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訪問理美容を広めたい! いわきの美容室「Rodan」の思い

2020.04.30

HairCreative RODAN

福島県いわき市内郷(うちごう)で営業する理美容室。現在の店主・鈴木明夫さんは2代目。 通常の美容室のほか、高齢や病気、介護などで美容室に来ることの出来ない人たちへの訪問理美容、介護施設などへの出張理美容、双葉郡など美容室の少ない地域への移動美容室などを展開している。スタッフは、店舗4人、訪問スタッフ5人の計9人。

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美容室が「来てくれる」
移動する美容室

最近、美容室へ行きましたか?
外出を控えなければいけない中、カットやカラーのために出かけるのもはばかられますよね。

そんな時、美容室の方から来てくれたら、非常に有難いのではないでしょうか。
福島県いわき市の美容室「Hair Creative RODAN」(以下、ロダン)では、美容室に行きたくても行けない人たちへの訪問理美容と、移動式店舗での施術を行っています。

美容室は衛生面での厳しい基準があり、原則は店舗以外でサービスを行うことはできません。ただ例外として、病気や障害、介護などで美容室に行けない人たちや、社会福祉施設への訪問、山間部などで美容室のない地域でのサービスは認められています。

ロダン店長の鈴木明夫さんと姉の橋詰光子さんは、いわきに、そして理美容業界にこの訪問理美容を広げたい、必要な人に届けたいと日々活動しています。contents_image1.jpg

施術する明夫さん

「いつものお父さんに戻った!」
家族の喜ぶ姿がやりがい

訪問理美容に行く際には、家によりますが、かごひとつに必要な道具を入れて1~2人で訪問することが多いそうです。病気や障害などで介護が必要な家庭は、様々な事情で家や部屋が狭いことも多く、その中でカットやパーマ、カラーを施術するには技術と工夫が必要なのだそう。そんな中で少しでも、「美容室に来ているような気持ち」になってもらいたい、と光子さんは話します。
「たくさんのお宅に訪問理美容に行く中で、自分たちが当たり前だと思っていることが当たり前ではない人たちがたくさんいることを実感します。本人も家族も外に出かけることができなかったり、たくさんの介護機材が家にあったり。その家庭ごとの空気を察し、お話をしながらカットやパーマをしていくと、その人本来の、生気がみなぎる瞬間に遭遇するんです」。

はじめは関心がないように感じるお客さまも、施術が進むに連れて、「鏡を見せて」と言ったり、笑顔になったり、人としてスイッチが入るのを目の当たりにするそうです。
「本人はもちろんなのですが、『いつものお父さんに戻った!』と喜ぶご家族の姿を見ることも大きな喜びですね。そして『また来てね』と言ってもらえることがやりがいです」と光子さんは笑顔を見せます。時には、もう長くないと思う人の家に訪問することもあり、その際には、遺される家族に後悔が残らないようにと寄り添う気持ちで施術を行っているそうです。contents_image2.jpg

訪問理美容を行う光子さん

ロダンでは、先代の店主・明夫さん、光子さんのお父さんの時代の、2006年から訪問理美容サービスを行っています。訪問理美容は、多くの美容室が登録はしているものの、実際の利用は多くはありません。それは、サービス自体が知られていないことと、施設の整わない家庭などでの施術のため、普通の施術より技術や工夫が必要とされるためだと言います。
「ですが、理美容は衛生保持のために必要なことです。外出できないからこそ、心と身体の健康を保つために、美容師の支援としての役割も大きいと思っています。ロダンだけがやっていたのでは、マンパワーも足りず、届けられる人にも限りがあるので、多くの美容室に広めていきたい、そのための努力はいくらでもしたいと思います」と店長の明夫さんは力を込めます。明夫さんは、ホームページやYoutubeでのこまめな情報発信、メディアへの取材対応も積極的に行い、訪問理美容の意義を伝え続け、2020年の2月には「日本の光復興大賞※」を受賞しました。

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授賞式に参加する、明夫さん一家

※東北各地で復興のために尽力した団体に贈られる賞で、日本とトルコの友好関係発展を願うもの。過去には、もーもープロジェクトの「ふるさとと心を守る友の会」が受賞しています。
▼「ふるさとと心を守る友の会」の活動記事はこちらから
「被災牛がふるさとの景観を取り戻す、メリットいっぱいのエコ除草」
http://rainbow.nttdocomo.co.jp/tohoku/know/post-209.html

移動美容室「ロダンバス」の可能性

もう一つのロダンのサービスに、移動美容室「ロダンバス」があります。
その名の通り、バスの中に美容室に必要な装備を整えて、必要な場所で施術を行います。
2018年12月より開始した「ロダンバス」は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故による避難で人口が大きく減少し、いまだ美容室が再開していない双葉郡富岡町に月に一度出店するほか、イベント時や依頼のある個人宅などに出張し、施術を行っています。contents_image4.jpg

富岡町のさくらモールとみおかの駐車場に出張するロダンバス

今まで通っていた美容院が震災を機にやめてしまったので行く美容院が無くなってしまった人、復興事業のため町に暮らす人たちにも美容院は必要です。「正直大きな利益になるわけではないですが、必要な人のために続けたい」と明夫さんは話します。

また、今回の新型コロナウイルス感染拡大予防のため、外出は出来ないけれどカットはしたいという個人宅へ出向くことも増えたといいます。「訪問理美容は条件がありますが、移動美容室ならバスを停めるスペースさえあれば、どこへでも行けます。貸切状態になるので、密になることもないですし、一回ごとに使い捨ての衛生キットを使っての施術になるので衛生面も安心です」。今まで訪問で行っていた介護施設からも、外部の人が施設に入るのが難しいため移動美容室で来てほしいという依頼も増えたといい、移動美容室の可能性を感じているそうです。contents_image5.jpg

ロダンバスで施術する光子さん

衛生と安全に最大限に気を遣いながら、今だからこそ理美容を利用してほしい

ロダンでは、緊急事態宣言が出てから、訪問や移動美容室で使っていた、使い捨ての衛生セットを店舗でも取り入れました。クロス(ケープ)とタオルを1回の使い捨てにすることで衛生面を確保しながら、施術を行うことができます。衛生セットは、移動美容室発祥の、大分県のメーカーから取り寄せているそうで、明夫さんの知る限りでは、東北ではロダンのみでの試みだといいます。お客さまからは「使い捨てだと安心できる」という声、お店側としても衛生面で安全に施術できるそう。

「理美容サービスは、衛生管理はもちろん、気分が晴れやかになったり、浄化されたりする作用もあると思っています」と、明夫さん。ロダンでは、店舗の衛生管理や安全な距離の確保はもちろん、スタッフの衛生・健康管理、お客さまへの協力も含め、万全の態勢で営業を続けています。

社会の環境が整ったときには、髪の毛と、そして心を整えに、美容室に足を運びたいですね。

(写真協力:Hair Creative RODAN、山根麻衣子)contents_image6.JPG

間隔を大きく開けた店内で、衛生セットを使用しカットする明夫さん

HairCreative RODAN

福島県いわき市内郷御厩町1丁目206
TEL 0246-26-7205
受付時間 8:30~18:30、
定休日 月曜、第1火曜、第3日曜

HP
http://creative-rodan.com/
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