2022年10月8日(土)には、「三陸花火競技大会2022」の開催を予定しています。

東日本大震災の発生から、9年経った2020年の秋、陸前高田市の夜空に大輪の華が咲きました。震災の悲しみから立ち上がり、復興への歩みを止めることなく進んできた地域の人たちを労うかのように。そして、町全体を華やかな彩りで照らし、見る人たちを魅了したのが、三陸花火大会です。

「この町にたくさんの人を呼びたい。町に色んな人が触れ合うきっかけを作りたかった」。そう話すのは、三陸花火大会の運営をするFIREWORKS株式会社の代表、浅間勝洋(あさまかつひろ)さんです。hanabi2.jpg

FIREWORKS株式会社の代表、浅間勝洋さん

花火大会開催の経緯から現在に至るまでの道のり、そして花火の魅力や今年10月に開催される「三陸花火競技大会2022」の見どころについても詳しく伺いました。

引き寄せられた陸前高田での挑戦

浅間さんが陸前高田市へ来るきっかけとなったのは、東日本大震災でした。
「当時は、東京でマネジメント会社を経営していました。働くスタッフが、宮城県気仙沼市、岩手県の久慈市や岩泉市の出身の人がたくさんいたんです。それがきっかけで、被災地へボランティアとして毎週通うようになりましたね。その中で一番よく足を運ぶようになったのが、陸前高田市でした」。

震災直後から、何度も訪れている陸前高田市。実は浅間さんのお父さまの出身地でもあります。
何度も足を運ぶなかで、「この町にたくさんの人が来てくれる、きっかけをつくりたい」という想いが沸いてきました。
「今思うと、陸前高田とは何か強い縁で結ばれていたのかな」。と話す浅間さん。

hanabi3.jpg

行きついた答えが、「花火大会」でした。
「なぜ、花火大会なのか?という理由は2つあります。1つは、花火に限らず、イベントなど色んな可能性があると思いました。色々模索している中で、ある花火師さんとの偶然の出会いがあって、花火大会をやろう!となりましたね。2つ目は、広大な土地ですね。この場所は、圧倒的な広さの土地があるので『国内最大級』規模の花火大会が開催できます。可能性もまだまだ広がるし、もっともっと大きくなると思います」。

hanabi4.jpg

想いが形となり2020年4月に実行委員会が発足され、同年10月には「三陸花火大会」を初めて開催しました。
世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るう中、花火で「悪疫退散」という世界の平和を願い、1日だけでも世界を明るく照らしたいという想いが込められ、この年では国内最大級となる約1万発の花火が打ち上げられました。

地域活性の起爆剤に

「1回目の花火大会を開催してから、花火業界の魅力、花火コンテンツの可能性を感じました。地域の人たちも、開催後から反応が変わってきて、協力してくれる人も増えてきました。よし!この花火大会をちゃんと続けていこう!と強く思いましたね」。
浅間さんは事業化することを決意し、2021年4月にFIREWORKS株式会社を立ち上げます。hanabi5.jpg

2022年9月現在まで、三陸花火大会の有観客での開催は3回。来場者数は、約2万6000(優良観覧エリアのチケット購入者)になります。
大勢の人が1日に一気に集まるイベントを開催するのには、大変な苦労がある反面、嬉しい出来事もあります。

「交通や安全対策、警備計画を立てるのが一番大変ですね。路上駐車や渋滞など、予測をして対策を練りますが、うまくいかないことの方が多いです。それでも毎年、色んな方法を試しながら少しずつ良くなってきてはいますね。」
それでも、まちの助けや協力もあり、大きな事故もなく毎年無事に開催ができていると、浅間さんは話します。hanabi6.jpg

「最近もあったのですが、『花火大会の日がお店開店以来、一番売上が良かったんだよ』。と言われて、ものすごく嬉しかったです。花火を見て笑顔になる、楽しんでくれる。とかそういうのも嬉しいんだけど。花火大会をやって、経済効果がしっかり出た!ということが一つの目標でもあったので、やって良かったなと思いますね。」

今年から、春と秋の年2回開催となる三陸花火大会。10月8日()には、15,000発以上(尺玉200発以上)の打ち上げを予定している「三陸花火競技大会」が開催されます。hanabi7.jpg

進化し続ける花火大会を目指して

今回の花火大会では、音楽12曲とシンクロして花火を打ち上げる、エンターテイメントショーに加えて、日本全国から集まった花火会社23社が自慢の腕を競い合います。

大きな見どころの一つが、世界でもトップクラスの技術とセンスを誇る花火会社「株式会社マルゴー」さんが打ち上げる花火。8月に秋田県大曲市で開催された全国花火競技大会では、最高峰の内閣総理大臣賞を受賞しました。hanabi8.jpg

