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地方への人の動きをなめらかに。
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2023.01.31

ドコモグループ社内研修 「福島で学ぶ!地方創生・社会課題解決提案 福島県楢葉町合同研修」
特別講演「地方創生ビジネスとは ~FromTo 創立から現在までの軌跡~」
株式会社FromTo 宮城 浩様

ドコモグループの人気社内研修「福島で学ぶ!地方創生・社会課題解決提案 福島県楢葉町合同研修」※は、社内研修でありながら、実際に地域に出向き、4ヶ月という時間をかけてチーム単位で課題に向き合う実践的な研修。福島県楢葉町を舞台とした2022年の研修では、特別プログラムとして、浜松市で地域活性化の支援を手掛ける株式会社FromToの宮城浩様のオンライン講演を実施しました。参加した研修生から「新規事業立案のイメージがわいた」と大好評だったこの講演。後日、講師を務めた宮城さんに、地域活性化に取り組む思いなどを伺いました。(写真はFromToの社員の皆さん。中央が宮城さん)

---------NTTコミュニケーションズ(以下、NTT): 私たちの社内研修での特別公演(202210月実施)、ありがとうございました! 研修生からも大変好評で、充実した研修になりました。この社内研修は、東北の地域課題に実際に向き合って、課題解決の企画を立案して発表する、というもので2015年にスタートしました。研修生は地域の自治体の担当者や住民にヒアリングして企画を練るのですが、「課題解決」にフォーカスしすぎると、なかなか柔軟な発想にならないことがあり、事務局としてもアプローチの例を知りたいなと思っていたんです。そんなときに、実際にスタートアップで地方への移住支援などをされているFromToさんのことを知りまして、突然お声がけさせていただきました。

宮城様: ありがとうございます。講演はオンラインでしたが、参加した社員の皆さんが熱心に聞いてくださっているのが印象的でした。
実は、講演のお声がけをいただいたとき、ドコモグループが東北復興支援に携わっていることを知らなくて、しかも社内研修ということで、最初、頭の中に「?」が浮かんだままお話を伺っていました。でも、いろいろとお話を聞いて「なるほど」と思ったんですよ。地方が活性化していくには、やはりドコモさんのような全国にネットワーク、インフラを持っている会社は絶対に必要。そう考えると、御社が東北復興支援に取り組んでいたり、社内で課題解決の編集を実施しているのはすばらしいと思いました。

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特別講演後に研修生とオンラインで記念撮影。右端上から3番目が宮城さん。
講演後、研修生からは「地方創生ビジネスに取り組むにあたっての考え方の基礎を勉強することができました」「次回に向けてのヒアリング事項や、確認事項が明確になりました」などの声が聞かれました。

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楢葉町での研修の様子。オンライン講演の翌月、研修生たちは実際に楢葉町に入りました。

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チームに分かれてディスカッションする研修生たち。

---------NTT: 講演では、宮城さんがどのような思いで起業されたのか、FromToさんがこれまでどのような取り組みをされてきたのかをお話しくださいました。うまくいったことも、そうでなかったこともお聞きできて、大変興味深かったと同時に、当然ですが、やはり実際に取り組むとなると甘くはないんだと感じました。

宮城様: そうですね。実際にビジネスをすると、いろいろ起こります(笑)。「どう稼ぐか」がやはり重要なんですよね。とはいえ、今後、研修で皆さんが企画をブラッシュアップしていく中でも(取材したのは202212月。研修は20231月に終了しています)、パッションは大事。講演を聞いてくださった皆さんから「地方を盛り上げたい」という高い意欲は伝わってきたので、そこは大切にしていただきたいと思いました。もう一つアドバイスするなら、地方の良いところを探すことでしょうか。課題探しという視点だけで入ってしまうと、地域の人の協力を得にくい。良いところをより良くするという視点があると応援してくれる人が増えるので、アプローチの仕方も重要です。

--------- NTT: 宮城さんは沖縄県出身でいらっしゃいます。そのことが地方創生に取り組むきっかけになっていると伺いました。

宮城様: はい。地元、沖縄で大学を卒業して、企業でエンジニアとして働いていたのですが、ある時、労働環境や処遇に問題を感じて、上司に話したら、「沖縄ではいいほうだ」と言われてしまって。その後、上京して転職活動をする中でも「沖縄の会社だからなあ」と言われ、大都市と地方の大きなギャップや地方のマイナスイメージに不満を持ちました。で、それを地元の友人に話すと「沖縄だからしょうがない」と。その、あきらめの反応にまた大きなショックを受けました。
地方に対するマイナスイメージが逆転するようなインパクトを生み出したい! そんな思いが起業につながっています。仕事もエンタメも東京一極集中という状態をどうにかしたい。もっと分散させて、地方に広げたいと思いました。

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FromTo の創業日は宮城さんの誕生日! 仲間の皆さんが届けてくれたケーキとともに