「日本一の花火師がこれだけの規模の花火を打ち上げるのは、他にはないですね。競技大会として集まってくる作品は、普通の花火と違って特徴的な花火を打ち上げるので、感動と驚きの連続だと思います」。

競技花火では、若手の花火師たちが中心となっています。三陸から"元気"と"笑顔"を届けたいという想いの他に、花火師を含む若手が、挑戦をする場となるよう希望も込められています。

三陸花火競技大会のもう一つの特徴は、来場者が直接投票できる参加型の花火大会です。いかに自分の心に刺さったかが採点基準となり、自分が投票した花火が、日本一になるかも。そんなわくわくがつまった競技大会です。

そして、花火を2度楽しめるのが、「ドローン映像」での鑑賞。今年は高画質でのLIVE配信を行います。hanabi9.jpg

「ローカル5Gの専用回線をパートナー企業に引いてもらい、ドローンから高画質の映像を配信する試みをします。現地に来れない人も、LIVE配信を見て花火のド迫力、色鮮やかな色彩もリアルに体感できます。」
現地で見ている人は、目の前で打ちあがる花火の振動を感じ、手に持つスマホでは、花火の中をすり抜ける躍動感あるドローン映像の二刀流で楽しむ人も多いです。

hanabi10.jpg

夜だけではなく、昼のお楽しみもたくさんの三陸花火競技大会。近隣の一本松ホールでは、東日本大震災で発生した津波の流木から作られたヴァイオリン「TSUNAMI VIOLIN」でのコンサートも開催します。ヴァイオリニストが、「奇跡の一本松」の木片が用いられたヴァイオリンに魂を込めて演奏する様子は、LIVE配信でもご覧いただけます。

お腹を満たしてくれるのが、屋台。会場内にある「さんりくフードビレッジ」では、市内外から約30店舗の屋台が出店しています。三陸ならではの海産物や、ご当地グルメの郷土料理など、ここに来たからこそ味わえるグルメを堪能できます。hanabi11.jpg

他にも、陸前高田市を活動拠点としている「氷上太鼓」をはじめ、三陸沿岸や東北地方の伝統芸能のステージも楽しむことができます。hanabi12.jpg

1日中飽きることなく、時間が足りないと感じてしまうほど、たくさんの魅力がつまった三陸花火競技大会。
「ハードルを上げますが()。期待を裏切らない。そして、期待を超えられると思うので、来て後悔はしないと思いますよ」。そう笑顔で話す浅間さんの目は、自信に満ち溢れていました。

花火に感じる無限の可能性

最後に今後の展望を伺いました。
「花火大会って、一夜で終わる大イベントなイメージですよね。でもそうじゃなくて、花火大会がきっかけで、多くの人がこの町に繋がりを持つとか、旅行に訪れるとか、お取り寄せで何かを買ってくれるとか。そういう風に発展していくといいなって思っています。もともとの目標でもあるので。住んでいる人も、地元を離れて暮らしている人も『陸前高田ってすげーことしてるじゃん!自分たちの町イケてんじゃん!』って思ってもらえたら最高ですよね」。
浅間さんは、まだまだ魅力と可能性がある町だと感じているそうです。

FIREWORKS株式会社では、陸前高田市以外でも花火大会開催のため、全国各地を飛びまわっています。8月には岡山県、9月には福島県で。来年には全国で10大会の開催を予定しています。

hanabi13.jpg

「世界の中でも、花火の技術は日本が群を抜いているんですよね。でも、まだ日本人には理解されていることが少ないんです。もっともっと花火業界として、花火の価値を高めていきたいし、広めていきたいと思っています」。

ここまで浅間さんを魅了している花火の魅力とは何でしょうか。
「花火って、純粋にあがって『あぁ、キレイだな』って思ってみんな喜べるのと同時に、何十万人もの人たちを一度に感動させることができるんですよね。世の中で花火の他に何があるんだろうって思うくらい、好き嫌いがない。花火に個人的に魅力を感じているというよりは、花火を打ち上げることによって起こる出来事に魅力を感じていますね」。

hanabi14.jpg

幼き頃、家族と一緒に見た花火。大好きな友達や恋人と行った花火大会。空に広がる花火の美しさに感動したり、大きな音と振動にビックリして思わず泣いてしまったり。誰でも、花火の印象や思い出は少なからずあると思います。

この三陸花火は、記憶にも思い出としてもずっと残るものとなるでしょう。

【取材・記事執筆】
一般社団法人トナリノ 吉田 ルミ子

FIREWORKS株式会社

三陸花火大会HP
https://sanrikuhanabi.com/
三陸花火Facebook
https://www.facebook.com/sanrikuhanabi/
FIREWORKS STORE
https://hanabi-fireworks.shop/

このページをSNSでシェアする

関連記事をさがす

トップページへ戻る