--------- NTT: その後、観光マッチングのプラットフォームや移住支援のプラットフォームを立ち上げられたんですよね。でも、方向転換されています。

宮城様: そうなんです。観光マッチングプラットフォームは、観光で地方を訪れた人が現地の人にアテンドしてもらえるという仕組みで、評判も良かったんですが、買う側の顧客ニーズを読みきれていなかったということと、シェアリングサービスのマネタイズの難しさもあって結局はうまくいかなかった。移住支援のほうは、地方移住を希望する人が移住前に現地の人とつながることで細かな情報を入手できるというサービスでこちらも話題だったのですが、移住までに時間がかかり過ぎること、そして、移住者の大半が「移住先でこれまでのスキルや経験が活かされないのでは」などの不安を抱えているということがわかり、最終的に厳しいと判断しました。

--------- NTT: このへんのお話は講演でもされていましたよね。すごく現実的な内容だったので、ビジネスの厳しさがわかり、研修生も真剣に聞いていました。

宮城様: 研修生の皆さんにとって、僕の経験が参考になっていれば幸いです(笑)。
でも、うまくいかないことがあると、そこからさまざまなことを学べるんですよね。僕は、これらの取り組みを通して、まず企業が地方に移らなくてはいけないと思うようになりました。緑豊かな自然や穏やかな暮らし以外の魅力が地方にもないと、人は移っていかないからです。もっと刺激的な場所にしないといけない。
そこでいろいろと調べていたら、企業が地方に進出するためには大変面倒な手続きが存在していることを知りました。情報を集めるのも大変。そして、とにかく複雑。じゃあ、そこをコーディネートしては? という発想から生まれたのが、今取り組んでいる「47pass(よんななパス)」というサービス(https://from-to.biz/service/)。自治体の施策を活用して企業と地域をつなぐものです。
スタートアップの多くが、あらゆる業態の企業に対してのDXが中心ですよね。そして、日本の中小企業の99%は地方に構えています。そう考えると、ターゲットになるクライアントがたくさんいる。企業にとって地方進出はチャンスだと思うし、さらに地方からスタートアップが生まれればいいなと思っています。

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スタッフと打ち合わせをする宮城さん。スピードを落とさず進めるためには、こまめな情報共有が大切

--------- NTT: なるほど。すごくわかりやすく、やる気の出るお話です。今後のFromToさんの展望を教えてください。

宮城様: 冒頭でもお話したんですが、やはり地方への人の動きをなめらかにしたい。地方=永住というイメージがありますが、今はこの地方に住んでいるけど、たとえば3年後は別の地方に住むみたいな、もっとフラットな生活デザインがあってもいいと思うんです。故郷が複数あるような、そんな社会になればいいと思っています。
まずはそのイメージに向かって、地方の企業誘致にもっと力を入れたい。先ほども触れましたが、現在、展開している「47pass」は、自治体向けには企業誘致を、企業向けには地方進出をサポートするサービス。興味がある方はぜひお問い合わせいただきたいと思っています。

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FromToのコーポレートサイトより、「47pass」の紹介ページ(https://from-to.biz/service/

--------- NTT: 日本が元気になりそうなお話でワクワクしました。今後、研修でも、課題解決視点だけでなく、地方がもっと魅力的になるにはどうするかという視点が大事だと思いました。そのためには、私たちのような企業と、FromToさんのような、アイデア豊富でユニークな企業がもっと共創していけたらいいと感じます。今後ともよろしくお願いします。

宮城様: 私たちのような小さな企業が得意なことと、全国に支社や営業所があり、強いネットワークを持っているドコモさんのような企業が得意なことは違います。大企業とスタートアップがもっと協力し合って魅力的なプロジェクトを生み出していければいいですよね。こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。

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各チームの最終発表はとても充実した内容になりました。笑顔あふれる研修最終日の様子

<チームレインボーより>
研修事務局として大変勉強になりました。良いところを探す視点があると、地域の人の応援が得られやすいというお話がありましたが、とても納得しました。東北で活動する中で感じるのは、どんな取り組みも地域の方々のサポートなしでは成立しないということです。私たちがどういう気持ちで、どういうアプローチで地域と接するのかがとても重要だと改めて感じました。宮城さん、ありがとうございました!

※「福島で学ぶ!地方創生・社会課題解決提案 福島県楢葉町合同研修」は、ドコモ人事部と東北復興新生支援室の合同企画で、2015年、宮城県南三陸町を舞台にスタートした社内研修です。2018年からは活動の地を福島県楢葉町に移しました。2022年からはNTTコミュニケーションズの社内研修として、オンラインも併用しながら実施しています。

関連するサイト

2019年度 研修実施報告
https://rainbow.nttdocomo.co.jp/tohoku/know/0027.html
2018年度 研修実施報告
https://rainbow.nttdocomo.co.jp/tohoku/know/0015.html

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